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公開シンポジウム「京都モデル戦略~世界と考える再犯防止~」を開催しました!

京都モデル戦略とは?

令和7年12月、我が国が策定を主導した「再犯防止に関する国連モデル戦略(京都モデル戦略)」が国連総会において採択されました。京都モデル戦略は、令和3年に京都で開催された京都コングレスの成果である「京都宣言」を具体化するために策定された国連準則です。

京都宣言では、犯罪をした人の立ち直りを支援し、再犯を防止するためには、矯正施設内における処遇のみならず、社会復帰後の支援や地域社会の参画、関係機関の連携が重要であることが確認されました。これを踏まえて策定された京都モデル戦略には、個々の特性やニーズに応じた処遇、社会復帰支援、地域社会やボランティアの参画、多機関連携の推進など、再犯防止に向けた包括的なアプローチが盛り込まれるとともに、保護司制度に代表される我が国の経験や知見も反映されており、各国が再犯防止施策を推進する際の実践的な指針となることが期待されています。

公開シンポジウムの概要

令和8年6月28日、国立京都国際会館において、法務省及び国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)主催、一般社団法人刑事司法福祉フォーラム・オアシス共催による公開シンポジウム「京都モデル戦略~世界と考える再犯防止~」が開催されました。京都コングレスから5年を迎えた今、本シンポジウムでは、京都モデル戦略の策定経緯や内容が紹介されるとともに、我が国を含む世界各地域における知見や経験が共有され、再犯防止に関する取組の更なる発展に向けた議論がなされました。

公開シンポジウムの様子

公開シンポジウムの様子

シンポジウムの直前には、国連犯罪防止・刑事司法プログラム・ネットワーク機関(PNI)会合が開催されました。同会合では、世界各地のPNIから専門家が参加し、各地域における再犯防止施策や京都モデル戦略の実施に向けた課題・教訓等について意見交換を行いました。

シンポジウムの開会に当たり、森本宏法務事務次官は、京都モデル戦略には刑事施設における特性に応じた処遇や保護司制度をはじめとする我が国の知見が盛り込まれていることを紹介するとともに、日本の経験が世界各国の再犯防止施策の発展に貢献することへの期待を述べました。

次に、UNAFEIの山内由光所長(当時)による「京都モデル戦略の概要」の講演に続き、国際パネルディスカッションが行われました。そこでは、国連薬物犯罪事務所バンコク地域事務所及びPNIの代表者らが登壇し、世界的には刑務所の過剰収容や未決拘禁者の増加などの課題がある中で、社会復帰支援の充実や地域社会との連携など、京都モデル戦略の理念に沿った取組が進められていることが報告されました。

森本宏法務事務次官

森本宏法務事務次官

国際パネルディスカッションの様子

国際パネルディスカッションの様子

第2部では、京都コングレスの議長を務めた引原毅前ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使による基調講演が行われました。講演では、コロナ禍の中で進められた京都宣言採択に向けた国際交渉を振り返りながら、価値観や制度の異なる国々との合意形成の難しさや、その実現に向けた対話の重要性の紹介がありました。また、再犯防止を国際社会共通の課題として位置付け、京都モデル戦略の策定へとつなげる歩みや、対話と協力を通じてより良い社会の実現を目指す国際協力の意義について説明がありました。

引原毅前ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使

引原毅前ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使

続いて国内のパネルディスカッションが行われ、京都コングレスを経た我が国の再犯防止施策の展開をテーマに、法務省職員のほか、地方公共団体、研究者、更生保護施設及び保護司の方々が登壇しました。官民連携による再犯防止施策や地域における実践事例について発表及び意見交換が行われ、再犯防止は刑事司法機関だけでなく、地域社会全体で取り組むべき課題であることが改めて確認されました。

閉会に当たり、京都コングレス時の検事総長であった林眞琴オアシス代表理事は、京都宣言や京都モデル戦略の成果を受け継ぎながら、世界各地域における実践や経験を共有し、更なる施策の発展につなげていく「知の循環」と「連携の連鎖」の重要性を強調するとともに、社会を構成する一人ひとりが、それぞれの立場で再犯防止や立ち直りを支える取組に関心を持ち、その輪を広げていくことが、より安全で包摂的な社会の実現につながるとの期待を述べました。

国内パネルディスカッションの様子

国内パネルディスカッションの様子

林眞琴一般社団法人刑事司法福祉フォーラム・オアシス代表理事

林眞琴一般社団法人刑事司法福祉
フォーラム・オアシス代表理事

おわりに

法務省では、今後も、京都モデル戦略に盛り込まれた再犯防止に係るグッドプラクティスについて国内外に向けて発信・共有するとともに、UNAFEIによる国際研修などを通じて、各国における刑事司法実務家の人材育成、制度構築支援等を推進し、安全・安心な社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。