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法制度整備支援の現場から

インドネシア長期派遣専門家 及川 裕美

 

本年(令和5年)は、日本とインドネシアの国交樹立65周年、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN。以下「ASEAN」という。)友好協力50周年であると共にインドネシアがASEANの議長国を務める年であり、皆さんがインドネシアやASEANに関する報道に触れる機会が増えるのではないかと思っています。

私は10年以上日本で検察官として勤務していましたが、令和4年3月からインドネシアの首都ジャカルタにJICA長期派遣専門家として派遣され、インドネシアの法務人権省の方々と一緒に、法案の起草・審査を担当する「ドラフター」という国家専門職の能力向上を図るための法整備支援活動を行っています。この活動の目的の一つは、インドネシアで問題となっている法令の不整合等を少しでも解消し、現地企業、日系企業等がインドネシアでビジネスを行いやすい環境を整備することにあります。現在の具体的な活動としては、インドネシアの法令の問題点等を詳細に把握するためのインドネシアの大学、官公庁等での調査活動や、ドラフター等を対象とする現地セミナー、オンラインセミナー等を行っています。オンラインセミナーはインドネシア全土のドラフター等を対象とするものであって、参加者は700人を超えるなど大変大きな活動となっており、昨年(令和4年)には、インドネシアの法務人権大臣から、JICAの法整備支援活動がドラフターの能力向上に貢献したということで直々に表彰されました。

現地の皆さんの生活や考え方に触れることが法整備支援活動にも役立つと思い、インドネシア語を勉強し、積極的に現地の方々とコミュニケーションを図るように心がけており、余暇もインドネシアの音楽やインドネシアの文化を楽しんでいます。少しでもより良い支援ができるよう、引き続き邁進していきたいと思っています。

ジョグジャカルタ特別州での現地セミナーの様子(令和4年10月)

ジョグジャカルタ特別州での現地セミナーの様子(令和4年10月)

法務人権大臣表彰の様子(令和4年8月)

法務人権大臣表彰の様子(令和4年8月)