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「令和7年版犯罪白書」について

犯罪白書表紙

犯罪白書とは?

犯罪白書は、犯罪の動向や犯罪者の処遇の状況について、統計資料等に基づいて紹介しているものです。

昭和35年から、法務省法務総合研究所により毎年発刊されており、犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割を担っています。

犯罪の動向は?

刑法犯の認知件数(警察が犯罪の発生を把握した件数)は、その約7割を占める窃盗の減少に伴って、平成14年をピークに減少し続けていましたが、令和4年から3年連続で増加し、令和6年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である令和元年の98.5%の水準に達しました。

1図 刑法犯 認知件数・検挙人員・検挙率の推移

1図 刑法犯 認知件数・検挙人員・検挙率の推移

今回の特集は?

令和7年版犯罪白書では、「犯罪被害の実態(犯罪被害の暗数と精神障害を有する者等の性犯罪被害)」と題して特集を組み、第4次犯罪被害者等基本計画に基づいて実施した①警察等に認知されていない犯罪の件数(暗数)等について国民を対象に実施したアンケート調査(第6回暗数調査)の結果や、②精神障害を有する性犯罪被害者を主な対象とした刑事事件に関する記録調査の結果を紹介しました。

前記アンケート調査の結果からは、①過去5年間の被害率(犯罪被害に遭った方の比率)は、多くの被害態様で低下している一方、「各種詐欺等被害」の被害率が上昇していること、②過去5年間の被害申告率(犯罪被害に遭った方のうち、捜査機関へ被害を届け出た方の比率)は、多くの被害態様で上昇している一方、性的な被害、ストーカー、DV等は比較的低いことなどが分かりました。さらに、③捜査機関へ被害を届け出なかった理由については、ストーカー、DV被害では、「自分又は家族による解決」が最も高いという結果でした。また、性的な被害では、「仕返しのおそれからあえて届け出ない」と回答した方が2割を超えていました。

2図 被害態様別 過去5年間の被害率(調査回別)

2図 被害態様別 過去5年間の被害率(調査回別)

3図 被害態様別 過去5年間の被害申告率(調査回別)

3図 被害態様別 過去5年間の被害申告率(調査回別)

前記記録調査の結果からは、精神障害を有する性犯罪被害者について、精神障害を有しない性犯罪被害者と比べると、①被害者から見た加害者の立場では、「支援関係者」が最も多かったこと、②捜査機関へ犯行が発覚するまでの期間では、「被害当日又は翌日までの発覚」が4割弱止まりと少なかったこと、③被害者が最初に被害を伝えた相手では、「親族」、「学校・勤務先・支援関係者等」の被害者にとって身近な者が多かったことなどが分かりました。

4図 被害者から見た加害者の立場

4図 被害者から見た加害者の立場

5図 最初に被害を伝えた相手

5図 最初に被害を伝えた相手

以上のことから、①ストーカー、DV被害については、被害が軽微な段階でも抱え込まず、警察・関係機関等に相談するよう周知すること、②性犯罪被害については、被害者の身近な者の中にも加害者となり得る者が存在するリスクを認識することが必要である一方、特に精神障害を有する性犯罪被害者については、身近な者が違和感等の兆候を早期に察知して早く捜査機関に通報することなどが重要だと思われます。

法務総合研究所は、今後も適切な特集テーマ等を選んで調査を行い、犯罪・非行をした者に対する有効な支援・指導や、被害者支援等を検討するための基礎資料を提供していきます。