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平成15年版犯罪白書のあらまし 〈はじめに〉

〈はじめに〉
 
 本白書は,平成14年を中心とした犯罪の動向と犯罪者処遇の実情を概観するとともに,国民が最も関心を寄せる凶悪犯罪である殺人・強盗に焦点を当て,「変貌する凶悪犯罪とその対策」を特集として取り上げている。
 一般刑法犯(交通関係業過を除く刑法犯をいう。)の認知件数が平成8年から連続して戦後のワースト記録を更新し続け,その増加にいまだ歯止めがかかっていない上,急落した検挙率の回復の歩みは遅い。社会の注目を浴びる凶悪事件が相次いで発生するなど悪質化も目立ち,その影響が少年犯罪にも深く及んでいる。
 このような犯罪動向の下で,治安に対する国民の意識は,「安全」から「不安」へと大きく変化しつつある。
 犯罪白書は,このような状況を踏まえ,平成13年には,増加が著しい窃盗等の分析を,14年には暴力的色彩の強い犯罪の分析を行い,犯罪情勢悪化の要因等を探求してきたが,本年は,犯罪情勢悪化の実相を解明する指標として凶悪犯罪(殺人及び強盗)を選択し,その動向を多角的に検討することとした。
 殺人及び強盗は,件数的には刑法犯の一部を占めているに過ぎないが,生命・身体・財産に対する侵害の程度の著しい重大犯罪であって,現実的にも発生した犯罪の中で危険かつ悪質な重大事犯の多くが集約される。その動向は一般刑法犯のそれとは無関係ではあり得ず,また,国民の不安感に及ぼす影響も絶大である。こうした凶悪犯罪を取り上げ,多角的に分析してその実態や背景等を明らかにすることは,犯罪の防止と犯罪者の処遇のためにより効果的な対策を講ずる上で有効である。
 他方,近年,社会の耳目をしょう動させた少年による殺人事件が相次いで発生しており,また,強盗の検挙人員中に占める少年の増加が著しく,特に集団で路上強盗を敢行する事犯が激増している。少年によるこれらの凶悪犯罪の増加が一層治安に対する不安を深刻化させる一因となっていると思われる。凶悪犯罪に走る少年の特質を探り,背景にある問題点等を分析するなどして非行防止及び改善更生に資する資料を提供する必要がある。
 このように,凶悪犯罪の実態・背景等を明らかにして問題点等を分析することは,犯罪防止と犯罪者処遇のための効果的な対策を講ずる上で有効と考えられることから,「変貌する凶悪犯罪とその対策」と題して特集を組んだ次第である。
 本白書の構成は,5編から成り,第1編では,平成14年の犯罪動向を,第2編では,検察,裁判,矯正及び保護の各段階における成人犯罪者の処遇の実情を,第3編では,犯罪被害者の救済の実情を,第4編では,少年非行の動向と非行少年の処遇を,それぞれ紹介し,第5編では,特集として,「変貌する凶悪犯罪とその対策」について記述している。


● 目次
 
○ 〈はじめに〉
○ 〈第1編 平成14年の犯罪の動向〉
○ 〈第2編 犯罪者の処遇〉
○ 〈第3編 犯罪被害者の救済〉
○ 〈第4編 少年非行の動向と非行少年の処遇〉
○ 〈第5編 変貌する凶悪犯罪とその対策〉