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少年矯正を考える有識者会議第14回議事概要

1 日時:平成22年11月22日(月)午後1時30分から午後5時まで

 

2 場所:法務省地下1階大会議室

 

3 出席者

(座  長)岩井宜子(専修大学法科大学院教授)

(座長代理)広田照幸(日本大学文理学部教授)

(委  員)石附 敦(京都光華女子大学大学院人間関係学研究科長・教授)

      影山秀人(弁護士)

川﨑道子(元中央更生保護審査会委員)

津富 宏(静岡県立大学国際関係学部准教授)

徳地昭男(元武蔵野学院長)

廣瀬健二(立教大学大学院法務研究科教授)

本田恵子(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)

毛利甚八(作家)

                      (敬称略,委員は五十音順)

法務省)尾﨑道明矯正局長,澤田健一官房審議官(矯正局担当)ほか

 

4 議題 

(1)配布資料説明

(2)提言書素案についての概要説明

(3)意見交換

 

5 会議経過

(1)事務局から,配布資料について説明を行った。

(2)岩井座長から,提言案の概要等について,「少年の尊厳を守る適正な処遇の展

開」,「少年の再非行を防止し,健全な成長発達を支えるための有効な処遇の展開」,「高度・多彩な職務能力を備えた意欲ある人材の確保・育成」,「適正かつ有効な処遇を支えるための物的基盤整備の促進」及び「適正かつ有効な処遇を支えるための法的基盤整備の促進」の5つを具体的提言の柱として構成する旨説明が行われた。

(3)各委員から,以下のような意見が述べられた。

 ・「はじめに」で,プラトンの著作『メノン』の中から,「徳を教えられると思い込んでいる大人こそが,徳とは何かを探求し続けなければならない」というソクラテスの言葉を引用するのであれば,人を教え育むという営為が本来持っている難しさにつなげて記載すべき。

・広島少年院不適正処遇事案については,本会議立上げの契機なのだから,例えば,裁判係属中であったこともあり十分に検討できなかったことが分かるように記載すべき。

・少年矯正の基本的理念については,健全育成だけでなく,再非行防止についてもきちんと記載すべき。

・不服申立制度等については,迅速に審査をする手立て,在院(所)者同士の事故(いじめ等)への対応,再審査制度導入の検討,虚偽申告への措置などのほか,保護者の果たす役割の重要性にかんがみ,代理申立てや情報提供などについても記載すべき。

・不服申立制度が十分に機能するための人的整備の必要性についても盛り込むべき。

 ・矯正教育の内容については,従前から実施している生活指導等の有効な教育内容(5領域)の更なる充実について盛り込むべき。

 ・教科教育の充実については,発達障害,知的障害等の少年への教育の充実についても盛り込むべき。

 ・弁護士と在院者の面会については,少年の最善の利益を考え,特に元付添人等には院長の裁量により無立会とするなどの配慮をすべきではないか。

・「おわりに」に,本会議の反省や今後の残された課題についてもはっきり記載した方が良い。

・会議で話し合われたことが今後きちんと実現されるためにも,提言書に盛り込まれた意見は,実施上の優先度をよく理解して,具体化を進めてほしい。

 

6 今後の日程

次回は,12月7日(火)に法務省で開催し,最終提言案についての検討を行った上,最終提言書として取りまとめられ,法務大臣に提出される予定