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「安全安心なまちづくり関係功労者表彰」表彰式を行いました。

令和5年10月12日(木)、首相官邸において、令和5年安全安心なまちづくり関係功労者表彰(以下「本表彰式」とします。)が開催されました。本稿では、本表彰式の概要や、本表彰式当日の様子などについて、お知らせいたします!

安全安心なまちづくり関係功労者表彰」とはなんですか?

犯罪に強い社会の実現のため、安全安心なまちづくりの推進に関し、顕著な功績又は功労のあった個人又は団体に対して、内閣総理大臣が表彰を行うものです。毎年、「安全安心なまちづくりの日」(10月11日)の前後の日に、本表彰式を実施しています。

本表彰は、平成17年に「地域社会における防犯活動」を実施している個人又は団体を対象として開始されたものですが、平成30年からは、法務省が推進する「再犯の防止等に関する活動」についても、表彰対象として加えられました。

このうち、「再犯の防止等に関する活動」について、本年は、下記の8つの個人・団体が表彰されました。

「再犯の防止等に関する活動」における受賞者の皆さま(一覧)

受賞者名・団体名功績概要
大野正博 様令和元年度から、岐阜県の再犯防止推進計画策定委員長や岐阜県再犯防止推進協議会委員長を務めるなど、県の再犯防止施策を大きく推進。岐阜県BBS会連盟のアドバイザーとして県内のBBS会を指導するとともに、自身が教授を務める朝日大学の学域BBS会をコーディネートし、児童自立支援施設でのイベントの企画・運営や、民間企業と連携したこども食堂の開設など、県内の少年の健全育成に貢献。平成24年から保護司として、平成25年から篤志面接委員としても活動し、犯罪をした者等の立ち直りに向けて尽力。
関口充 様平成元年4月、少年補導員の委嘱を受け、以来34年の長きにわたり、「渋谷」という全国有数の繁華街において街頭補導活動を継続し、不良行為をした少年等を指導するなど、少年の非行防止や健全育成活動に従事。少年指導委員も併嘱しており、少年の健全な育成に障害を及ぼす風俗営業所に立ち入り、店舗責任者等に指導助言を実施。警察署防犯協会、東京都安全・安心まちづくり協議会、渋谷区環境美化推進委員等に所属し、警察等との連携や自主防犯活動を展開。
香川大学さぬき再犯防止
プロジェクトPROS
(Preventing Re-Offence
Sanuki)様
令和2年に、再犯防止のための活動や勉強会をすることを目的として発足した香川大学の学生団体。
学生が高齢又は障害のある元受刑者と交流し、これまでの人生や日常生活について語ってもらう「茶話会」を開催。「依存と再犯防止」をテーマに、薬物使用者の抱える生きづらさに着目し、誰もが住みやすい社会を考えるシンポジウムを開催したほか、刑務所や少年院を題材とした映画の上映会や監督とのトークセッション、大学祭で刑務作業品の展示会を開催するなど、再犯防止の周知啓発にも積極的に取り組む。
社会福祉法人白鳩会 様昭和47年の設立以降、多くの障害者を受け入れており、障害者が農業分野での活躍を通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組である農福連携事業のパイオニア。矯正施設や保護観察所と連携し、家族と疎遠で帰住先のない少年院出院者や、障害等が要因となり帰住先が見つかりにくい刑務所出所者等を迎え入れ、住み込みでの就農の機会を与えるなど、刑務所出所者等の支援に尽力。令和5年4月1日時点で障害のある刑務所出所者等を27名雇用するなど、農福連携事業者の中でも刑務所出所者等の雇用の点で顕著な実績を有する。
社会福祉法人
聖隷福祉事業団浜松市
生活自立相談支援センター
つながり 様
平成27年以降、浜松市から生活困窮者自立支援事業を受託。知的障害のある被疑者や高齢の被疑者等で福祉サービスを必要とする者について、釈放時に福祉サービス等への橋渡しなどを行う「入口支援」の対象者として、検察庁からの依頼を受け、生活困窮者自立支援事業の一環として支援を実施。検察庁から依頼があれば、同事業の対象とならない者であっても、生活相談に積極的に応じているほか、支援機関まで付き添う同伴支援も行うなど、検察庁における入口支援において欠くことのできない相談・支援機関となっており、入口支援対象者の社会復帰に大きく貢献。
鳥取地区BBS会 様昭和35年、兄や姉の立場から非行少年を支援することを目的に設立。鳥取法務少年支援センターと連携した学習支援活動、公民館で長期休み中の児童に対する学習サポート等、地域のこどもの学習能力向上に貢献。コロナ禍では、生活に困窮した学生のため、食材や日用品、マスク等の生活必需品を募り、大学や日本語学校で配布するなど、学生支援にも尽力。外国出身の会員が多数入会していることを強みとし、「ボランティアに国境なし」の考えのもと、児童養護施設や小学校にて平和教育を行い、児童生徒が命の大切さ、多様な価値観を尊重する大切さを学ぶ場を提供。
認定特定非営利活動法
人育て上げネット 様
平成16年に、社会的自立が困難な青少年を対象に、個性に応じた就労と社会的自立の機会を獲得することを目的に発足。非行少年への支援にも尽力しており、多摩少年院などの少年院において、学習支援、IT講習、キャリア講習などを実施。少年院出院後も、少年からの生活相談に応じ、就労支援や生活に困窮している少年に対して食料や生活用品等の給付を行うなど、少年院在院中から出院後まで一貫して支援を行う“息の長い支援”を実施しており、非行少年の社会復帰に大きく貢献。
福祉社会復帰支援
ネットワーク協議会 様
平成29年に、関係機関・団体が連携してネットワークを構築することで、満期釈放者等の社会復帰を円滑に進めることを目的に設立。保護司会、福井県、福井市、社会福祉協議会、ハローワーク等を構成団体とし、再犯防止に関する各種協議や個別ケースのケア会議等を開催するほか、本協議会事務局主導の下、満期釈放者等に対し、直接、就労等の相談・支援を実施。地域の支援機関・団体を構成員とする協議会を設け、その事務局が支援機関・団体間の調整を行うだけでなく、事務局自らも当事者の支援に関与するという独自のアプローチにより、満期釈放者等の円滑な社会復帰に貢献。

法務大臣表敬の様子

本表彰式に先立ち、「再犯の防止等に関する活動」による受賞者の方々による、小泉法務大臣への表敬訪問が行われました。小泉法務大臣からは、受賞者の皆様に日頃の活動に対する感謝の辞が述べられました。

また、表敬訪問の後には、小泉法務大臣と受賞者との懇談の場が設けられ、受賞者から、日頃の活動内容の紹介や活動にあたって思いなどが伝えられました。

受賞者と小泉法務大臣(中央)

受賞者と小泉法務大臣(中央)

懇談の様子

懇談の様子

本表彰式当日の様子

本表彰式は、首相官邸大ホールにおいて実施され、「再犯の防止等に関する活動」による受賞者を代表して、大野正博様が岸田内閣総理大臣から表彰状を受領しました。また、全受賞者を代表して、香川大学さぬき再犯防止プロジェクトPROS(Preventing Re-Offence Sanuki)西田侑莉様が謝辞を述べられました。

大野正博様による代表受領の様子

大野正博様による代表受領の様子

大野正博様による代表受領の様子

西田侑莉様による代表謝辞の様子

終わりに

法務省では、新たな被害者を生まない、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて、再犯防止に関する取組を進めてまいります。

今後とも、犯罪や非行をした人たちの立ち直りに御理解と御協力をお願いいたします。