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世界保護司会議~保護司を「HOGOSHI」として世界に発信~

(世界保護司会議の動画はこちら:第1部第2部
〇開催までの経緯
 これまで,アジアを中心とする各国の保護司等が一同に会する国際会議として,平成26年と同29年にアジア保護司会議が開催され,各国の保護司や更生保護に関する制度の現状や課題等について意見交換がなされ,保護司の国際的なネットワークをさらに広めていくことを内容とする「東京宣言」が採択されました。

〇趣旨
 罪を犯した人や非行のある少年の再犯防止・改善更生を図るためには,地域ボランティアの協力が極めて重要です。多くの国々で,このような人々の社会復帰を支える官民連携のプログラムがあるほか,日本を始めとする複数の国々において,保護司を始めとする地域ボランティアが彼らの立ち直りを支えています。世界保護司会議は,第1回・第2回アジア保護司会議の成果を踏まえ,世界各国の実務家等の参加を得て,保護司を始めとする地域ボランティアが再犯防止の取組に参画することの有用性や,これらの制度を広く世界に普及していくための方策等について議論するものです。
 今後,本会議の成果は,再犯防止に関する国連準則の策定や,保護司を始めとする地域ボランティア制度の各国への普及にいかされ,「HOGOSHI」の輪が世界に広がっていくことが期待されます。
 
〇概要・プログラム
 日時:令和3年3月7日(日)14:30 – 18:00
 場所:国立京都国際会館
 主催:法務省保護局,国連アジア極東犯罪防止研修所
 参加者:世界各国の刑事司法実務家,研究者,国連機関関係者,日本の保護司
 プログラム:以下のとおり
 

<第1部>
歓迎挨拶(上川陽子法務大臣)
開会挨拶(UNODCワーリー事務局長)
ビデオメッセージ(谷垣禎一全国保護司連盟理事長)
ゲストスピーチ(ナティー・チッサワンタイ法務研究所次長)
基調講演(フランク・ポポリーノ氏)
京都保護司宣言趣旨説明(今福章二保護局長)

 

<第2部>
パネルディスカッション
京都保護司宣言採択
閉会挨拶(UNODCルボー司法課長)

歓迎挨拶(上川陽子法務大臣)


上川法務大臣の歓迎挨拶
 上川陽子法務大臣から,保護司を始めとする地域ボランティアが,犯罪をした人の立ち直りを支える地域社会を作るために日々努力されていることや,保護司(HOGOSHI)を始めとする地域ボランティアの活動が,SDGsに掲げられたマルチステークホルダー・パートナーシップを体現する,非常に重要な意義を持つものであることが述べられました。そして,本会議の成果が,地域ボランティアの輪を世界に広げていくための礎となることを期待する力強いメッセージが伝えられました。
(挨拶全文はこちら:英文和文

開会挨拶(ガーダ・ワーリーUNODC事務局長)


ワーリーUNODC事務局長の開会挨拶
 UNODC(国連薬物犯罪事務所)のガーダ・ワーリー事務局長は,犯罪者の社会復帰を支える地域ボランティアの活動は,社会の安全や法の支配に貢献する,SDGsが掲げるゴール16(平和で包摂的な社会の促進)・17(グローバル・パートナーシップ)の精神を体現するものであることを述べ,犯罪者の社会復帰を支える地域ボランティアの活動が国際的に重要であることを強調されました。また,UNODCの各国に対する支援の取組が紹介され,UNODCは今後も犯罪者の社会復帰における地域ボランティアの活動を支援していく旨が述べられました。
(挨拶全文はこちら:英文和文

ビデオメッセージ(谷垣禎一全国保護司連盟理事長)


谷垣全国保護司連盟理事長のビデオメッセージ
 更生保護法人全国保護司連盟の谷垣禎一理事長からは,保護司が,犯罪をした人を迎え入れ,人と人とが支え合う「絆」で結ばれる地域社会を築くため,常日頃から地道な活動を行っており,このような活動が地域の人々の安全・安心を守っていることが述べられました。そして,コロナ禍においてこそ,「絆」を丹念に練り直していくことが大切であり,これを実践する保護司を始めとする各国の地域ボランティアの存在は,人間社会において「エッセンシャル」な存在であり,SDGsが求める「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて,各国の保護司が先頭となって推進していくことを提案されました。
 (メッセージ全文はこちら:英文和文

ゲストスピーチ(ナティー・チッサワンタイ法務研究所次長)


チッサワンTIJ次長のゲストスピーチ
 タイからオンラインで参加したタイ法務研究所(TIJ)のナティー・チッサワン次長は,保護司制度が日本の更生保護におけるグッドプラクティスであると紹介した上で,社会の変化に応じた保護司制度を支えるインフラ整備の必要性などの問題点を指摘されました。そして,保護司制度が,地域レベルでの再犯防止施策を模索するためのモデルとなること,政府の施策と競合するものではなく官民ともに手を携えて発展できる制度であるということが述べられました。
 

基調講演(フランク・ポポリーノ氏)

 基調講演では,国際矯正司法心理学協会前会長のフランク・ポポリーノ氏が,「保護観察におけるボランティアの未来」というテーマで,日本の保護司制度を例に,ボランティアによる支援を成功に導く6つの要素((1)つながるための時間,(2)支持的で敬意を払った人間関係,(3)コーチングとメンタリング,(4)実際に役立つ支援,(5)更生保護思想の普及啓発,(6)自立した持続的な文化)について発表されました。ポポリーノ氏は,犯罪者処遇において有効なのは,信頼関係の構築と,その活用を通じて相手の変化にいかに影響を及ぼすかであり,これを実践している日本の保護司制度は革新的で,社会内処遇制度における重要な構成要素として維持されるべきであることを発表しました。
(基調講演の資料はこちら:英文和文
 

京都保護司宣言趣旨説明(今福章二保護局長)

 今福章二保護局長は,保護司制度の核心的価値として,(1)善良な隣人としての立場で犯罪者に「寄り添う」ことが,立ち直りへの動機付けを高めること,(2)自発性,社会性,無償性,(3)地域から選出され,地域に根差しているからこそ,地域のネットワークや社会資源を活用することが可能となり,安全・安心な地域社会の実現に向け,助け合うコミュニティーを築く重要な役割を果たす存在となっていることを説明しました。その後,京都保護司宣言の内容について説明し,地域ボランティアが再犯防止の取組に参画することの意義・必要性を強調し,京都保護司宣言の採択を提案しました。(京都保護司宣言は本会議の最後に採択されました。詳細については後記をご参照願います。)。
(京都保護司宣言の提案趣旨に関する資料はこちら:英文和文

パネルディスカッション

 会議後半は「罪を犯した人の立ち直りを支える地域ボランティアの有用性」をテーマにパネルディスカッションが行われ,タイ,フィリピン,日本,ケニア,カナダ,イギリスの各パネリストから各国や地域における地域ボランティアの活用や実際の活動について発表がありました。
 日本のパネリストである栃木県保護司会連合会会長の安藤良子保護司からは,自身の保護司としての経験を踏まえ,保護観察対象者との関係作りにおいて配慮していることについて紹介がありました。また,犯罪をした人が地域に受け入れられるためには,地域の理解や協力が必要不可欠であることを強調され,そのための保護司としての具体的な活動について発表がありました。

(パネリスト略歴はこちら:英文・和文
(各国発表資料はこちら:
タイ(英文)フィリピン(英文)日本(英文和文)カナダ(英文)UK(英文)


  パネルディスカッションの様子                    栃木県保護司会連合会 安藤良子会長の発表

京都保護司宣言採択


京都保護司宣言を掲げるルボーUNODC司法課長
本会議では,その成果文書として「京都保護司宣言」が採択され,保護司を始めとする地域ボランティアの国際的認知の向上やこれら制度の各国への普及,国連の国際デーとしての「世界保護司デー」の創設などに取り組んでいくことが盛り込まれました。
(京都保護司宣言の全文はこちら:英文和文

閉会挨拶(ルボーUNODC司法課長)

 本会議の最後に,UNODCのルボー司法課長から,保護司のような地域のボランティアが犯罪防止,犯罪者の社会復帰及び包括的で平和なコミュニティーの構築に力強く貢献しており,UNODCは犯罪者の立ち直りを支援する地域ボランティアのグローバル・ネットワークを構築し,国境を越えた協力と相互支援を強化すべきという京都保護司宣言を歓迎するとの閉会の挨拶がありました。 
(挨拶全文はこちら:英文和文仮訳
 

今後の取組

 本会議の成果を踏まえ,法務省では,今後,日本の保護司を世界共通語の「HOGOSHI」として広く世界に発信し,「HOGOSHI」の輪を世界に広げていくため積極的に取り組んでいきたいと思います。

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