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令和4年における「人権侵犯事件」の状況について

 法務省の人権擁護機関では、人権を侵害されたという方からの申告等を端緒に、その被害の救済を図るため、人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令第2号)に基づき、調査救済手続を実施しています。本年3月に令和4年の取組状況について公表しましたので、その内容の一部を御紹介します。
 
 人権侵犯事件として、令和4年に新規に救済手続を開始した件数は、7,859件であり、そのうち、インターネット上の人権侵害情報に関する件数は、1,721件です。近年の特徴として、人権侵犯事件の総数は、減少傾向にありますが、インターネット上の人権侵害情報に関する件数は高水準で推移しています。
 ヘイトスピーチに関係する項目としては、「外国人に対する差別待遇」という項目があり、令和4年に新規に救済手続を開始した件数は47件です。
具体例(概要)として、外国人であることを理由に「本国へ帰るべきである」などの差別的発言を受けたという事案では、法務局の調査の結果、当該発言は、申告された外国人の方に向けられたとまでは認められませんでしたが、当該発言が行われた地域において、人権尊重の理念等を周知するため、「ヘイトスピーチ、許さない」のポスターを公共施設に掲示する等の啓発活動を行いました。
 
 このように、法務省の人権擁護機関では、人権侵犯の疑いのある事実に接した場合、人権侵犯事件として救済手続を開始し、人権侵犯行為を行った者に対して、「説示」や「勧告」を行ったり、人権侵犯による被害の救済・予防に関して、実効的な対応をすることができる者に対し、必要な措置を執ることを「要請」しているほか、人権侵犯の事実が認められない場合でも、人権尊重の理念に対する理解を深めるため、事件の関係者又は地域社会を対象として、事案に応じた「啓発」を行っています。 
 
 なお、今回公表した資料では、ロシアによるウクライナ侵略を背景に、在日ロシア人等に対するひぼう中傷が発生したことなど、令和4年の人権侵犯事件の状況を考える上で注目すべき「外国人の人権」を特集として取り上げ、それに関連した「啓発・広報」、「人権相談」及び「調査救済」の法務省の人権擁護機関の各取組の概要を併せて紹介しています。
 
 人権侵犯事件は、その多くが人権相談を端緒として開始しているところです。人権相談は、窓口、電話又はメールのいずれかの方法で対応しています。また、窓口では約80言語、電話及びメールでは10言語で対応しています(詳細はhttps://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken21.html)。
 
○令和4年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)~法務省の人権擁護機関の取組~ 
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00215.html