検索

検索

×閉じる

面会交流支援に関する参考指針について

令和3年12月 法務省民事局
 
※PDF版はこちら
 
○ はじめに
  安全・安心な面会交流は,子どもの健やかな成長のために大切なものです。しかし,父母双方が子どものための安全・安心な面会交流の実施を望んでいても,別居や離婚に至る事情は様々であることから,当事者のみでは面会交流の実施が難しい場合があります。そのような場合には,面会交流に関する支援を行っている団体や個人(以下,団体と個人を併せて「面会交流支援団体等」といいます。)の方々の努力によって,様々な支援が当事者に提供されているものと承知しています。
  もっとも,面会交流の支援を必要としている方々の中には,面会交流支援団体等の活動を知らないために支援を受けることができない方や,面会交流支援団体等のことは知っていても,どのような支援を受けられるのかが分からず,なかなか支援を頼めないという方もいるように思われます。また,地方自治体においても,面会交流の支援を検討したくても,どのような方と連携して,どのような支援をすればよいのか分からないという状況も見受けられるように思われます。
  そこで,今般,法務省では,面会交流支援団体等の活動において一つの参考としていただくとともに,面会交流の支援を必要としている方々や地方自治体に,面会交流支援団体等のイメージを理解していただくため,面会交流支援団体等の実情や意見などを踏まえながら,本参考指針を作成し,公表することとしました。また,法務省のホームページにおいて,掲載を希望する面会交流支援団体等の一覧表を公表することとしました(詳細はこちらをご覧ください。)。
  本参考指針及び上記一覧表を通じて,面会交流支援団体等の取組や活動内容等をより広く一般に知っていただき,ひいては,支援を必要としている方々が面会交流支援団体等を利用することにより,安全・安心な面会交流の実施の促進につながることを期待しております。
 
○ 本参考指針の趣旨
  本参考指針は,面会交流支援団体等の活動が制度的に位置付けられておらず,面会交流支援団体等の個々の努力によって支援の在り方が模索されているという現状に鑑み,面会交流支援団体等が支援を提供するに当たり,一つの参考となるような基本的な事項を列挙したものです。そして,既に活動している面会交流支援団体等やこれから活動しようと考えている方など,多くの方に活用していただき,ひいては,当事者の方がより安心して面会交流支援団体等を利用できるようになり,面会交流支援団体等の利用促進等につながることを目指しています。
  本参考指針は,面会交流支援団体等の任意の協力をお願いするものであり,遵守を強制するものではありません。また,支援を必要とされている方々や,地方自治体に面会交流支援団体等の活動を知っていただく観点から,あくまで基本的な事柄を列挙したにとどまるものです。それぞれの面会交流支援団体等におかれては,引き続き,地域や組織の実情に応じ,子どもの利益の観点からよりよい支援の在り方をご検討いただければ幸いです。
  なお,本参考指針では,面会交流を実施することについて,父母間で一定の合意があったり,裁判所において取り決められたりした上で,父母双方が面会交流支援団体等の支援内容を十分に理解し,納得して面会交流支援団体等を利用してもらうことを想定しています。したがって,DVや虐待等の事情があり,面会交流を実施することで危険が生じる場合に面会交流の実施を強制したり,反対に,父母間で協力でき,第三者の支援がなくとも面会交流の実施が可能である父母に,面会交流支援団体等の利用を推奨する趣旨のものではありません。
 
○ 本参考指針の活用方法等
  本参考指針は,上記のとおり,あくまで面会交流支援団体等の任意の協力をお願いするものですが,遵守していただいている場合には,例えば,「当団体は,法務省の参考指針を遵守しています。」といった内容を各自のホームページ等に記載した上,支援の際に利用者に遵守内容を説明するなどして活用していただくことが考えられます(以下,本参考指針を遵守している旨を公表している面会交流支援団体等を「指針遵守公表団体等」といいます。)。
  なお,厚生労働省は,同省の面会交流支援事業において,地方自治体から民間団体等に支援の実施を委託する場合の指針遵守公表団体等の活用も含め地方自治体に対して周知することを予定しています。
  また,各地の裁判所においても,本参考指針や指針遵守公表団体等について法務省が作成したリーフレットを窓口等に備え置くなどして当事者に情報提供を行うなどの取組を予定しています。
 
○ 本参考指針の内容
 ⑴ 運営全般に関する指針
  ア 面会交流支援を提供するに当たり,子どもの利益の確保を最も重視することを理念とするとともに,子どもの利益の確保の観点から,中立公平に支援を行うこと
  イ 関係する法令を遵守し,適正に支援活動を行うこと
  ウ 反社会的勢力が実質的に運営を支配するもの又はこれに準ずるものに該当しないこと
  エ 団体等の規模や提供する支援内容に応じ,組織の運営体制を適切に整備すること
  オ 法令に従い,財務,会計,税務を適正に処理すること
  カ 支援関係者(面会交流支援団体等が面会交流支援を提供するに当たり,常勤か非常勤か,有償か無償かを問わず,直接又は間接に支援に関与している者を指す。以下同じ。)との間で,業務内容,報酬その他の条件等を書面や電子メール等(以下「書面等」という。)で明確にすること
  キ 団体名(個人である場合には個人名又は事業者名),団体所在地(個人である場合には事業所所在地)及び連絡先(電話番号,メールアドレス等)を定め,公表すること
    
 ⑵ 支援内容に関する指針
  ア 利用者が支援内容を理解し,利用に同意していることを前提とした支援を行うこと
  イ 利用者に対し,支援内容,支援期間,利用料金,利用条件(利用に当たっての遵守事項,支援の中止・終了事由等)を説明した上,これらを書面等で明確にすること
    このうち支援内容については,支援方法(いわゆる連絡調整支援,受渡し支援,見守り支援など),支援頻度,一回当たりの支援時間,支援場所又はこれらの決定方法を明確にすること
  ウ 子どもの気持ちや意向,健康状態等に十分に配慮した支援を行うこと
  エ 支援の内容や手順等について,支援の種類ごとに団体等の内部用マニュアルを作成した上,支援関係者に対して周知や研修等を行うこと
 
 ⑶ 個人情報等の取扱いに関する指針
  ア 面会交流支援に関して取得した子ども及び利用者の個人情報を適切に管理し,保護すること
  イ 個人情報の保護方針及びその取扱いについての自主的な方針を設定・公表すること
  ウ 支援関係者との間で,個人情報保護の遵守に関する契約を書面等で締結すること
  エ 面会交流支援(子どもや利用者,支援に当たった支援関係者の氏名,支援日時,支援場所,支援の状況など)の記録を適切に行い,一定の期間,適切に保管すること
  オ 個人情報や面会交流支援の記録を利用する必要がなくなったときは,これらを遅滞なく消去すること
 
 ⑷ トラブル対応に関する指針
  ア 子ども,利用者及び支援関係者の安全を確保するための利用者の遵守事項をあらかじめ定め,利用者に対し,同事項を遵守する旨の同意書に署名させるなどして,子ども等の安全確保を行うこと
  イ 面会交流支援を提供する際に,子ども,利用者又は支援関係者の安全上の問題が発生した際の対応方法を適切に定めたマニュアルを作成し,支援関係者に対して周知や研修等を行うこと
  ウ 利用者から苦情等が寄せられた場合の対応方法を適切に定めたマニュアルを作成し,支援関係者に対して周知や研修等を行うこと