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記者が行く! ~日本・フィリピン更生保護共同セミナー
及び日ASEAN再犯防止協力対話~

記 者

皆さま、こんにちは!

今回は、令和8年8月4日及び5日にフィリピン・マニラで開催された「日本・フィリピン更生保護共同セミナー」及び「日ASEAN再犯防止協力対話」について、大臣官房国際課の担当者にお話を伺いたいと思います!

今回のイベントはどのようなものだったのでしょうか。

担当者

今回、法務省はフィリピン司法省とともに、「日本・フィリピン更生保護共同セミナー」と「日ASEAN再犯防止協力対話」を開催しました。

「日本・フィリピン更生保護共同セミナー」は、日本とフィリピンの国交正常化70周年を記念して開催したもので、「日ASEAN再犯防止協力対話」は、日本とASEAN各国が再犯防止に関する知見や経験を共有し、相互の協力を深めるとともに、各国における再犯防止施策の一層の充実に資することを目的として、今回初めて開催したものです。いずれも、更生保護や再犯防止に携わる方々が集まり、経験や課題を共有する貴重な機会となりました。

記 者

まずは、日本・フィリピン更生保護共同セミナーについて教えてください!

担当者

令和8年は、日本とフィリピンの国交正常化70周年という節目の年です。両国は、政治や経済だけでなく、法務・司法の分野でも長年にわたり交流を続けてきました。

今回の共同セミナーは、そうした友好関係を記念して開催したもので、約50名の関係者が参加しました。大きな特徴は、制度を紹介するだけではなく、実際に地域で立ち直り支援に取り組む方々同士が交流したことです。

記 者

参加された方について、詳しく教えてください。

担当者

日本からは、保護観察を受けている人などの立ち直りを地域で支援する保護司や、罪を犯した人の雇用に協力する協力雇用主のほか、保護観察官が参加しました。

一方、フィリピンからは、地域で立ち直り支援に取り組むVolunteer Probation Assistants(VPA)をはじめとするボランティアや関係職員が参加しました。

参加者は日頃から現場で活動しているため、会議室の中だけでは分からない実際の経験や工夫について活発な意見交換が行われました。

記 者

具体的には、どのようなことが話し合われたのでしょうか。

担当者

セミナーでは、日本とフィリピンそれぞれの取組について紹介した後、参加者が少人数のグループに分かれて意見交換を行いました。

立ち直りを支えるボランティアの役割、仕事を通じた社会復帰の支援、地域の人々との連携の工夫など、現場だからこそ分かる話題について率直な意見交換が行われました。

最後に、日本とフィリピンの更生保護の友好と協力のさらなる発展を願った「更生保護の友好の誓い」セレモニーを行い、それぞれの国の代表者が誓いを読み上げ、署名しました。

共同セミナーの様子(8月4日)

共同セミナーの様子(8月4日)

記 者  

日本の保護司とフィリピンのVPAには共通点があるそうですね。

担当者

はい。どちらも、地域社会のボランティアが犯罪をした人の立ち直りを支える制度です。行政機関だけではなく、地域の人々が更生保護活動に参加することで、一人ひとりの再出発を支えています。

また、令和7年に国連総会で採択された「京都モデル戦略」では、日本の保護司制度とフィリピンのVPA制度が、地域に根ざした支援の好事例として紹介されています。今回のセミナーは、こうした両国の共通点を改めて確認する機会にもなりました。

記 者  

続いて、日ASEAN再犯防止協力対話について教えてください!

担当者

この対話は、日本とASEAN各国が再犯防止について学び合い、協力を深めるための新しい取組です。8月5日に初めて開催され、ASEAN各国及びASEAN事務局、日本から約40名の実務担当者が参加しました。

記 者  

なぜ、このような対話が始まったのでしょうか。

担当者

この対話は、第1回日ASEAN法務大臣会合において日本から提案したものです。会合では、再犯防止に関する各国の取組や課題、知見を継続的に共有し、今後の施策や協力につなげていく取組として提案し、各国から歓迎する意見が寄せられました。

ASEAN各国では、刑務所の過剰収容への対応や、再び犯罪をしないための支援の充実などが共通の課題となっています。一方で、日本とASEAN各国の再犯防止施策に携わる担当者が継続的に経験を共有する機会は限られていました。そこで、各国が互いの経験や工夫を参考にしながら、それぞれの再犯防止施策の充実につなげていくための新たな取組として、この対話が実現しました。

記 者

当日の対話の場ではどのような議論が行われたのでしょうか。

担当者

まず、日本や国際機関から、再犯防止に関する世界の動きや各国の取組の紹介がありました。続いて、参加国がそれぞれの現状や課題について発表し、意見交換を行いました。

その後、情報共有と参加者同士のつながりづくり、人材育成、地域社会による立ち直り支援の三つのテーマに分かれ、グループ討議を実施しました。

それぞれの国が抱える課題や工夫を紹介しながら、「今後、どのような協力ができるか」という視点で活発な議論が行われました。

日ASEAN再犯防止協力対話の様子(8月5日)

日ASEAN再犯防止協力対話の様子(8月5日)

記 者

施設見学も行われたそうですね。

担当者

はい。参加者は、フィリピンの女性矯正施設であるCorrectional Institution for Women(CIW)を訪問しました。施設職員から説明を受けながら施設内を見学し、受刑者の社会復帰に向けた支援について理解を深めました。

実際の現場を見ることで、各国の参加者にとって多くの学びを得る機会となりました。

記 者

二つのイベントを通じて、どのような成果があったのでしょうか。

担当者

最も大きな成果は、各国がそれぞれの再犯防止施策をさらに充実させていく上で参考となる、多様な経験や知見を共有できた人と人とのつながりが生まれたことだと思います。

共同セミナーでは、日本の保護司や協力雇用主と、フィリピンのVPAをはじめとするボランティアの方々が交流し、それぞれの経験や支援の工夫、活動に込める思いを共有することができました。

また、日ASEAN再犯防止協力対話では、ASEAN各国と日本の担当者が率直に意見交換を行いました。他国の取組を知ることで、自国の施策を改めて考えるきっかけとなり、今後の再犯防止策等の充実にもつながる知見を得ることができたと考えています。

さらに、こうした意見交換を通じて実務者同士のつながりが生まれたことも、今後も継続的に知見を共有し、協力を進めていくための重要な基盤になったと考えています。

CIW視察の様子(8月5日)

集合写真(8月4日)

記 者

最後に、今後の展望を教えてください。

担当者

今回の二つのイベントは、いずれもゴールではなく新たな出発点です。

共同セミナーを通じて、日本とフィリピンの協力関係を改めて確認することができました。また、初開催となった日ASEAN再犯防止協力対話は、日本とASEAN各国が継続的に学び合い、協力していくための新たな一歩となりました。

法務省としては、今後もこうした機会を通じて知見の共有や人的ネットワークづくりを進め、日本とASEAN地域の安全・安心な社会づくりに貢献していきたいと考えています。

記 者

本日は、ありがとうございました!