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トップページ  >  法務省の概要  >  組織案内  >  特別の機関  >  6. 少年審判に関連する被害者支援

6. 少年審判に関連する被害者支援

  少年事件について、検察官は捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと認められるときや、犯罪の嫌疑は認められないが家庭裁判所の審理に付すべき事情があると思料するときは、家庭裁判所に送致します。ただし、捜査の結果、犯罪の嫌疑が認められない、犯罪の嫌疑を認める証拠が十分ではないなどの理由で、不起訴処分にすることもあります。
  家庭裁判所は、検察官が送致した少年の事件記録及び家庭裁判所調査官による調査結果を検討して、審判を開始するかどうかを決定します。審判を開始する決定をした場合は、非公開で審判を行います。少年審判には、通常、検察官は立ち会いませんが、事実認定のため必要がある場合は、検察官が関与することもあります。
  審判の結果、非行事実が認められ、保護処分に付するのが相当であると認められる場合には、少年院送致、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、保護観察等の保護処分を言い渡しますが、罪質や情状に照らして、保護処分でなく刑事処分を相当と認めるときは、事件を検察官に送致する決定をします(逆送)。
  少年事件の逆送を受けた検察官は、犯罪の嫌疑が認められるときは、事件を刑事裁判所に起訴します。

『少年事件の流れ』
Q 少年審判手続等では、犯罪被害者支援のために、どのような制度が導入されているのでしょうか。

A 少年による犯罪の被害者やご遺族等の方々に対する配慮については、

 ア 少年事件の記録の閲覧・コピー
 イ 被害者等の意見聴取制度
 ウ 被害者等による少年審判の傍聴
 エ 被害者等に対する審判状況の説明
 オ 審判結果等通知制度
 カ 被害者等通知制度(少年審判後の通知)

があります。

1 少年事件の記録の閲覧・コピー


『少年事件の記録の閲覧・コピー』
  少年事件の記録(ただし、少年の要保護性に関して行われる調査についての記録であるいわゆる社会記録は除かれます。)について、審判を開始する決定があった事件で、被害者やご遺族等の方々の申出がある場合に、正当でない理由による場合や、相当と認められない場合を除き、原則として、少年事件の記録の閲覧・コピーをすることが認められるものです。

2 被害者等の意見聴取制度


『被害者等の意見聴取制度』
 被害者やご遺族等の方々の申出により、そのお気持ちやご意見を
ア 審判廷で裁判官に
イ 審判廷外で裁判官に
ウ 審判廷外で家庭裁判所の調査官に
述べてもらうものです。

3 被害者等による少年審判の傍聴

  少年事件のうち、殺人、傷害などの故意の犯罪行為により人を死亡させたり傷つけた事件や過失運転致死傷などの事件(※1、2)については、被害者やご遺族等の方々の申出があって、少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認められる場合に、少年審判の傍聴を認めるものです(制度の対象となる罪名等についてはこちらをご覧ください。)。

※1 被害者の方を傷つけた場合については、傷害により被害者の方の生命に重大な危険を生じさせたときに限られます。
※2 12歳に満たないで刑事法令に触れる行為をした少年に係る事件は除かれます。

4 被害者等に対する審判状況の説明

 被害者やご遺族等の方々の申出があって、少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認められる場合に、家庭裁判所から審判期日における審判の状況を説明するものです。

5 審判結果等通知制度

 被害者やご遺族等の方々の申出があって、少年の健全な育成を妨げるおそれがない場合に、家庭裁判所から少年の氏名や審判の結果などを通知するものです。

6 被害者等通知制度(少年審判後の通知)


『被害者等通知制度(少年審判後の通知)』
 被害者やご遺族等の方々の申出がある場合、少年審判において保護処分を受けた加害者(少年)の少年院における処遇状況や保護観察中の処遇状況などについて通知が受けられます。
 通知が受けられる事項は、
 ・入院年月日及び収容されている少年院の名称・所在地
 ・少年院における教育状況(おおむね6か月ごとに通知)
 ・少年院を出院した年月日
 ・仮退院等審理を開始した年月日
 ・仮退院等を許す旨の決定をした年月日
 ・保護観察が開始された年月日や保護観察終了予定年月日
 ・保護観察中の処遇状況(おおむね6か月ごとに通知)
 ・保護観察が終了した年月日
などです。
 1~5の制度の利用を希望される場合には、家庭裁判所にお申し出ください。
 6の制度の利用を希望される場合には、加害者の審判結果が「少年院送致」である場合は、お近くの少年鑑別所に、加害者の審判結果が「保護観察」である場合は、お住まいの地域にある保護観察所にお申し出ください。
 以上の制度について、ご不明な点がありましたら、担当する検察官・検察事務官又は被害者支援員にお尋ねください。 ※被害者等通知制度の概要については、こちらをご覧ください。