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少年矯正を考える有識者会議第15回議事概要

少年矯正を考える有識者会議(第15回)議事概要

 

1 日時:平成22年12月7日(火)午後4時00分から午後5時20分まで

 

2 場所:最高検察庁大会議室

 

3 出席者

(座  長)岩井宜子(専修大学法科大学院教授)

(座長代理)広田照幸(日本大学文理学部教授)

(委  員)石附 敦(京都光華女子大学大学院人間関係学研究科長・教授)
      市川宏伸(東京都立小児総合医療センター顧問)

影山秀人(弁護士)

川﨑道子(元中央更生保護審査会委員)

徳地昭男(元武蔵野学院長)

廣瀬健二(立教大学大学院法務研究科教授)

本田恵子(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)

毛利甚八(作家)

                      (敬称略,委員は五十音順)

法務省)大野恒太郎法務事務次官,尾﨑道明矯正局長 ほか

 

4 議題 

(1)配布資料等説明

(2)「提言書案」について審議・決定

(3)「提言書」の提出

(4)法務大臣あいさつ(法務事務次官代読)

(5)各委員からの感想

(6)座長あいさつ

 

5 会議経過

(1)事務局から,配布資料について説明を行った。

(2)少年矯正を考える有識者会議提言-社会に開かれ,信頼の輪に支えられる少年院・少年鑑別所へ-」を全会一致で決定し,岩井座長において,法務大臣(法務事務次官代理)に対し,これを提出した。

(3)法務大臣から,別紙【PDF】のとおりあいさつがなされた(法務事務次官代読)。

(4)各委員から,以下のとおり,本有識者会議や提言書取りまとめ等に関する所感が述べられた。

      委員の皆様と法務省の協力でここまでよくまとめることができたと思う。広島少年院事案が起こった背景には,施設機能が十分に発揮されなくなっていたことがあったと思う。今回の提言にある不服申立制度等によって,これまでどおり信頼され,国民に期待され,少年にとっても良い施設となることを望む。

      少年矯正施設は,社会の中にあるもので,社会の変化に応じて変わらないといけない。カリスマ的な職員のやり方が大切にされ,持ち上げられるのは良くない。現在のエビデンスベースドの流れを踏まえ,職員一人ひとりが技能を向上させる必要がある。また,少年が再非行をした場合,少年院ばかりが責められる風潮にも疑問を感じる。社会からの理解を得ながら,社会の目を変えていくことも重要である。

      広島少年院事案を端緒とした会議だったのだから,人権や適正な処遇の在り方について,もう少し踏み込んだ議論をした方が良かった。提言書の内容について,少年院・少年鑑別所の連携,家庭裁判所とのカンファレンス,児童相談所との連携,弁護士の無立会面会などを全体にしっかり周知してほしい。

      提言書には,第三者機関や不服申立制度,少年院法改正などの,新しい取組が盛り込まれている。これらによって,広島少年院事案のような事件がもう起きないように改革を進めていってほしい。また,提言書の内容や今後の指針について,現場にきちんと周知しなくてはいけない。

      少年院の教官として,幅広い視野を持った弾力性のある人を育てていってほしい。これからも少年矯正を応援していきたい。

      会議を通して,現場の実情を教えてもらったり,様々な専門性を持った委員の話を聞き,多角的に考えることを学んだ。提言書は良い形でまとまったと思う。今後,この内容を掘り下げ,短期的,中・長期的に行うことなどを仕分け,具体的な施策として進めてほしい。特に法改正は大変な課題だと思う。会議が始まった際にも述べたが,日本の少年矯正は世界に誇りうるものだと思うので,これからも頑張ってほしい。

      知的にボーダーラインにある少年の処遇はとても難しいので,今後処遇プログラムの開発などを進めてほしい。また,家庭裁判所,保護観察所等関係機関との連携を強化することも重要である。

      会議を通じて,少年院がいろいろな難しい問題に直面していることが分かった一方,矯正教育とは何であるのかという疑問も生まれた。少年院の集団生活の中で,一人ひとりの少年の求めるものにどのように応えていくかが重要だと思う。広島少年院事案を踏まえた,これからの少年矯正に期待したい。

      少年矯正の切り口には,様々なポイントがあるが,それぞれのポイントは微妙なもので,答えがすぐに出るものではないと感じた。そうした中で,より良い少年矯正を作っていく必要があると思う。少年院の研究を本格的に行っている研究者は少ないので,研究グループを広げていきたい。

(5)岩井座長から「少年矯正は良き伝統を守りつつ,広島少年院事案の反省を心に刻みながら,未来に向かって,更に大きな一歩を進める必要がある。今後,この提言の趣旨を生かした具体的かつ確実な施策を実施し,少年矯正が社会に開かれ,多くの人々の信頼の輪に支えられ,国民の負託に応えていくことができるよう期待している。」とのあいさつがなされた。

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