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シンポジウム「法整備支援へのいざない」を開催しました

法務総合研究所国際協力部(ICD)は、令和6年5月25日に(公財)国際民商事法センター(ICCLC)、慶應義塾大学大学院法務研究科・グローバル法研究所(KEIGLAD)、名古屋大学大学院法学研究科・法政国際教育協力研究センター(CALE)との共催により、「法整備支援へのいざない」を開催しました。

このシンポジウムは、大学生や法科大学院生、若手の法律家などを対象に、法制度整備支援活動の内容を紹介するとともに、法制度整備支援に携わるためのキャリアパスの参考となることを目指して毎年開催しています。

シンポジウムの概要

まずは、導入講義として、ICDの教官から法制度整備支援やICDについて説明しました。

続いて、パネルディスカッション①「長期派遣専門家の仕事」と題して、JICA本部職員、JICA長期派遣専門家(裁判官出身、法務省民事局出身1名ずつ)をパネリストとして、JICAの取組、長期派遣専門家のこれまでのキャリア、関わった法制度整備支援活動の概要、どうすれば法制度整備支援に携わることができるのか、仕事のやりがい、それぞれの国において活動をする上で困難だったことや心掛けていること、求められる能力・資質など、多彩な内容について活発な議論が行われました。

また、パネルディスカッション②「法整備を支援するとは~ネパールの活動~」では、現地の民法整備などにも深く関与された大学教授、JICAネパール事務所長、現地への長期派遣専門家の経験を持つ弁護士であるICD調査員、ICD教官という多彩なパネリストで、ネパールの法制度整備支援の経緯、ICDとJICAの活動紹介、それぞれの立場から感じる法制度整備支援の魅力や難しさ、必要なスキルについて活発な議論がなされました。

さらに、シンポジウム終了後には、ICD教官と希望者との座談会が行われました。

パネルディスカッション①の様子

【パネルディスカッション①の様子】 (上段:左からJICAベトナム長期派遣専門家の大西さん(法務省民事局出身)、JICAインドネシア長期派遣専門家の國井さん(裁判官出身) 下段:左からモデレーターであるICDの建元部長、JICA本部の西木さん)

パネルディスカッション②の様子

【パネルディスカッション②の様子】 (上段:左からJICAネパール事務所長の大久保さん、ICDの原教官 下段:左からモデレーターであるICDの野瀬副部長、慶應義塾大学大学院法務研究科の松尾教授、ICDの磯井調査員(元JICAネパール長期派遣専門家・弁護士))

参加者からの感想

参加者からは、「すごく有意義なセミナーだと思います。短時間で法制度整備支援の全体的な知識を学べることのみならず、実際に支援を行っている長期専門家の経験とネパールの実際例などをお聞きでき、大変勉強になりました。」などの感想をいただきました。

終わりに

本シンポジウムの詳細な内容は、ICDが発刊している「ICD NEWS」(https://www.moj.go.jp/content/001422784.pdf)に掲載されておりますので、ぜひ御覧ください。

また、「法整備支援へのいざない」は、来年も開催予定ですので、法律分野の国際協力に興味がある方々の御参加をお待ちしています。