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相続土地国庫帰属制度に関するQ&A

令和5年4月24日

Q&A(令和5年3月30日現在)

 

 

1 相談関連

 
(Q1)
 相談はどこでできますか。
(A1)
 承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門(登記部門)で受け付けています。
 なお、支局・出張所では相談は受け付けていませんのでご注意ください。
(Q2)
 対象となる土地が住んでいる地域から遠い地域にあるのですが、近くの法務局でも相談できますか。
(A2)
 実際に承認申請を検討する段階の相談については、承認申請先である承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)に相談することをお勧めしますが、土地が遠方にある場合など、承認申請先の法務局・地方法務局(本局)への相談が難しい場合は、お近くの法務局・地方法務局(本局)でも相談が可能です。
 なお、相談者のご了解をいただいた上で、承認申請先となる法務局・地方法務局(本局)に相談内容を伝達させていただくことがあります。
(Q3)
 相談はどのような方法でできますか。
(A3)
 相談は、(1)法務局・地方法務局(本局)の窓口での対面相談、(2)電話相談のどちらかの方法でお受けします。
 メールやインターネット通話での相談は、お受けできません。
 なお、事前予約をしていない場合は、帰属制度の概要の説明に限ります。
 具体的な相談内容について、法務省ホームページに掲載している、(1)相続土地国庫帰属相談票、(2)チェックシートの2点を記入し、事前予約をした上で、相談していただきますようお願いします。 
(Q4)
 相談は予約をする必要がありますか。
(A4)
 相談は、事前予約制です。
 相談を希望する方は、インターネット上の「法務局手続案内予約サービス」から予約をするようお願いします。
(Q5)
 相談時間は何分ですか。
(A5)
 1回30分以内です。
 30分を超える場合は、改めて予約が必要となります。
(Q6)
 相談は土地の所有者本人がする必要がありますか。家族が代わりに相談することはできますか。
(A6)
 相談はどなたであっても可能です。
 例えば、土地の所有者本人ではなく、家族や親族の方がすることも可能です。
 ただし、相談者と関係のない土地の相談などには応じられません。
(Q7)
 窓口での相談の際に持参した方がよい資料はありますか。
(A7)
 相談に当たっては、法務省ホームページに掲載している、(1)相続土地国庫帰属相談票、(2)チェックシートの2点を記入し、お持ちください。相談票・チェックシートをお持ちいただいていない場合は、相談を行う前に用紙に記入していただくことになります。
 また、適切な相談対応のため、相談したい土地の登記事項証明書、登記所備付地図の写し、所有権や境界に関する資料、土地の形状・全体が分かる写真など参考になりそうな資料はできる限りお持ちいただくことをお勧めします。
(Q8)
 相談時に土地を引き取ることができそうであると判断された場合、承認申請における審査でも引き取ることができるという結論になると考えてよいですか。
(A8)
 相談は、その時点で提供いただいた書面上から判断することができる範囲で、担当者の見解を伝えるものです。承認申請後の審査においては、土地の現状を実地調査などで確認した上で、引き取ることができる土地であるかを判断することになります。
 そのため、相談の結果と審査の結果とが異なる可能性もあり得ますので、この点について十分ご理解をお願いします。
(Q9)
 作成した承認申請書類を相談でチェックしてもらうことはできますか。
(A9)
 可能です。「相続土地国庫帰属制度のご案内」や法務省ホームページを参考に作成していただいた書類について、可能な範囲で記載内容や添付書類を確認します。
(Q10)
 国庫帰属以外の土地の活用方法を教えてもらうことはできますか。
(A10)
 国庫帰属以外の一般的な方法をお伝えすることは可能です。
 また、承認申請者の同意がある場合、承認申請後に地方公共団体といった関係機関に土地の情報提供を行い、土地の有効活用の可能性を確認する運用が予定されています。
(Q11)
 国庫帰属以外の活用方法は、具体的にはどのような方法がありますか。
(A11)
 土地の活用や、土地を手放すための方法として考えられる方法は以下のとおりです。
 (1) 相続放棄
 (2) 地方公共団体等への寄附
 (3) 民間売買・贈与
 (4) (農地の場合)農地中間管理機構の活用
 (5) (森林の場合)森林経営管理制度の利用
(Q12)
 相談の段階で、地方公共団体等に寄附受けについて法務局から確認してもらうことはできますか。
(A12)
 相談の段階ではできません。
 なお、承認申請後は、本人の同意がある場合には、法務局・地方法務局から地方公共団体等に対して寄附受けの可能性について確認します。

 

 

2 書類作成関連

 
(Q1)
 承認申請は誰がすることができますか。
(A1)
 承認申請は、相続又は遺贈を原因として土地の所有者となった方がすることができます。なお、遺贈の場合は、相続人に対しての遺贈に限られます(却下事由・不承認事由一般(Q2)参照)。
(Q2)
 承認申請書や添付書類の様式はどのように入手することができますか。
(A2)
 法務省ホームページに掲載しています。
(Q3)
 承認申請書は所有者本人が作成しなければならないのですか。
(A3)
 原則は所有者本人が作成する必要がありますが、一定の資格者(※(Q4)参照)に書類作成を代行してもらうことが可能です。
 また、書類を作成するに当たり、所有者の家族や親族が書類作成を手伝うことも可能です(承認申請者の氏名は所有者本人である必要があります。)。
(Q4)
 承認申請書の作成代行を業務としてすることができる資格者は誰ですか。
(A4)
 弁護士、司法書士、行政書士(以下「3士業」といいます。)です。
 
(Q5)
 (A4)の3士業以外の資格者に書類作成の代行を依頼することはできないのですか。
(A5)
 弁護士法、司法書士法及び行政書士法違反となりますので、(A4)の3士業以外に書類作成の代行を依頼することはできません。
(Q6)
 法律行為としての承認申請手続を、資格者など別の者が代理することはできますか。
(A6)
 承認申請手続をすることができるのは、所有者本人又は法定代理人に限られますので、資格者を含めた他の者が代理することはできません。
(Q7)
 (A4の)3士業が作成した書類に不備があったときの補正は、承認申請者本人がする必要がありますか。
(A7)
 原則として、承認申請者本人がする必要があります。ただし、(A4)の3士業の資格者が作成を代行した書面について、(資格者が)承認申請者の意思を確認した上で、代わりに当該書類について修正をすることが可能です。
(Q8)
 承認申請者が高齢のため、法務局担当者から承認申請内容等について確認を求められた際の対応が困難です。承認申請書に承認申請者の家族など、関係者の連絡先を記載してもよいですか。
(A8)
 承認申請者の連絡先に加えて、承認申請内容について事情をよく知る方の連絡先を併記していただいても差し支えありません。その場合は、(1)承認申請者との間柄、(2)関係者として連絡先を併記する理由(事情)を記載してください。

 

 

3 受付関連

 

(Q1)
 承認申請の受付はどこですることになりますか。
(A1)
 承認申請する土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門(登記部門)が提出先となります(ただし、北海道は4つの法務局・地方法務局に管轄が分かれていますので、詳しくは法務省ホームページをご覧ください。)。
 なお、法務局・地方法務局の支局・出張所では、承認申請の受付はできませんのでご注意ください。
(Q2)
 承認申請の方法はどのようにすればよいですか。
(A2)
 承認申請書を以下のいずれかの方法で提出してください。
(1)(管轄する)法務局・地方法務局(本局)の窓口に提出
(2)(管轄する)法務局・地方法務局(本局)に郵送で提出
 なお、インターネットやメールを利用した承認申請はできません。
(Q3)
 承認申請窓口の受付時間はいつですか。
(A3)
 基本的に法務局・地方法務局(本局)の開庁時間(8時30分から17時15分まで)に不動産登記部門(登記部門)内の国庫帰属の承認申請窓口で受付が可能です(不動産登記申請の窓口とは異なります。)。
 なお、受付に時間がかかる場合がありますので、16時30分までに窓口にお越しください。
(Q4)
 承認申請の受付は事前予約が必要ですか。
(A4)
 事前予約は必須ではありませんが、担当者の不在や窓口の混雑によりお待ちいただくことがあるため、できるだけ予約をお願いします。業務処理の都合上、事前予約があった方を優先的に対応しますので、ご理解ください。
(Q5)
 承認申請の受付に掛かる時間はどの程度ですか。
(A5)
 受付時に担当者が書類の確認や留意事項の説明をしますので、10分から20分程度の時間を要する見込みです。
(Q6)
 承認申請は承認申請者本人が窓口に出向く必要はありますか。
(A6)
 承認申請者本人が窓口で提出していただくのが通常ですが、来庁が困難な場合には、ご家族の方が代わりに来ていただいても差し支えありません。
 また、郵送(書留郵便又はレターパックプラス)で承認申請することも可能です。
(Q7)
 承認申請時に特に注意する点はありますか。
(A7)
 承認申請の際には、以下の事項を中心にご確認をお願いします。
 (1) 土地が所在する法務局・地方法務局(本局)が宛先になっているかどうか
 (2) 収入印紙が貼り付けられているかどうか(割印は不可)
 (3) 添付書類に不足がないか
 (4) 実印の押印と押印した実印の印鑑証明書の添付
 (5) 土地の状況に関するチェックシートの添付
 (6) 寄附受けの情報提供への同意の有無
 (7) 法務局・地方法務局が承認申請者に連絡を取るための連絡先の記載
 (8) 国庫帰属後の登記嘱託への同意の有無
 (9) 審査手数料は返還されないこと
(Q8)
 貼り付けした収入印紙に割印は必要ですか。
(A8)
 承認申請の際の収入印紙については、承認申請を受け付ける際に、適正額の審査手数料分の収入印紙が貼り付けされていることを確認した上で、法務局・地方法務局の担当者が消印しますので、割印はしないでください。承認申請者が誤って割印をしてしまった場合、割印をした収入印紙は承認申請に用いることができませんのでご注意ください。
(Q9)
 承認申請に必要な添付書類にはどのようなものがありますか。
(A9)
 必須書面として、
(1) 承認申請する土地の位置及び範囲を明らかにする図面
(2) 承認申請する土地と隣接する土地との境界を明らかにする写真
(3) 承認申請する土地の形状を明らかにする写真
(4) 承認申請者の印鑑証明書(有効期限なし)
があります。
 そのほか、事案に応じて必要となる添付書類がありますので、詳細については、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご確認ください。
(Q10)
 添付書類の原本は、受付後に還付してもらえますか。
(A10)
 「これは原本の写しに相違ないことを証明する」旨の記載を付した添付書類の原本の写しと原本を併せて提出することで、法務局・地方法務局での審査が完了した後に、添付書類の原本を還付することができます。ただし、印鑑証明書と嘱託登記の承諾書については、原本の還付はできません。
(Q11)
 審査完了予定の時期は受付時に教えてもらえますか。
(A11)
 受付時に標準的な処理の期間を目安としてお伝えします(法務局・地方法務局のホームページでも確認することができます。)。
 ただし、本制度は書面調査や実地調査といった複数の調査を実施するため、この期間内に終わらない場合もあり得ますのでご注意ください。
(Q12)
 審査が完了するまで、具体的にどれくらいの期間が掛かるのですか。
(A12)
 本制度が過去に例のない新しい制度であることや、制度開始当初は調査に時間を要する可能性があることから、制度開始からしばらくの間は、承認申請の受付後、半年~1年程度の期間が掛かるものと思われます。
(Q13)
 承認申請書の記載において、他の機関への情報提供に同意する旨のチェックボックスにチェックをしない場合、どのような影響が生じるのですか。
(A13)
 承認申請書の様式に記載されているチェックボックスは、土地の利活用(寄附受け等)の機会を確保するため、承認申請された土地の地番や添付書類である境界に関する情報を、国や地方公共団体などの他の機関に伝達するためのものです。承認申請者の同意がない場合、寄附受け等の希望を確認するための国や地方公共団体などへの情報提供は実施せず、法務局・地方法務局において、承認申請に基づいて審査を進めるのみとなります。
 なお、国庫帰属後に土地を管理する予定となる国の機関(財務省及び農林水産省。地方機関を含みます。)に対しては、承認申請者の希望の有無にかかわらず、法令の規定により、承認申請があった旨の情報提供を行います。
(Q14)
 承認申請後に、承認申請者の住所や氏名に変更が生じました。どうすればよいですか。
(A14)
 まずは法務局・地方法務局にお知らせください。
 住所や氏名の変更があったことを証する書面などを追加で提出いただくことで、手続を継続することができます。
(Q15)
 承認申請後に承認申請者が死亡しました。どうすればよいですか。
(A15)
 まずは家族や親族の方から法務局にお知らせください。
 承認申請がされている土地を相続した方が、承認申請の意思を有している場合、相続した日から60日以内に届出をしていただくことで、手続を継続することができる場合があります。
(Q16)
 承認申請者が死亡し、相続人の一人が承認申請者の財産を遺産分割で取得することになりました。権利の承継から60日以内の届出は、遺産分割を行った日から60日以内ということでよいですか。
(A16)
 承認申請者が死亡した日から60日以内です。
(Q17)
 国庫帰属の承認申請が受け付けられた後、結果が出るまでの間、承認申請した土地の登記事項証明書や地図の写しは取得できないのですか。
(A17)
 承認申請中であっても、登記事項証明書や地図の写しを法務局・地方法務局で取得することができます。
(Q18)
 国庫帰属の承認申請が受け付けられた後に、承認申請した土地を売却する相手が見つかりました。承認申請はどうすればよいですか。
(A18)
 売却する相手が見つかった場合は、売却前に承認申請書を提出した法務局・地方法務局の担当者に連絡をしていただき、承認申請の取下げをしていただくことになります。
 もし、取下げをしないまま土地を売却した場合、承認申請権限がなくなるため、承認申請は却下されることになります。
 なお、いずれの場合であっても、承認申請時に納付した審査手数料については、返還することができませんのでご注意ください。
(Q19)
 承認申請の受付後であっても、追加で書類の提出を求められることはありますか。
(A19)
 法第6条第1項から第3項までにおいて、職員が事実の調査を行うことができる旨が規定されており、書面調査や実地調査の結果、不明な点がある場合は、追加で資料の提出を求めることがあります。
(Q20)
 受付番号は教えてもらえますか。
(A20)
 可能です。承認申請書を提出した法務局・地方法務局の担当者にお申し出ください。
 
(Q21)
 受付をしたことが分かる書面を発行してもらえますか。
(A21)
 可能です。受付時又は後日、承認申請書を提出した法務局・地方法務局の担当者にお申し出ください。
 受付証という形で、受付番号を記載した書面を参考でお渡しします。なお、証明書ではありませんので、ご注意ください。
(Q22)
 相続財産管理人は、承認申請することができますか。
(A22)
裁判所の許可があれば可能となる場合があります。
(Q23)
 不在者財産管理人は、承認申請することができますか。
 
(A23)
 裁判所の許可があれば可能となる場合があります。
(Q24)
 民法改正により新たにできる所有者不明土地管理人は、承認申請することができますか。
(A24)
 裁判所の許可があれば可能となる場合があります。
  

 

4 審査手数料関連

 
(Q1)
 審査手数料はいくらですか。
(A1)
 審査手数料は、土地一筆当たり14,000円です。
(Q2)
 審査手数料はどのように支払えばよいのですか。
(A2)
 承認申請書に収入印紙を貼付し、納付していただきます。印紙に割印はしないでください。
 詳細は、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご確認ください。
 なお、領収証書やキャッシュレスで納付することはできません。
(Q3)
 複数の土地をまとめて承認申請する場合、審査手数料は軽減されますか。
(A3)
 まとめて承認申請した場合でも軽減はされません。
 例えば、10筆の土地の場合は、「14,000円×10」(円)の審査手数料が必要になります。
(Q4)
 承認申請を途中で取り下げた場合、審査手数料は返還されますか。
(A4)
 返還されません。
(Q5)
 承認申請が却下された場合や承認されなかった場合、審査手数料は返還されますか。
(A5)
 返還されません。
(Q6)
 なぜ審査手数料は返還されないのですか。
(A6)
 審査手数料は審査に要する費用であり、承認申請があった場合、法務局・地方法務局において書面調査や実地調査に加え、地方公共団体等に連絡・情報収集を実施するなど一定の行政コストを要する審査を実施します。
 そのため、一度承認申請された後に審査手数料を返還することはできない手続となっていますので、十分考慮してから承認申請をしていただくようお願いします。
(Q7)
 隣接する数十筆の土地について承認申請する場合、全ての土地が不承認や却下になると審査手数料が膨大になるため、一筆の土地を先行して承認申請することはできますか。
(A7)
 可能です。
(Q8)
 法人や不動産の登記申請を取下げした際の再使用証明がされた収入印紙を使うことはできますか。
(A8)
 登記手続において再使用の証明を受けた収入印紙は登記申請以外で再使用することはできませんので、国庫帰属制度の承認申請で使うことはできません。
 
(Q9)
 収入印紙はどこで購入できますか。
(A9)
 法務局・地方法務局(一部の支局・出張所を除く。)又はお近くの郵便局等で購入できます。

 


5 実地調査関連

 
(Q1)
 承認申請者は、法務局が行う実地調査に同行する必要がありますか。
(A1)
 全ての承認申請について、現地の確認のための同行を依頼するものではありませんが、法務局・地方法務局から同行の依頼があった場合はご対応をお願いします(同行のための費用はご自身で負担いただくことになります。)。
 この場合、正当な理由がなく同行を拒否した場合は、承認申請が却下されますのでご注意ください。
(Q2)
 承認申請者本人以外が実地調査に同行することはできますか。
(A2)
 承認申請者が指定した者(承認申請した土地の近くに住んでいる又は承認申請した土地について詳しく知っている家族・親族や資格者(書類作成の代行が可能な3士業以外の資格者も可)など)を本人の同行に代えることができます。
(Q3)
 実地調査に同行したいのですが。
(A3)
 必要な場合に法務局・地方法務局から同行をお願いすることがありますが、自ら同行を希望する場合は承認申請書を提出した法務局・地方法務局にご相談ください。法務局・地方法務局の調査日に同行が可能であれば認められる可能性もあります。

 


6 却下事由・不承認事由一般関連

 
(Q1)
 帰属制度開始前に相続した土地は対象になりますか。
(A1)
 令和5年4月27日以前に相続した土地も対象になります。
 
(Q2)
 法定相続人ではありませんが、遺贈により取得した土地は対象になりますか。
(A2)
 遺贈は、法定相続人に対するものに限られますので、法定相続人以外の者が遺贈により取得した土地は本制度の対象外です。
 
(Q3)
 相続により取得した土地ですが、相続登記をしていません。このような土地も承認申請をすることができますか。
(A3)
 承認申請をすることが可能です。
 ただし、土地の所有者であることを証明するために、相続登記時に添付する資料と同程度の資料提出が必要となりますので、ご注意ください。
(Q4)
 土地の共有持分を数回にわたり取得し、現在土地所有者となっています。取得原因のうち、相続を原因とするものが一つでもあれば、この制度を利用することができますか。
(A4)
 利用することができます。
(Q5)
 売買により所有権を取得した者からの相続によって取得した土地があります。売買による所有権移転登記も相続登記もしていませんが、承認申請をすることができますか。
(A5)
 売買による所有権の移転の登記がされていない場合、その後に現在の所有者が相続によって土地の所有権を取得したことを確認することができないため、承認申請をすることはできません。
(Q6)
 共有者に連絡が取れない人がいる場合、承認申請をする方法はありますか。
(A6)
 以下の方法が考えられますが、詳細は、弁護士等の専門家にご相談ください。
 (1) 不明共有者がいる場合の持分取得・譲渡制度を使って、持分を集約するか、持分の移転権限を与えてもらったうえで、承認申請をすることができます。
(※ 遺産共有のケースであるため、相続開始後10年経過している必要があります。)
 (2)(※ 相続開始後10年が経過していないケース)
 持分について所有者不明土地管理人を選任してもらい、管理人が、裁判所の許可を得て、他の相続人と共に承認申請をする、又は他の相続人に持分を譲渡した上で、他の相続人において承認申請をすることができます。
(Q7)
 承認申請をしたいのですが、土地の共有者(又は他の法定相続人)が賛成してくれず、共同での承認申請ができません。何か方法はありますか。
(A7)
 共有地の承認申請に当たっては、共有者全員で承認申請をする必要がありますので、共有者のうち誰かの同意が得られない場合には、その土地について承認申請をすることはできません。
(Q8)
 農地も承認申請をすることができますか。
(A8)
 承認申請をすることができます。
 
(Q9)
 森林も承認申請をすることができますか。
(A9)
 承認申請をすることができます。
 
(Q10)
 原野商法で購入した土地についても承認申請をすることができますか。
(A10)
 原野商法(※)関連の土地というだけで、本制度が利用できないということはありません。
 相続等によって取得した土地であり、引き取ることができない土地の要件に該当しない土地であれば承認申請をすることは可能です。
 ただし、承認申請をする土地の範囲が明らかになっている必要があります。
(※)値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野について、実際には建設計画等はないにもかかわらず「開発計画がある」「もうすぐ道路ができる」などと嘘の説明をしたり、「将来確実に値上がりする」などと問題のある勧誘を行ったりして販売をする商法
(Q11)
 相続したものの、土地の所在について詳細はよく知らない土地があります。公図上であれば境界の確認ができますが、このような場合も承認申請をすることができますか。 
(A11)
 承認申請をするためには、土地の範囲や承認申請者が認識している隣接土地との境界を現地で確認できることが必要となります。そのため、現地の状況を確認できず、「承認申請する土地と隣接する土地との境界を明らかにする写真」や「承認申請する土地の形状を明らかにする写真」といった必須添付書類を作成することができない場合、承認申請をすることはできません。
(Q12)
 引き取ることができないと判断される土地の事情について、承認申請後にその事情が判明した場合、審査完了までにその状況を改善すれば引き取ってもらえますか。
(A12)
 承認申請をした土地について、却下要件や不承認要件に該当する事項を除去するための対応をしていただくことは可能です。
 ただし、相当の期間までに土地の状況が改善しない場合は引き取ることはできませんのでご注意ください。

 


7 却下事由関連

 
(Q1)
 土地の上にあると承認申請が却下される「建物」とは、具体的にはどのようなものですか。
(A1)
 本制度における「建物」とは、土地に存在する建築物が「屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの(不動産登記規則第111条)」に該当するかどうかによって判断します。
(Q2)
 建物があっても建物の登記がされていない場合は承認申請をすることができますか。
(A2)
 建物の登記がされていなくても、現に建物が存在する場合は、承認申請することはできません。
 
(Q3)
 建物がある場合は全て却下になると考えてよいですか。
(A3)
 そのとおりです。
 
(Q4)
 建物は取り壊した上で承認申請をしなければならないのですか。
 また、建物の滅失の登記をする必要がありますか。
(A4)
 原則はそのとおりです。承認申請後に建物を速やかに取り壊すことを予定しているような場合は、承認申請をする予定の法務局又は地方法務局の本局にお問い合わせください。
 なお、建物の滅失の登記は、所有者の方においてすることが原則です。
(Q5)
 土地の隅に小さな小屋があります。これも「建物」があるとして承認申請は却下されますか。
(A5)
 物置小屋のような場合は、建物には該当しない場合があります。この場合、地上に存する工作物として管理に過分の費用又は労力を要するかどうかによって、承認の可否を判断することとなります。
(Q6)
 山のような広大な土地の一部に建物が存在する場合であっても承認申請は却下されますか。
(A6)
 却下されます。
 なお、建物ではない工作物の場合は、地上に存する工作物として管理に過分の費用又は労力を要するものであるかどうかによって、承認の可否を判断することとなります。
(Q7)
 抵当権の登記がある場合でも、実体的に抵当権が効力を失っている場合は承認申請をすることができますか。
(A7)
 実体上債務を完済し、抵当権が行使されることはないとしても、抵当権の登記がある場合は承認申請をすることができません。
 抵当権の登記を抹消した後に、承認申請をしてください。
(Q8)
 土地の上空や地中に電線が通っている場合に地役権が設定されている土地(承役地)の承認申請は却下されますか。
(A8)
 土地が承役地になっている場合は、承認申請をすることができません。
 承役地:要役地の便益に供されるものをいいます
 要役地:他人の土地から便益を受けるものをいいます
(Q9)
 土地が地役権の要役地となっている場合、承認申請をすることができますか。
(A9)
 承認申請をすることができます。
(Q10)
 入会権が設定されている土地は承認申請をすることができますか。
 できない場合、その理由は何ですか。
(A10)
 承認申請をすることはできません。
 入会権は、国以外の者が土地を使用・収益することができる権利に該当するためです。
(Q11)
 森林経営管理法の経営管理権が設定されている土地は承認申請をすることができますか。
 できない場合、その理由は何ですか。
(A11)
 経営管理権が設定されているままですと、承認申請をすることはできません。
 経営管理権は、国以外の者(市町村)が土地を使用・収益することができる権利に該当するためです。
 経営管理権が設定されている森林について承認申請を希望する場合は、事前に経営管理権を解除しておく必要があります。
(Q12)
 通路や道路である土地について、現在通路や道路として使用されていない場合は承認申請をすることができますか。
(A12)
 現在通路や道路として使用されていない場合は、承認申請をすることができます。
 
(Q13)
 土地の一角に墓地がある場合は承認申請をすることができますか。
(A13)
 墓地を開設するために都道府県知事の許可を受けている土地である場合には、承認申請は却下されます。また、許可を受けていない土地であっても、墓石が存在する場合は、管理又は処分に過分の費用を要する工作物に該当し、不承認になる可能性が高いと考えられます。
 墓地部分を除いた土地の部分だけを国に帰属させたい場合には、土地を分筆し、墓地の部分を除いた土地について承認申請をすることが考えられます。
(Q14)
 水路が存在する土地は承認申請をすることができますか。
(A14)
 現在水道用地や用悪水路として使われている場合は、承認申請をすることができませんが、水路が現在使用されていない場合は、承認申請をすることができます。
(Q15)
 土壌汚染された土地ではないことの証明は必要ですか。
(A15)
 証明した資料は承認申請の際の必須の添付書面ではありません。
 ただし、法務局・地方法務局の調査において土壌汚染を疑うに足る事情がある場合は、法務局・地方法務局から追加資料の提出を求める場合があります。
(Q16)
 放射性物質が存在する土地は却下の対象になりますか。
(A16)
 それのみを理由に却下の対象とはなりません。
(Q17)
 避難指示区域内の土地は却下の対象となりますか。
(A17)
 それのみを理由に却下の対象とはなりません。
(Q18)
 ダイオキシンなど、特定有害物質ではないものの人体に有害と思われる物質が存在する土地は、却下の対象になりますか。
(A18)
 それのみを理由に却下の対象とはなりません。
(Q19)
 境界が明らかでない土地かどうかはどのように判断するのですか。
(A19)
 判断は主に以下の2点で実施します。
 (1) 承認申請者が認識している隣接土地との境界が現地で確認することができること
 (2) 承認申請者が認識している申請土地の境界について、隣接地の所有者が認識している境界と相違がなく、争いがないこと
(Q20)
 境界については何を基に判断するのですか。
(A20)
 (A19)の事項について、
 (1)については、承認申請の際に添付していただく図面及び写真と現地に表示された境界点を確認します。
 (2)については、法務局・地方法務局から隣接土地の所有者に境界の認識について照会して確認を行います。
(Q21)
 添付書類である「土地の位置及び範囲を明らかにする図面」はどのように作成すればよいですか。
(A21)
 インターネット上で公開されている国土地理院の地図や、法務局・地方法務局で発行している登記所備付地図の写しを利用して作成することができます。
 具体的な作成例は、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご参照ください。
(Q22)
 土地の境界点を明らかにするためには、境界標の設置が必要ですか。
(A22)
 境界点を示す既存物がない場合には、境界点を明らかにする目印を立てる必要があります。
 既存の境界標や地物(ブロック塀や道路など)により境界点が明らかな場合は、新たに目印を設置する必要はありません。
 なお、境界点が申請土地のどこにあるかについては、添付書類である「承認申請の土地と隣接土地との境界点を明らかにする写真」において示す必要があります。具体的な示し方は、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご参照ください。
(Q23)
 (A22)の目印はどのようなものですか。
(A23)
 紅白ポール、プレートなどの設置で差し支えありませんが、国が土地を引き取った場合に土地を管理する範囲を示すものとなりますので、一時的な設置ではなく、承認申請の審査時及び国庫帰属時(承認時)も判別することができる必要があります。
(Q24)
 境界点を明らかにする目印は、添付書類に使用する写真を撮る時だけ一時的に設置すればよいですか。
(A24)
 目印で表示された境界点は、国が土地を引き取った場合に土地を管理する範囲を示すものとなりますので、一時的な設置ではなく、承認申請の審査時及び国庫帰属時(承認時)も判別できるような目印が必要となります。
(Q25)
 添付書類である「承認申請の土地と隣接土地との境界点を明らかにする写真」はどのように撮影すればよいですか。
(A25)
 境界点が確認できるように撮影し、境界の範囲を写真上に図示する必要があります。
具体的な例は、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご参照ください。
(Q26)
 添付書類である「土地の形状を明らかにする写真」はどのように撮影すればよいですか。
(A26)
 土地の現状が写真である程度把握できるよう、土地の遠景(全景)や近景の写真を複数枚撮影して提出してください。
 具体的な例は、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご参照ください。
(Q27)
 山のように広大な土地については全景を撮影するのが難しいですが、ドローン等によって写真を撮影する必要はありますか。
(A27)
 ドローン等によって全景を撮影していただく必要まではありませんが、土地の状況が分かるようにできるだけ複数枚の写真をご用意ください。インターネットに表示された国土地理院のホームページの空中写真などを添付していただくことも考えられます。
(Q28)
 隣の土地の所有者と境界について合意した書面(境界確定書等)を提出する必要はありますか。
(A28)
 承認申請の際の必須の添付書面ではありません。
 他方、境界確定書等が存在する場合は、審査が円滑に進む可能性があり、将来的に国が管理する上でも有益な資料となる可能性がありますので、保有している場合は可能な限り、承認申請時に写しを提出してください。
(Q29)
 測量を実施し、周辺の土地との境界を確定した上、測量成果(境界確定図等)を提出する必要はありますか。
(A29)
 承認申請の際の必須の添付書面ではありません。
 他方、境界確定図等が存在する場合は、審査が円滑に進む可能性があり、将来的に国が管理する上でも有益な資料となる可能性がありますので、保有している場合は可能な限り、承認申請時に写しを提出してください。
(Q30)
 省令第13条第1項による隣地所有者への通知がされた際、隣地所有者が境界等について異議を述べた場合、承認申請は却下となってしまうのですか。
(A30)
 却下の対象となりますが、承認申請者が境界について隣地所有者と調整し、境界についての争いがなくなった場合は、却下事由がなくなったものとして、帰属が承認されることも考えられます。
(Q31)
 添付書類である「承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面」について、法務局に地積測量図の備付けがある場合、その地積測量図に記載された申請土地に係るすべての境界点の写真を添付する必要がありますか。また、申請土地に地積測量図の備付けがない場合、どうすればよいのですか。
(A31)
 申請土地の地積測量図が法務局・地方法務局に備え付けられているか否かにかかわらず、承認申請時に認識している全ての境界点の写真を添付していただく必要はありますが、必ずしも地積測量図と一致している必要はありません(ただし、一致するのが通常と考えられます。)。また、国土地理院等の地図を参考にするなどして、「承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面」を作成して差し支えありません。
 ただし、調査の際、現地において境界点が明確に示されている必要がありますのでご注意ください。
 詳細については、法務省ホームページや「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご確認ください。
(Q32)
 筆界未定土地又は地図がない土地ですが、国庫帰属の承認申請をすることはできますか。
(A32)
 承認申請者から土地の範囲が明確に示され、その土地の範囲について隣地所有者と認識が一致していれば争いがないものと判断することになります。そのため、筆界未定又は地図がないことのみをもって、境界が明らかでない土地その他所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地として承認申請を直ちに却下することにはならず、個々の事案によって承認の可否を判断することになります。
(Q33)
 自分では境界が分からないのですが、どうしたらいいですか。
(A33)
 例えば、土地の境(筆界)を調査する資格者として土地家屋調査士が存在します。お近くの土地家屋調査士に相談し、境界を明確にすることが考えられます。

 


8 不承認事由関連

 
(Q1)
 崖がある土地は引き取ってもらえないのですか。
(A1)
 崖があるというだけで引き取ることができないということはありません。
(Q2)
 どのような崖があると引き取ってもらえないのですか。
(A2)
 勾配が30度以上で高さが5メートル以上の崖であって、崩落の危険性があると考えられる場合、引き取ることはできません。
(Q3)
 崩落の危険性などはどのように審査するのですか。
(A3)
 書面の資料や実地調査で状況を確認した上で判断することになります。
(Q4)
 隣の土地に危険な崖がある土地は引き取ってもらえますか。
(A4)
 承認申請をする土地に危険な崖がなければ、その他の要件に該当しない場合は引き取ることは可能と考えられます。
(Q5)
 審査の前に引き取ることができない崖が含まれているかをどのように判断すればよいのですか。
(A5)
 書面の資料や実地調査で状況を確認した上で判断することになりますので、確実な判断方法をお示しすることは困難ですが、崖の付近に民家、道路、線路などがある場合は、引き取ることができない崖に該当する可能性が高いと考えられます。
(Q6)
 通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木にはどのようなものが該当するのですか。
(A6)
以下のようなものが考えられます。
 (1) 果樹園の樹木
 (2) 民家、公道、線路等の付近に存在し、放置すると倒木の恐れがある枯れた樹木や枝の落下等による災害を防止するために定期的な伐採を行う必要がある樹木
 (3) 放置すると周辺の土地に侵入するおそれや森林の公益的機能の発揮に支障を生じるおそれがあるために定期的な伐採を行う必要がある竹
 (4) 過去に治山事業等で施工した工作物のうち、補修等が必要なもの
 (5) 建物には該当しない廃屋
 (6) 放置車両
(Q7)
 樹木自体は切られているのですが切り株が残っています。これは管理又は過分な費用を要する工作物に該当しますか。
(A7)
 一般的には該当しないものと考えられます。
 ただし、土地の状況を確認しないと確実な判断は難しいと考えられます。
(Q8)
 電柱は、管理又は処分をするに当たり過分な費用を要する工作物に該当しますか。
(A8)
 一般的には該当しないものと考えられます。
 ただし、土地の状況を確認しないと確実な判断は難しいと考えられます。
(Q9)
 地下にある除去しなければ通常の管理又は処分をすることができない有体物とはどのようなものが該当するのですか。
(A9)
 管理を阻害する産業廃棄物や屋根瓦などの建築資材(いわゆるガラ)、地下にある既存建物の基礎部分やコンクリート片、現在使用されていない古い水道管、浄化槽、井戸、大きな石などが該当するものと考えられます。
(Q10)
 宅地の場合に水道管やガス管がある場合も、除去しなければ通常の管理又は処分をすることができない有体物に該当しますか。
(A10)
 宅地として管理するに当たり、過分な費用を要するかどうかについて判断しますので、現在も使用が可能な水道管やガス管などの一般的なものは、該当しない可能性があります。
(Q11)
 地下に有体物が存在しないことを証明する書面を提出する必要がありますか。
(A11)
 必須の添付書面ではありません。
 ただし、地下に有体物が存在することを疑うに足る事情がある場合は、法務局・地方法務局から追加資料の提出を求める場合があります。
(Q12)
 他人の土地を通行しないと出入りできないいわゆる「袋地」を引き取ってもらうことはできますか。
(A12)
 可能です。
 ただし、いわゆる「袋地」に出入りするための通路(他人の土地)の通行を妨害されているような場合には引き取ることはできません。
(Q13)
 所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地とはどのようなものですか。
(A13)
 例えば、以下のような土地が該当すると考えられます。
 (1) 所有者以外の第三者に不法に占有されている土地
 (2) 隣接地から継続的に流水がある土地
(Q14)
 いわゆる「別荘地」を引き取ってもらうことはできますか。
(A14)
 「別荘地」というだけで直ちに引き取ることができないということはありません。
ただし、管理費の支払を巡ってトラブルになるような別荘地は、引き取ることができない可能性があります。
(Q15)
 「土砂の崩壊、地割れ、陥没、水又は汚液の漏出その他の土地の状況に起因する災害が発生し、又は発生するおそれがある土地であって、その災害により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体又は財産に被害が生じ、又は生ずるおそれがあり、その被害の拡大又は発生を防止するために当該土地の現状に変更を加える措置(軽微なものを除く。)を講ずる必要があるもの」とは、具体的にどのようなものですか。
(A15)
 例えば、土砂の崩壊の危険のある土地について崩壊を防ぐために保護工事を行う必要がある場合、大きな陥没がある土地について人の落下を防ぐためにこれを埋め立てる必要がある場合、大量の水が漏出している土地について排水ポンプを設置して水を排出する必要がある場合、などが考えられます。
(Q16)
 「鳥獣、病害虫その他の動物が生息する土地であって、当該動物により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農産物又は樹木に被害が生じ、又は生ずるおそれがあるもの(その程度が軽微で土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除く。)」とは、具体的にどのようなものですか。
(A16)
 土地の通常の管理のために、土地に生息する動物(スズメバチなど)や病害虫を駆除する必要がある土地です。
(Q17)
 (Q16)の該当性はどのように判断するのですか。
(A17)
 主に農用地として利用されている土地であればその周辺の地域における農用地の営農条件に著しい支障が現に生じているかどうかについて、主に森林として利用されている土地であれば森林病害虫等の発生により駆除やまん延防止のため措置を現に必要としているかどうかについて確認します。
(Q18)
 例えば、イノシシやクマが生息している可能性がある土地は引き取ることができないということですか。
(A18)
 生息する動物の危険性が低い、又は危険であっても生息する数が極めて少ないなどの理由により、被害の程度や被害が生ずるおそれの程度が軽微であるような場合は、引き取ることができます。
 また、イノシシやクマなどが生息している土地については、具体的に人などに被害が生ずる可能性が高い場合は引き取ることができず、抽象的な可能性にとどまる場合には、引き取ることができます。
(Q19)
 「その土地が存する市町村の区域に係る市町村森林整備計画(同法第10条の5第1項に規定する市町村森林整備計画をいう。)に定められた同条第2項第3号及び第4号に掲げる事項に適合していないことにより、当該事項に適合させるために追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められるもの」とは、具体的にどのように判断するのですか。
(A19)
 

人工林については、適切な間伐等が実施されているかどうかを、天然林については、標準伐期齢に達しているかどうかを確認します。

(Q20)
 「法令の規定に基づく処分により国が通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務を負担することが確実と認められる土地」とは、具体的にどのようなものですか。
(A20)
 例えば、土地改良法第36条第1項の規定により賦課徴収される金銭(土地改良事業で整備される水利施設等の建設費用、当該事業で整備された水利施設等の利用や維持管理に係る経常的経費)が考えられます。
(Q21)
 (Q20)の賦課金はいくら以下なら引き取ることができるといった基準はあるのですか。
(A21)
 金額にかかわらず賦課金が発生している場合には、土地を引き取ることはできません。
(Q22)
 「法令」に、地方公共団体の「条例」は含まれますか。
(A22)
 含まれます。
(Q23)
 「法令の規定に基づく処分により承認申請者が所有者として金銭債務を負担する土地であって、法第11条第1項の規定により所有権が国庫に帰属したことに伴い国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの」とは、具体的にどのようなものですか。
(A23)
 例えば、土地改良法第36条第1項の規定により土地所有者に賦課された金銭債務(土地改良事業で整備される水利施設等の建設費用、当該事業で整備された水利施設等の利用や維持管理に係る経常的経費)が該当します。
(Q24)
 金銭債務を消滅させた場合は引き取ってもらうことはできますか。
(A24)
 金銭債務を消滅させた場合は可能です。
 ただし、国の審査が完了する前に金銭債務を消滅させる必要があります。
 

 

9 承認された場合の手続・負担金関連

 
(Q1)
 承認されたかどうかはどのようにして分かるのですか。
(A1)
 法務局・地方法務局から、以下の2つの書類を送付します。
 (1) 承認した旨と負担金の額を記載した通知書
 (2) 負担金を納付するための納入告知書
 最終的に土地を帰属させるためには、(2)の納入告知書に記載された金額を納める必要があります。
(Q2)
 負担金はいくらですか。
(A2)
 20万円が基本となります。
 ただし、以下のような場合は土地の面積に応じて、20万円以上の負担金が必要になりますのでご注意ください。
(1) 市街化区域等の宅地・農地
(2) 森林
 詳細は、法務省ホームページをご確認ください。
(Q3)
 負担金はなぜ20万円が基本とされているのですか。
(A3)
 国が土地を管理するための10年分の費用の相当額として法律上納付していただくこととなっています。
 なお、この費用は国有財産の過去に要した管理費用を参考に決まったものです。
(Q4)
 負担金を安くする方法はありますか。
(A4)
 承認申請を行った土地が複数でありそれぞれ隣接しているときは、隣接する二筆以上の土地のいずれもが同一の土地区分である場合、申出をすることで、それらを一筆の土地とみなして負担金を算定することができます。
 具体的な申出の方法は、法務省ホームページをご確認ください。
(Q5)
(A4)の負担金の合算の申出は、いつまでに行えばよいのですか。
(A5)
 承認申請書の提出時から帰属の承認がされるまでの間に行うことができます。
(Q6)
 (A4)の負担金の合算の申出は、隣接する土地の所有者が自分とは異なる場合もできますか。
(A6)
 隣接土地の所有者同士であれば、承認申請者が異なる場合も共同して申出を行うことができます。
(Q7)
 帰属が承認された土地について、国が10年以上土地を保有した場合、負担金を追納する必要はありますか。
(A7)
 追加で納付する必要はありません。
(Q8)
 負担金に納付期限はありますか。
(A8)
 (A1)の書類を受領した翌日から30日以内に、負担金を納付する必要があります。
(Q9)
 負担金を納付しなかった場合、審査手数料は返還されますか。
(A9)
 返還されません。
(Q10)
 負担金で算定する面積は何を基にするのですか。
(A10)
 登記記録の地積で算定します。
(Q11)
 登記記録の地積が現況の面積と異なっているため、現況の面積で負担金を算定してもらうことはできますか。
(A11)
 登記記録の地積は土地の現状を示した公的な記録ですので、負担金の算定は登記記録の地積を基に実施します。
 現況の面積が地積と異なる場合は、承認の前に地積更正又は地積変更の登記をすることが原則です。
(Q12)
 負担金はどのような方法で支払えばよいですか。
(A12)
 以下の2つの方法のいずれかで納付することができます。
 (1) 日本銀行や日本銀行代理店(金融機関(簡易郵便局を除く))の窓口に持参して、納付する。
 (2) インターネットバンキング、モバイルバンキング(携帯電話)、銀行のATMなどの画面上で収納機関番号等を入力することにより、電子納付を行う。
(Q13)
 納付期限後に支払った場合はどのようになりますか。
(A13)
 納付期限後の支払は無効となり、過誤納付に該当しますので、承認の効果は失われ、所要の手続を経た上で納付された負担金は還付することになります。
(Q14)
 所有権はいつ国に移転するのですか。
(A14)
 (A12)の方法で負担金が納付された時点です。
(Q15)
 所有権が移転した後、所有権移転の登記を申請する必要はありますか。
(A15)
 承認申請者から国への所有権移転の登記は国の機関で行いますので、承認申請者が登記申請をする必要はありません。
(Q16)
 国への所有権移転登記が完了した場合、承認申請者に通知等はされますか。
 また、登記が完了したかどうかを電話で尋ねた場合、教えてもらえますか。
(A16)
 嘱託登記の完了証は嘱託者にのみ発行されるため、承認申請者に通知はされません。なお、所有権が移転したことを証する書面を必要とする場合は、登記事項証明書を取得する必要があります。
 また、法務局・地方法務局から承認申請者に対して、登記が完了したことを連絡することはありませんが、承認申請者から承認申請書を提出した法務局・地方法務局に対して問合せがあった場合はお答えします。
(Q17)
 登記記録において、所有権移転の原因はどのように記録されますか。
(A17)
 登記原因は、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律第11条第1項の規定に基づく令和〇年〇月〇日所有権の国庫帰属」となり、登記原因日付は、負担金が納付された日です。
(Q18)
 所有権が移転した後、土地を管理するのは法務局ですか。
(A18)
 土地の管理を法務局が行うことはありません。
 農用地(田、畑、採草放牧地)及び森林は、農林水産大臣(農用地は地方農政局、森林は森林管理局)が、その他の土地は財務大臣(財務局)が管理することになります。
 
(Q19)
 所有権が移転した後、固定資産税はいつまで承認申請者が負担することになりますか。
(A19)
 固定資産税の納税義務者は、1月1日時点の固定資産(土地、家屋及び償却資産)の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方となります。
 国が土地を引き取った後に、国において所有権の移転の登記を実施しますので、翌年の1月1日までに登記の手続が完了している場合には、固定資産課税台帳に所有者として登録されるのは国となります。そのため、それ以降の固定資産税を負担することはありません。
 なお、12月に承認された場合、国の所有権の移転の登記が1月になる場合がありますのでご注意ください。その場合は、承認がされ、負担金を納付したとしても、翌年の固定資産税は承認申請者が支払うことになります。
(Q20)
 申請土地が国庫へ帰属した場合、国庫に帰属する土地の範囲は、承認申請者が示した土地の範囲となるのですか。
(A20)
 申請土地が国庫に帰属した場合、承認申請者が示した土地の範囲を国が管理することになりますが、国庫に帰属する土地の範囲は、帰属した地番で特定される一筆の土地の範囲となります。
(Q21)
 承認通知と共に示された負担金額が想定よりも高額だったため、申請土地を国庫に帰属させることをやめたいのですが、承認決定がされているので負担金は必ず納付しなければならないですか。
(A21)
 未納付のまま通知到達の翌日から30日が経過すると、承認決定は失効します。納付が強制されるわけではありませんので、承認後に負担金を支払わないという選択も可能です。
 なお、承認決定が失効した場合でも、審査手数料は返還されませんのでご注意ください。
(Q22)
 負担金を(承認申請者や相続人の間で)分割して支払うことはできますか。
(A22)
 負担金を国に対して分割納付することはできません。共有者間で調整をしていただき、共有者のうち1名が負担金を代表してとりまとめるなど、一括納付が必要となります。
(Q23)
 国庫への帰属が承認された後に、承認が取り消される場合はあるのですか。
(A23)
 偽りその他不正の手段により承認を受けたことが判明したときは、承認が取り消され、損害賠償責任を負う可能性があります。
 

 

10 審査請求・情報公開関連

 
(Q1)
 法務局の却下、不承認の判断に異議を申し立てることはできますか。
(A1)
 可能です。
(Q2)
 負担金の算定に異議を申し立てることはできますか。
(A2)
 可能です。
(Q3)
 審査請求はどこに請求すればよいですか。
(A3)
 請求先は法務省民事局となります。
 なお、承認申請先の法務局・地方法務局に対して行った場合は、審査請求書は当該法務局・地方法務局から法務省民事局に転送されます。
(Q4)
 審査請求に期限はありますか。
(A4)
 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内となります。
(Q5)
 行政文書開示請求、保有個人情報開示請求はできますか。
(A5)
 可能です。
(Q6)
 行政文書開示請求、保有個人情報開示請求はどこに請求すればよいですか。
(A6)
 請求先は開示請求を希望する文書を保有する法務局・地方法務局又は法務省民事局となります。