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タジキスタン

タジキスタンでは、1992年から1997年、政府と反政府勢力との間で内戦が続いた。1998年7月には、内戦終了後の国連タジキスタン監視団(UNMOT)に政務官として派遣されていた邦人が武装集団に殺害される事件が発生した。その後、2005年頃から、「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)(注24)、IMUから分派した「ジャマート・アンサルッラー」(JA)(注25)、「ヒズブ・タフリール」(HT、「解放党」)(注26)等による活動が活発化した。JAは、2010年、タジキスタン国内で、治安当局に対する自爆テロや国軍襲撃等を実行した。

さらに、2015年5月、国内で失踪していた内務省特殊任務機動部隊司令官が、シリアで「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に加入したことを公表し、タジキスタンにイスラム法に基づく国家を樹立すると宣言したほか、ロシア在住のタジキスタン人移民労働者に対してISILへの参加を呼び掛けた(注27)

2018年には、7月に南部・ハトロン州で、欧米人観光客を標的とした襲撃事件が発生し、ISILの関与が指摘されたほか(注28)、11月には、ISILの帰還戦闘員による刑務官襲撃事件が発生した(注29)

2019年には、5月に発生した首都ドゥシャンベ近郊の刑務所での暴動と、11月に発生した西部・共和国直轄地のウズベキスタンとの国境検問所への襲撃事件について、それぞれISILの関与が指摘された(注30)。また、2022年5月には、アフガニスタン等で活動するISIL関連組織「ホラサン州」が、「アフガニスタンからタジキスタン軍司令部に向けてロケット弾を発射した」と主張した(注31)

なお、タジキスタンからロシアに渡った移民労働者を中心に、これまで約1,900人が戦闘員等としてイラク又はシリアに渡航し(注32)、少なくとも戦闘員及びその家族510人が帰国したとされる(注33)

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