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チュニジア

チュニジアでは、2002年4月、南部・ジェルバ島のユダヤ教礼拝堂付近で、「アルカイダ」幹部ハリド・シェイク・モハメドが関与した自爆テロが発生し、ドイツ人観光客ら21人が死亡した。2011年の政変(いわゆる「ジャスミン革命」(注95) 後も、イスラム過激組織によるテロが多発し、2012年9月に発生した在チュニジア米国大使館襲撃事件には、「チュニジアのアンサール・アル・シャリーア」(注96)メンバーが関与した(注97)

このほか、アルジェリアとの国境に近い西部・シャンビ山では、2012年12月頃から、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)傘下組織「ウクバ・ビン・ナフィ旅団」(注98)による治安部隊への襲撃や爆弾テロが散発的に発生するようになった。

また、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が、2014年6月に「イスラム国」の「建国」を宣言して以降、チュニジアにおいても、同組織への忠誠を表明する勢力が出現した。2015年3月に首都チュニスで発生した博物館銃撃事件(邦人3人を含む外国人21人が死亡)、6月に北部・スース県で発生したリゾート・ホテル銃撃事件(外国人38人が死亡)は、リビアで訓練を受けたISILメンバーが実行したとされるほか(注99)リビアから流入したISILメンバーが、2016年3月、南東部・メドニン県のリビア国境にあるベン・ゲルダンで、軍の兵舎等を襲撃した。

チュニジアからISIL等に参加する目的でイラクやシリアに渡航したのは、約3,000人であり、うち3分の2が死亡し、又は拘束された。チュニジア治安当局は、既に帰国した800人全てを把握していると発表した。(注100)(注101)

チュニジアでは、治安当局が取締りを強化しており、同国内でのイスラム過激組織の活動は減少している(注102) が、依然として、西部の山間部(注103) のほか、都市部でも、2018年10月にISILメンバーによる自爆テロ、2019年6月に在チュニジア・フランス大使館付近等での連続自爆テロ、2020年9月に北部・スース県での治安当局者銃撃事件等が発生している。

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