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「令和3年版犯罪白書」について

画像:令和3年版犯罪白書の表紙

犯罪白書とは?

犯罪白書は、犯罪の動向や犯罪者の処遇の状況について、統計資料等に基づいて説明しているものです。

昭和35年から毎年法務省法務総合研究所により発刊されており、犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割を担っています。

令和3年のトピックは?

令和3年版犯罪白書では、詐欺について特集を組んでいるほか、令和3年3月に開催された、第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)に関して、コングレスの歴史や意義に触れ、京都コングレスの概要や成果についても紹介しています。

ロゴ:京都コングレスロゴマーク

犯罪の動向は?

刑法犯の認知件数(警察が犯罪の発生を把握した件数)は、平成14年に戦後最多の約285万4,100件を記録しましたが、その後は18年連続で減少し、令和2年は約61万4,200件と、戦後最少を更新しました。

平成15年からの認知件数の減少は、刑法犯の7割近くを占める窃盗の件数が大幅に減少し続けたことに伴っています。

画像:1図

令和2年に刑法犯で検挙された者の人員は、戦後最少の約18万2,600人でしたが、そのうち、65歳以上の高齢者が22.8%を占めており、高齢化が進んでいます。

画像:2図

再犯の現状は?

平成28年に刑事施設を出所した者のうち4割近くの者が、出所後の犯罪により、出所後5年以内に刑事施設に再入所しており、そのうち約半数が2年以内に刑事施設に再入所しています。

また、満期釈放者は、仮釈放者と比べて、再入率(各年の出所受刑者人員のうち刑事施設に再入所した者の人員の比率)が高いことが分かります。

画像:3図

今回の特集は?

今回の犯罪白書では、「詐欺事犯者の実態と処遇」を特集し、詐欺事犯全般、とりわけ特殊詐欺に焦点を当て、関連する法令、詐欺事犯の動向や刑事司法の各段階における詐欺事犯者の処遇の現状、詐欺事犯者の再犯の状況、詐欺被害者等を概観・分析しています。

詐欺の認知件数は、平成17年の約8万5,600件をピークとして、一旦は減少したものの、24年から増加傾向に転じ、30年から再び減少し続け、令和2年は約3万500件でした。

画像:4図

特殊詐欺の認知件数は、統計の存在する平成16年以降を見ると、16年には約2万5,700件でしたが、21年に大きく減少した後、23年以降は増加に転じました。30年からは再び減少し続け、令和2年は約1万3,600件でした。

画像:5図

そのほか、法務総合研究所が実施した詐欺事犯者に関する特別調査の内容及び明らかになった事項について紹介しています。

特殊詐欺撲滅のためには、官民を挙げた対策を講じ続けていく必要があります。それとともに、特殊詐欺対策を進める上では、特殊詐欺事犯者の特性を把握することが有益であり、今回の特別調査により、特殊詐欺事犯者の実態の一端を明らかにできたことは有意義であるといえます。法務総合研究所においては、今後も、特殊詐欺を含む犯罪・非行に関する意識等についての調査を行い、犯罪・非行をした者に対する有効な支援・指導を検討するための基礎資料を提供していきます。

もっと犯罪白書の内容を知りたい場合は?

法務省のホームページで閲覧できるほか、官報販売所等で購入できます。