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ウズベキスタン

ウズベキスタンでは、ソ連崩壊後の1990年代、タジキスタン及びキルギスとの国境地域にある東部のフェルガナ盆地を中心に、ワッハーブ派(注11)及びイスラム神秘主義(スーフィズム)(注12)の影響力が強まった(注13)。こうした動きを受け、ウズベキスタン政府は、モスク閉鎖等の取締りを行ったが、取締りを避けてタジキスタン、アフガニスタン等の近隣国に逃れた一部の集団が、1998年にイスラム法に基づくイスラム国家の樹立を求める「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)(注14)を設立し、ウズベキスタン政府に対する「ジハード」を宣言した。

IMUは、1999年2月、首都タシケントでカリモフ大統領(当時)らに対する連続爆弾テロに関与し(注15)、同年8月には、キルギスで邦人技師を誘拐したほか(注16)、2004年7月には、タシケントの米国大使館及びイスラエル大使館に対する連続自爆テロ等を実行した。

また、2020年以降、シリアを主な拠点とする「カティーバ・アル・タウヒード・ワル・ジハード」(KTJ)(注17)等の関係者が、ウズベキスタン国内で逮捕される事案が複数発生した(注18)

一方、シリア及びアフガニスタンでは、ウズベキスタン人主体の「カティーバ・イマーム・アル・ブハリ」(KIB)(注19)の活動が指摘されており(注20)、KIBは、2014年11月、「タリバン」(注21)最高指導者モハンメド・オマル(当時)に忠誠を誓う声明を発出した。さらに、2022年4月には、アフガニスタン等で活動する「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)関連組織「ホラサン州」が、「アフガニスタンからウズベキスタン軍に向けてロケット弾を発射した」と主張した(注22)

なお、ウズベキスタンからロシアに渡った移民労働者を中心に、これまで約1,500人がイラク又はシリアに戦闘員等として渡航した(ウズベキスタン政府による戦闘員家族の帰還事業により、400人以上が帰国)とされる(注23)

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