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「平成26年版犯罪白書について」

○ 犯罪白書とは?

平成26年版犯罪白書の画像平成26年版犯罪白書

犯罪白書は,犯罪の動向や犯罪者の処遇の状況について,統計資料に基づいて説明しているものです。昭和35年から毎年発刊されており,犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割を担っています。

○ 犯罪情勢は?

刑法犯の認知件数(警察が被害届などを受けて犯罪の発生を把握した件数)は,平成14年に戦後最高の約369万4,000件を記録しましたが,その後は11年連続で減少し,平成25年は約191万8,000件であり,昭和56年以来32年ぶりに200万件を下回りました。

刑法犯 認知件数・検挙率の推移

刑法犯 認知件数・検挙率の推移のグラフ

○ 再犯の現状は?

一般刑法犯(刑法犯全体から自動車運転過失致死傷等を除いたもの)で検挙された者のうち,再犯者(前に道路交通法違反を除く犯罪により検挙されたことがあり,再び検挙された者)の人員を見ると,平成19年から減少していますが,それ以上に,初犯者の人員が減少しており,その結果,再犯者の比率は,平成9年から上昇し続け,平成25年は約47%になりました。また,刑務所出所者のうち,仮釈放者の約3割,満期釈放者の約5割が,出所してから5年以内に刑務所に再び戻っています。そこで,近年,再犯防止が犯罪対策を検討する上での重要なテーマとなっており,犯罪対策閣僚会議(首相官邸ホームページ)においても,平成24年7月に「再犯防止に向けた総合対策(法務省ホームページ)」が策定されるなど,効果的な再犯防止対策を推進するための取組が実施されています。

一般刑法犯 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移

一般刑法犯 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移のグラフ

○ 今回の特集は?

犯罪白書では毎年特集を組んでいます。今回は,刑法犯の認知件数の過半数を占め,国民が最も被害に遭いやすく,身近に不安を感じる犯罪の一つである上,他の罪名と比べ再犯に及ぶ者の割合が高い窃盗に着目して,「窃盗事犯者と再犯」と題した特集を組んでいます。

○ 窃盗事犯者の再犯防止のために必要なことは?

法務総合研究所が窃盗事犯者について調査したところ,窃盗の前歴が少ない者ほど,窃盗の再犯率が低いほか,男子では無職者が約6割で勤労意欲のない者が多いことや,女子ではストレス発散や家庭内トラブルが動機・背景にある者が多いことなどが明らかになりました。このように,同じ窃盗事犯者であっても,その特性や問題性は様々であり,早期の段階で適切な指導や働き掛けを行うとともに,それぞれの特性等に応じて,安定した生活環境に向けての支援や就労支援,家族間を調整するためのサポート体制の構築などの処遇を充実させることが重要であると考えられます。

○ もっと犯罪白書の内容を知りたい場合は?

法務省のホームページで閲覧できるほか,官報販売所などで購入できます。