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デンマーク

デンマークでは、2005年9月、「ユランズ・ポステン」紙が、預言者ムハンマドの風刺画(クルト・ヴェスタゴー作)を掲載したことにより、イスラム諸国でこれに抗議する者らが一部暴徒化するなど大きな反発を招いた。さらに、2006年には、ドイツ等の新聞社が同風刺画を転載したほか、2008年2月には、デンマークの主要紙等が同風刺画を再掲載し、大きな反発を招いた。

こうした状況を受け、「アルカイダ」は、声明等で風刺画問題を繰り返し取り上げ、デンマークへの攻撃を呼び掛けるとともに(注51)、2008年には、パキスタン首都イスラマバードのデンマーク大使館を標的とした自爆テロを実行するなどした。

その後、2012年5月には、同国内でのテロを謀議した容疑でソマリア出身のデンマーク人の兄弟2人が逮捕された。このうち1人は、ソマリアの「アルカイダ」関連組織「アル・シャバーブ」の訓練キャンプに参加した経験があるとされた(注52)

また、2014年9月には、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に対する資金提供及び同組織のステッカーの販売をしていたとしてリビア出身の2人が逮捕され、2015年2月には、デンマーク生まれのパレスチナ系イスラム教徒が「芸術、冒とく、表現の自由」と題する集会の会場やユダヤ教礼拝堂を襲撃した。同集会には、2005年にデンマーク紙がムハンマド風刺画を掲載した際の作者の1人(同人は、「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)のオンライン英語機関誌「インスパイア」第10号(2013年2月)で、殺害対象者の1人として名指しされていた)が参加しており、治安当局は、同人が標的であった可能性があるとの見方を示した。

さらに、2016年8月、首都コペンハーゲンのクリスチャニア地区で、ISILに共感を示していたボスニア系デンマーク人が治安当局に対して発砲する事件が発生したほか、2019年12月には、同国内でのテロを企図した容疑で20人が逮捕される事案が発生した。また、2021年2月には、同国及びドイツで、ISILの影響を受けた者を含む14人が、爆発物や火器を製造するための材料等を入手したなどとして逮捕された。

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