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検察官適格審査会

検察官適格審査会って,どのようなことをしているの?

検察官は,犯罪の捜査をし,起訴・不起訴を決定し,公判に立ち会って裁判所に法の正当な適用を求めるなどの役割を担っています。

検察官適格審査会は,そのような重要な役割を担っている検察官が,検察官としての職務を遂行するのに適しない(不適格である)かどうかを審査する機関です。

検察官には,懲戒処分による場合などのほか,その意思に反して罷免されないという裁判官に準じた強い身分保障が認められていますが,心身の故障や職務上の非能率のため,検察官としての職務を遂行するのに適しない(不適格である)ときには,検察官適格審査会による審査を経て,罷免されることがあります。

なお,よく似た名前の機関に検察審査会がありますが,こちらは,一般の国民の方に参加していただき,検察官の不起訴処分が適切であるかどうかを審査する機関であり,各地方裁判所等に置かれています。

検察官適格審査会は,どのようなときに開かれるの?

検察官適格審査会は,

1 すべての検察官について3年ごとに定時審査を行う場合

2 法務大臣の請求により各検察官について随時審査を行う場合

3 審査会の職権で各検察官について随時審査を行う場合

に開かれます(検察庁法第23条第2項)。

毎年1回は,会議を開催することとしています。

どのような人が検察官適格審査会の委員をしているの?

検察官適格審査会は,国会議員(衆議院議員4人,参議院議員2人),最高裁判所判事,日本弁護士連合会会長,日本学士院会員及び司法制度に関する学識経験を有する者2人の計11人で構成されています。

検察官適格審査会に申し出ることはできるの?

できます。一般の方から特定の検察官について職務を遂行するのに適しないとして検察官適格審査会の審査に付すべき旨の申出がなされた場合,まず,審査会で随時審査を開始すべきかどうか審議し,その結果,審査すべきとされたときは,審査会の職権による随時審査が開かれることになります。

審議又は随時審査の結果については,申出をされた方に対して通知されることになっています。

検察官適格審査会に申し出るにはどうすればいいの?

検察官適格審査会に申出をする際は,電話では申出の内容が正確に伝わらないことがありますので,基本的には,次の事項を記載した書面又はEメールにより,審査会に申し出てください。書式は特に決まっていません。

1 申出をされる方の住所,氏名及び連絡先

2 適格でないと考える検察官の所属,氏名

3 検察官として適格でないと思われる具体的な事由

申出の対象とされる検察官の適格性を判断するためには,前記3の事実を具体的に特定できるような事実関係を記載していただく必要がありますので,申出の内容に応じて,申出をされた方に,申出内容について更に詳しくお聞きしたり,資料の提出をお願いすることがあります。

【郵送先】

〒100-8977  

東京都千代田区霞が関1ー1ー1

法務省大臣官房人事課検察官適格審査会庶務担当 宛

【メールアドレス】

kenteki@i.moj.go.jp

メールで申出をされる際は,以下の点について御留意ください。

・文字化けを防ぐため,機種依存文字は使用しないでください。

・セキュリティ対策上,添付ファイルは開封することができませんので,前記1~3の内容をメール本文に記載していただくか,郵送を御利用ください。

・メール本文中に他サイトへのリンク先を明示していただいても,セキュリティ対策上,閲覧致しかねますので,あからじめ御承知おきください。

なお,個々の検察官の不起訴処分が妥当ではないという申出については,前に述べたとおり,各地方裁判所等に置かれている検察審査会で審査する事柄ですので,検察官適格審査会で審査することはできません。

検察官適格審査会の活動はどうすればわかるの?

検察官適格審査会による会議は,事柄の性質上,非公開とされていますが,その開催結果については,法務省ホームページの省議・審議会等のメニュー内に掲載しています。

検察官適格審査会による審査の流れ

  検察官適格審査会による審査の流れ図解

公務の信頼を高めることに寄与した公務員に対して贈られる「人事院総裁賞」に奈良少年刑務所が選ばれました

「人事院総裁賞」とは,多年にわたる不断の努力や国民生活の向上への顕著な功績等により,公務の信頼を高めることに寄与したと認められる職員又は職域を顕彰するために設けられたもので,平成28年度は,個人部門で2件,職域部門で3件の合計5件が選ばれました。

今回,法務省から職域部門において,奈良少年刑務所が選ばれ,法務省の職員の努力が高く評価されたものと,関係者一同大変に喜んでいるところです。

授与式は,2月9日,東京都内の明治記念館において行われ,受賞者はその後,天皇皇后両陛下の御接見を賜るという栄誉に浴しました。

天皇皇后両陛下接見時の様子の写真

天皇皇后両陛下との御接見の様子

それでは,受賞部門を紹介します。

○ 奈良少年刑務所

奈良少年刑務所は,明治政府による監獄制度の近代化の遺構とも言える貴重な煉瓦作りの建物で,現在地に明治41年に開設され,本年まで108年間,ほぼ建設当時の姿を残したまま,維持管理され,現在まで使用されてきました。

建物は大切に使用する一方,処遇については常に新しいものを取り入れてきました。

昭和21年,26歳未満の若い年齢層の受刑者を収容する「奈良少年刑務所」と改称して以降,昭和29年にいち早く高等学校通信制課程の受講を開始し,同年,職業訓練施設の認可を受けて「若草理容師養成所」を開設するなどの取組を推進し,昭和39年には総合職業訓練施設として全国から訓練生を募集し,平成28年度現在でも14種目の職業訓練を実施してきました。

また,平成18年の監獄法改正以降は,新たに性犯罪再犯防止指導の西日本での基幹施設として他施設のモデルとなり,職員の専門性を高め,認知行動療法に基づくプログラムの効果的実施を推進してきたほか,他施設における指導者の育成や助言にも当たってきました。

こうしたノウハウには,矯正施設のみならず,奈良県内の一般の教育機関や福祉施設などからも高い関心が寄せられ,講演会の開催や施設見学の依頼を受けて,可能な限りの協力を行ってきました。

平成29年4月1日をもって当所が廃庁することについては,こうした処遇を行ってきた職員の分散を惜しむ声も寄せられており,この歴史ある建物と当所の職員の矯正処遇に向けた熱意と専門性の高さには,「日本最古の刑務所である建物で最新の矯正処遇を行っている」という自負と想いが込められていたと言えます。

今後,廃庁に伴い,職員は各地の矯正施設に異動しますが,これらのノウハウや熱意がそれぞれ施設に引き継がれ,さらに発展していくことでしょう。

今回の受賞について,宮地所長からは「この度の受賞は,諸先輩方及び職員並びに篤志面接委員,教誨師及び民間協力者の皆様の今日までの御尽力によるものであり,敬意を表するとともに感謝申し上げます。また,ここで培われた各種処遇の数々は,これからも各施設で生き,さらに発展していくことと思います。今後も矯正教育に御理解と御協力をお願いいたします。」とのコメントが寄せられました。

授与式の様子の写真

授与式の様子

庁舎正面の写真

庁舎正面