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危険運転致死傷罪に関する法律の規定が変わりました!

再犯防止啓発月間ポスター

危険運転致死傷罪はどのような罪ですか?

危険運転致死傷罪は、故意に、法律に定められた危険・悪質な自動車の運転行為を行い、その結果人を死傷させた者を、重い法定刑(人を死亡させた場合は1年以上20年以下の拘禁刑、負傷させた場合は15年以下の拘禁刑)により処罰する犯罪類型です。

今回の改正前には、例えば、

  • 〇飲酒類型として、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」で自動車を走行させる行為
  • 〇高速度類型として、「進行を制御することが困難な高速度」で自動車を走行させる行為

が危険運転致死傷罪の対象とされていました。

どのように変わったのですか?

今回の改正では、大きく分けて次の3つの改正が行われました。

  • 〇飲酒類型について、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」との要件を明確化するための数値基準を規定し、それ以上のアルコールを身体に保有する状態で自動車を走行させる行為を一律に危険運転致死傷罪の対象とする。
  • 〇高速度類型について、「道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度」で自動車を運転する行為を対象とする新たな類型を創設した上で、数値基準を規定し、それ以上の速度で自動車を運転する行為を一律に危険運転致死傷罪の対象とする。
  • 〇殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為を危険運転致死傷罪の対象とする(殊更滑走等類型)。

なぜ法改正が行われたのですか?

危険運転致死傷罪に関しては、近時、高速度類型について、常識的に見て極めて危険性の高い高速度運転でも、実際に進路を逸脱していない事案で危険運転致死傷罪の適用が否定される場合があるなど、危険・悪質な運転行為による死傷事犯に適切に対処することができていないのではないかとの指摘がなされていました。

こうした状況を踏まえ、危険・悪質な自動車運転による死傷事犯について、事案の実態に即したより厳正な対処を可能とするため、今回の改正がなされました。

飲酒類型の数値基準はどんなものですか?
どのくらいお酒を飲めば数値基準を満たしますか?

飲酒類型については、呼気1ℓにつき0.5㎎以上(血液1㎖につき1.0㎎以上)のアルコールを身体に保有する状態で自動車を走行させる行為が、一律に危険運転致死傷罪の対象となります。

これは、アルコールが運転能力に与える影響の程度は、体内アルコール濃度に依存し、体内アルコール濃度が同じであれば、基本的に運転能力への影響は同じであるとの知見に基づくものです。

飽くまで参考値ですが、文献によれば、体重60㎏の者が

  • 〇ビール大瓶2本(1266㎖)
  • 〇日本酒2合(アルコール濃度15%、360㎖)

を飲酒後、30分経過した時点において、呼気1ℓにつき0.5㎎以上のアルコールが検出されることがあるとされています。

数値基準は、飽くまでも、個別具体的な事情を問わずに一律に「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」であると認められる症状が生じる数値として定められているものです。

体内アルコール濃度が数値基準に満たない場合でも、個別具体的な事情に照らし、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」であると認められる場合には、危険運転致死傷罪の対象となります。

  • ①数値基準を満たす高濃度のアルコールを身体に保有する状態
    呼気中アルコール 0.5mg/ℓ 以上
    又は
    血中アルコール1.0mg/㎖ 以上
    ➔ 一律に危険運転致死傷罪の対象
  • ②その他アルコールの影響により正常な運転が困難な状態
    ➔ ①の数値基準を満たさなくても危険運転致死傷罪の対象

高速度類型の数値基準はどんなものですか?

高速度類型については、

  • 〇最高速度が時速60㎞以下である場合は、最高速度を時速50㎞超える速度以上の速度
  • 〇最高速度が時速60㎞を超える場合は、最高速度を時速60㎞超える速度以上の速度

で自動車を運転する行為が、一律に危険運転致死傷罪の対象となります。

数値基準に満たない速度での自動車の運転行為でも、数値基準に準ずる速度であって、「道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度」で自動車を運転する行為は、危険運転致死傷罪の対象となります。

  • ①数値基準を満たす高速度
    • 最高速度が60km/h以下の場合 最高速度 +50km/h以上
    • 最高速度が60km/h超の場合   最高速度 +60km/h以上
    ➔ 一律に危険運転致死傷罪の対象
    ※例えば、
    最高速度が50km/hの道路の場合、100km/h以上
    最高速度が80km/hの道路の場合、140km/h以上
  • ②①に準ずる速度であって、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度
    ➔ ①の数値基準を満たさなくても危険運転致死傷罪の対象

殊更滑走等類型はどのような行為を危険運転致死傷罪の対象とするものですか?

殊更滑走等類型は、公道上において、車体を横滑りさせながらカーブを曲がったり、二輪車の前輪を浮かせて後輪だけで走行するなどの行為を危険運転致死傷罪の対象とするものです。

もっと詳しく知りたい!

法務省のホームページでは、今回の改正に関するQ&Aを掲載しています。ぜひご覧ください。