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少年矯正を考える有識者会議(第8回)議事概要

1 日時:平成22年7月15日(木)午後1時30分から午後5時まで

 

2 場所:東京高等検察庁17階第2会議室

 

3 出席者

(座  長)岩井宜子(専修大学法科大学院教授)

(座長代理)広田照幸(日本大学文理学部教授)

(委  員)石附 敦(京都光華女子大学大学院人間関係学研究科長・教授)

      市川宏伸(東京都立小児総合医療センター顧問)

影山秀人(弁護士)

川﨑道子(元中央更生保護審査会委員)

津富 宏(静岡県立大学国際関係学部准教授)

徳地昭男(元武蔵野学院長)

廣瀬健二(立教大学大学院法務研究科教授)

毛利甚八(作家)

                      (敬称略,委員は五十音順)

法務省)尾﨑道明矯正局長,澤田健一官房審議官(矯正局担当)ほか

 

4 議題 

(1)配布資料説明

(2)少年矯正の特質を踏まえた施設運営の透明性確保の在り方について(意見交換)

(3)不服申立制度について(意見交換)

(4)職員と在院(所)者の関係の在り方等について(意見交換)

 

5 会議経過

(1)事務局から,配布資料について説明を行った。

(2)矯正局から,平成22年度少年院長会同・少年鑑別所長会同の意見の概要について説明を行った。

(3)少年矯正の特質を踏まえた施設運営の透明性確保の在り方等にかかる以下アないしウの各項目について意見交換を行った。(会議には,小田原少年院門脇院長及び静岡少年鑑別所小板所長が同席した。)。主な意見は,以下のとおりであった(順不同)。

ア 少年矯正の特質を踏まえた施設運営の透明性確保の在り方について

・施設運営の透明性確保のため,少年院・少年鑑別所に第三者機関を設置する必要がある。

・第三者機関の設置は,(何らかの問題が生じた際の)事実関係の把握という意味でも重要である。

・第三者機関の委員には,子どもの健全育成等に理解と見識のある人のほか,少年矯正のことをまったく知らない人を選ぶことも意味がある。

・第三者機関は,施設と対峙するようなものではなく,施設運営の協力者としての機能も結果として期待できるのではないか。

・小規模施設では,第三者機関に係る業務負担も大きくなることから,本来業務に支障を生じないように配慮すべき。また,人的手当ても必要。

・第三者機関は必要であるが,前提として,少年院法の規定をきちんと整備すべき。

・その他の透明性確保の方法として,地域住民等の参観をもっと受け入れるべき。

・マスコミ取材を積極的に受け入れるなど,広報に努めるべき。

・透明性確保の観点からも,元付添人の弁護士の無立会面会を認めるべき。

  イ 不服申立制度について

   ・不服申立制度は,訓令・通達ではなく,法律に根拠を置いた制度とする必要がある。

・少年の訴えに対し,すぐに回答ができるよう,分かりやすく,簡便・迅速なシステムとすべき。

・苦情申出の結果を少年に適切にフィードバックする方法についても工夫する必要がある。

・施設外に対する苦情申出と施設内で迅速・簡便に処理できる制度をバランス良く考慮して制度設計をすべき。

  ウ 職員と在院(所)者の関係の在り方等について

・第三者機関や不服申立制度が整備された場合でも,職員が必要な指導を行う際に消極的にならないよう,職員の指導基準のようなものを明確にすべき。

・少年院の特質を考慮し,在院者の権利の内容を明確にするとともに,矯正教育が適切に実施できるよう十分に配慮すべき。

・職員間の横の連携を強化し,情報共有を行うことが大切。

 

6 今後の日程

次回は8月3日(火)に矯正研修所視察を行い,併せて,職員の人権意識の向上及び職員育成の在り方について議論する予定。