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未来の国際協力人材求む!

1. インターンシップについて

法務総合研究所国際協力部(ICD)は,独立行政法人国際協力機構(JICA)等関係機関と協力しながら,アジア諸国に対して,法令の起草支援や司法関係者の人材育成支援等の法制度整備支援を行っています。

ICDでは,このような法制度整備支援に携わるICDの業務を知ってもらうことを目的とし,インターンシップを受け入れています。令和3年は,8月30日から9月10日にかけて,大学院生向けのインターンシップと大学生向けのインターンシップを各5日間ずつ実施しました。

令和3年は,新型コロナウイルス感染症の影響により,全てオンラインでの実施となり,学生の皆さんに直接お会いしてICDの活動を見てもらうことができなかったことは残念でしたが,オンラインの強みを活かし,インドネシア,ラオス,カンボジアでのセミナー等の活動をオンラインで傍聴してもらい,短期間で複数の国との活動に参加してもらうことができました。

このほかに,学生の皆さんには,様々な講義を通じて法制度整備支援の基本を学んでもらった上,ICD教官の業務を体験してもらうために,ある架空の国における裁判官の能力向上を目的とした法制度整備支援プロジェクトの立案を体験してもらいました。

この架空の国のプロジェクト立案は,その国の法曹養成や裁判の現状などに関する資料などに基づいて,どこに問題や課題があるのか,また,それをどのような手段で解決するのかについて,プロジェクト立案手法を用いて,自分なりの視点を持って分析してもらうことが狙いでした。

学生の皆さんには,最終日にその検討結果を一人ずつ発表してもらったのですが,皆さんのプロジェクト案にはそれぞれ個性があり,素晴らしいものでした。

裁判官の能力を向上させるために,裁判官を養成する教育機関の教育改善をプロジェクトの中心にする案や,大学の法学教育に根本的な問題があると考え,その改善をプロジェクトの中心とする案など,様々な案が出されました。プロジェクトの内容に関しては,それぞれに独自の視点を持って論理的によく検討されていましたし,パワーポイントなどを駆使して分かりやすく発表した学生が多く,そのプレゼンテーション能力の高さにも驚かされました。

インターンシップ終了後,学生の皆さんからは,「法整備支援についてより深く知ることができ,魅力を感じた。」,「国際協力の業務のイメージが明確になり,勉強するモチベーションが上がった。」などの感想が寄せられました。

今回参加してくれた皆さんのような,熱意ある優秀な若者たちが,将来の法制度整備支援を担ってくれることを心から願っています。

学生の発表の様子①

学生の発表の様子①

学生の発表の様子②

学生の発表の様子②

2. 国際協力人材育成研修について

ICDでは,インターンシップのほかに,法制度整備支援業務に将来携わる人材を育成するために,法務・検察職員を対象に,平成21年から毎年1回,「国際協力人材育成研修」を実施しています。

平成21年から令和2年までの同研修参加者合計71名のうち13名がICD教官となっています。

新型コロナウイルス感染症の影響により,令和3年はオンラインで研修を実施しましたが,令和4年以降においては,同感染症の感染状況を見極めた上で,国内での集合研修に加え,海外での研修も実施する予定です。