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株式会社の設立手続(発起設立)について

第1 はじめに

 このページでは、一般的な株式会社の発起設立(※1)の手続について説明しています(法務局(登記所)における手続は第4から始まります。)。
 外国人の方が日本において会社を設立するに当たっては、このページによる手続の前に日本に滞在する目的に応じた在留資格の取得の申請や外国為替及び外国貿易法に基づく報告などの手続が必要となる場合がありますので、御留意ください(※2、3)。在留資格等の手続についての詳細や不明な点については、専門家にお問い合わせください(※2、3)。
 なお、会社を設立すると、代表者の電子証明書による証明及び印鑑カードの発行の請求並びに実質的支配者リストの保管及び写しの交付の申出をすることが可能となります。
 

※1 発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいいます。)の全部を引き受ける方法(会社法第25条第1項)
※2 日本貿易振興機構(ジェトロ)ホームページ「日本での拠点設立方法(モデルケース解説)」
   (https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/guide.html
※3 出入国在留管理庁ホームページ「在留審査手続」
   (https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/tetuduki_index1_2.html

 

第2 株式会社の設立手続の流れ

 一般的な株式会社の設立手続の流れは,以下のとおりです。


           
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第3 株式会社の設立の手続

 

 
第3-1 定款の作成

(1) 発起人による定款の作成
  株式会社を設立するには、発起人(設立時発行株式の引受人であるとともに、設立に関する事務を行う者)が定款(法人の組織活動の根本規則)を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければなりません(会社法第26条第1項)。 
 定款の記載事項には、絶対的記載事項、相対的記載事項及び任意的記載事項の3種類があります(会社法第27条、第28条、第29条等)。

 ア 絶対的記載事項
     絶対的記載事項とは、会社法上必ず記載しなければならない事項をいいます。
  (ア) 目的
  (イ) 商号
  (ウ) 本店の所在地
  (エ) 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  (オ) 発起人の氏名又は名称及び住所

 イ 相対的記載事項
     相対的記載事項とは、会社法の規定により定款に定めがなければその効力を生じない事項をいいます。
  (ア) 変態設立事項(会社法第28条により定款の定めが必要とされる事項のこと)
   (ⅰ) 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数
   (ⅱ) 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
   (ⅲ) 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
   (ⅳ) 株式会社の負担する設立に関する費用

  (イ) (ア)以外
   ・ 株式の譲渡制限(会社法第107条第2項第1号)
   ・ 取締役会、監査役等を置くことができる旨(会社法第326条第2項)
   ・ 存続期間又は解散の事由(会社法第471条第1号、第2号)
   ・ 公告方法(会社法第939条第1項) 等

 ウ 任意的記載事項
     任意的記載事項とは、定款の記載事項のうち、絶対的記載事項及び相対的記載事項以外の事項で会社法の規定に違反しないものをいいます。
   ・ 定時株主総会の招集時期
   ・ 株主総会の議長
   ・ 取締役や監査役の員数
   ・ 事業年度 等

(2) 公証人による定款の認証
  発起人の作成した定款は、会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局所属の公証人の認証を受ける必要があります(会社法第30条第1項,公証人法第62条の2)。公証人の認証手続は、本店の所在地を管轄する区域内にある公証役場で行われます(※1、2)。公証役場に事前に連絡して、手続を行ってください。

※1 日本公証人連合会ホームページ「7-4 定款認証」
   (https://www.koshonin.gr.jp/business/b07_4

※2 日本公証人連合会ホームページ「公証役場一覧」
   (https://www.koshonin.gr.jp/list

 
第3-2 出資の履行

(1) 発起人による設立時発行株式に関する事項の決定(定款に定めがない場合)
    発起人は、株式会社の設立に際して、次の事項を定款で定めていない場合には、発起人の全員の同意を得てこれを定めなければなりません(会社法第32条第1項)。
 ア 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
 イ アの設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
 ウ 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項

(2) 発起人による株式の引受け
  各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければなりません(会社法第25条第2項)。

(3) 現物出資財産についての検査役の調査(現物出資財産がある場合)
  発起人は、定款に会社法第28条各号に掲げる事項(現物出資,財産引受け、発起人が受ける報酬その他の特別の利益及び設立費用)についての記載があるときは、公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければなりません(会社法第33条第1項、第28条)。ただし、次の場合には、検査役の調査は要しないこととなります(会社法第33条第10項)。
 ア 金銭以外の財産及び株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産(以下「現物出資財産等」といいます。)について定款に記載された価額の総額が500万円を超えない場合
 イ 市場価格のある有価証券について定款に記載された価額が市場価格を超えない場合
 ウ 現物出資財産等について定款に記載された価額が相当であることについて、弁護士、公認会計士、税理士等の証明(現物出資財産等が不動産である場合には、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価)を受けた場合

(4) 出資(金銭・現物出資)の履行
  発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければなりません(会社法第34条第1項)。
  金銭の払込みは、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければなりません(会社法第34条第2項)。

 
第3-3 機関の設置

(1) 設立時取締役等の選任
  発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいいます。)を選任しなければなりません(会社法第38条第1項)。設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合には、設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいいます。)を選任しなければなりません(会社法第38条第3項第2号)。
  設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、3人以上でなければなりません(会社法第39条第1項)。
  設立時取締役等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定することとなりますが(会社法第40条第1項)、定款で設立時取締役等を定めた場合は、出資が完了した時にそれぞれ選任されたものとみなされます(会社法第38条第4項)。

(2) 設立時代表取締役の選定
 ア 取締役会設置会社
    設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役の中から設立時代表取締役(株式会社を代表する取締役をいいます。)を選定しなければなりません(会社法第47条第1項)。この場合には、設立時取締役の過半数をもって決定することとなりますが(会社法第47条第3項)、このほか、次の方法も許容されると解されています。
  (ア) 定款に設立時代表取締役の氏名を直接記載する方法
  (イ) 定款に発起人の互選による旨の規定を置き、発起人が互選する方法
  (ウ) 定款に設立時取締役の互選による旨の規定を置き、設立時取締役が互選する方法

 イ 取締役会非設置会社
   取締役会を設置していない場合には、次の方法によることができると解されています。
  (ア) 発起人の互選による方法
  (イ) 定款に設立時代表取締役の氏名を直接記載する方法
  (ウ) 定款に発起人の互選による旨の規定を置き、発起人が互選する方法
  (エ) 定款に設立時取締役の互選による旨の規定を置き、設立時取締役が互選する方法
  なお,上記の方法による選定がされない場合は、設立時取締役全員が設立時代表取締役となります(会社法第349条第1項)。

(3) 設立時取締役等による設立手続の調査
  設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合には、設立時取締役及び設立時監査役)は、その選任後遅滞なく,次に掲げる事項を調査しなければなりません(会社法第46条第1項)。
 ア 会社法第33条第10項第1号又は第2号に掲げる場合における現物出資財産等(第2号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載された価額が相当であること。
 イ 会社法第33条第10項第3号に規定する証明が相当であること。
 ウ 出資の履行が完了していること。
 エ 前3号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。

第4 株式会社の設立登記申請の手続
 
第4-1 設立の登記

 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、設立時取締役等の調査が終了した日又は発起人が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければなりません(会社法第911条第1項)。
 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立します(会社法第49条)。

 
第4-2 登記申請の方式

 登記の申請は、書面(持参又は郵送)又はオンラインによりすることができます(商業登記法第17条第1項、商業登記規則第101条第1項)。
 書面申請の場合には、申請人の代表者又は代理人が登記申請書を作成し、所定の書面を添付の上、株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に提出する必要があります(※)。

※ 法務局ホームページ「管轄のご案内」
  (https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

 
第4-3 登記すべき事項

 株式会社の設立の登記においては、主に次に掲げる事項を登記しなければなりません(会社法第911条第3項)。
(1) 目的
(2) 商号
(3) 本店及び支店の所在場所
(4) 資本金の額
(5) 発行可能株式総数
(6) 発行する株式の内容
(7) 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
(8) 取締役の氏名
(9) 代表取締役の氏名及び住所
(10) 取締役会設置会社であるときは、その旨
(11) 監査役設置会社であるときは、その旨及び監査役の氏名
(12) 公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 等
 

第4-4 申請人

 設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によって行う必要があります(商業登記法第47条第1項)。

 
4-5 記載事項

 申請書には、次の事項を記載し、申請人の代表者又は代理人が記名押印しなければなりません(商業登記法第17条第2項)(※)。

(1) 申請人の商号及び本店並びに代表者の氏名及び住所
(2) 代理人によって申請するときは、その氏名及び住所
(3) 登記の事由
(4) 登記すべき事項
(5) 登記すべき事項につき官庁の許可を要するときは,許可書の到達した年月日
(6) 登録免許税の額及びこれにつき課税標準の金額があるときは、その金額
(7) 申請の年月日
(8) 登記所の表示

※ 外国人が市町村に印鑑登録をしていない等の場合は、記名押印することに代えて署名すれば足りますが、その場合には署名が本人であることの本国官憲(当該国の領事及び日本における権限がある官憲を含みます。)の作成した証明書(いわゆるサイン証明書)を添付する必要があります。詳しくは、法務省ホームページ「外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00104.html)を御参照ください。

書面申請の場合の株式会社設立登記申請書の記載例については、こちらを御覧ください。
・株式会社設立登記申請書(取締役会設置会社の発起設立)
記載例(PDF)
申請書様式 Word PDF
印鑑届書 記載例(PDF) 印鑑届書様式 PDF Excel

・株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)
記載例(PDF)
申請書様式  Word PDF
印鑑届書 記載例(PDF) 印鑑届書様式 PDF Excel

 
4-6 添付書面
  申請書には、主に次の書面を添付しなければなりません(商業登記法第47条ほか)。
  (1) 定款(公証人による認証済のもの)
  (2) 発起人全員の同意又はある発起人の一致があったことを証する書面
  (3) 設立時取締役等の就任承諾書
  (4) 設立時代表取締役の就任承諾書
  (5) 設立時取締役等の調査報告を記載した書面及びその附属書類(会社法第28条に掲げる事項につき検査役の調査を受けた場合に添付を要する。)
  (6) 金銭の払込みがあったことを証する書面(※1、3)
  (7) 印鑑証明書(取締役会設置会社の場合は設立時代表取締役が就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長が作成した印鑑証明書、取締役会非設置会社の場合は設立時取締役が就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長が作成した印鑑証明書の添付を要する。)(※2、3)
  (8) 設立時取締役等の本人確認証明書(設立時取締役等が就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長の印鑑証明書が添付されている場合を除く。)
  (9) 資本金の額が会社法及び会社計算規則に従って計上されたことを証する書面(設立に際して出資される財産が金銭のみである場合は、添付を要しない。)
  (10) 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
  (11) 代理人によって登記を申請するときは、その権限を証する書面 等

 なお、書面申請の場合は、印鑑届書に所要事項を記載し、届出印(会社代表者印)を押印するほか、会社代表者の個人印をも押印し、当該印鑑届書を提出しなければなりません(商業登記規則第9条第1項、第5項)。

※1 設立時代表取締役が作成した払込取扱機関に払い込まれた金額を証する書面に、払込取扱機関における口座の預金通帳の写し又は取引明細表その他の払込取扱機関が作成した書面のいずれかを合わせたものを金銭の払込みがあったことを証する書面として取り扱うことができます。
   なお,払込取扱機関は、内国銀行の日本国内本支店だけでなく、外国銀行の日本国内支店(内閣総理大臣の認可を受けて設置された銀行)も含まれます。また、内国銀行の海外支店も払込取扱機関に含まれます。   

※2 外国人が市町村に印鑑登録をしていない等の場合は、記名押印することに代えて署名すれば足りますが、その場合には署名が本人であることの本国官憲(当該国の領事及び日本における権限がある官憲を含みます。)の作成した証明書(いわゆるサイン証明書)を添付する必要があります。詳しくは、※3のホームページを御参照ください。

※3 法務省ホームページ「外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00104.html)

 
第4-7 登録免許税額

 株式会社の設立登記の登録免許税額は、資本金の額に1000分の7を乗じた金額です。ただし、これによって計算した税額が15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円です(登録免許税法別表第1第24号(1)イ)。
 書面で申請する場合には、登録免許税額分の収入印紙を申請書の余白等に貼ってください。収入印紙は郵便局等で購入することができます。

第5 関係法令等
  (関係法令)
  ・会社法(平成17年法律第86号)
  ・会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)
  ・商業登記法(昭和38年法律第125号)
  ・商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)
※関係法令については、日本法令外国語訳データベースシステム(http://www.japaneselawtranslation.go.jp/?re=01)を御覧ください。
  
  (関連ページ)
  ・法務局ホームページ「株式会社の設立登記をしたい方(オンライン申請)」
  (https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/shogyo_online01.html
  ・デジタル庁ホームページ「法人設立ワンストップサービス」(※)
  (https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/
  ・法務省ホームページ「商業・法人登記関係の主な通達等」
  (https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00098.html
  ・外務省ホームページ「証明(公印確認・アポスティーユ)・在外公館における証明」
  (https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html
  ・金融庁ホームページ「外国語対応可能な士業のリスト(司法書士)」
  (https://www.fsa.go.jp/internationalfinancialcenter/our-support/business/judicialscrivener/
  ・日本司法書士会連合会ホームページ
  (https://www.shiho-shoshi.or.jp/
  ・日本貿易振興機構(ジェトロ)ホームページ「日本での拠点設立方法」
  (https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/
  ・東京都ホームページ「東京開業ワンストップセンター」
  (https://www.startup-support.metro.tokyo.lg.jp/onestop/jp/

※設立登記の申請は、「法人設立ワンストップサービス」から行うこともできます。「法人設立ワンストップサービス」は、法人設立に関する各省庁の手続を一度にまとめてオンライン申請できるサービスの総称です。