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国際知財司法シンポジウム2021を開催しました!

国際知財司法シンポジウム2021について

国際知財司法シンポジウム(Judicial Symposium on Intellectual Property:通称JSIP(ジェーシップ))とは,法務省,最高裁判所,知的財産高等裁判所,特許庁,日本弁護士連合会,弁護士知財ネットが平成29年から共同で開催しているもので,国際的な知財紛争の司法判断や近時の知財トピックについて,各国の法曹関係者や政府関係者が模擬裁判やディスカッションを行うものです。本シンポジウムは,海外諸国の制度に関する最新事情を提供する画期的なイベントとして,過去4回の開催で大きな反響を得てきました。

法務省においても,これまでのシンポジウムにおいて,知的財産関係紛争に関する各国の法制度や課題に対する理解・共通認識の醸成を通じ,ASEAN地域を含むアジア地域全体の知的財産関係紛争処理能力の向上を図るとともに,同地域に進出する我が国企業への情報提供を目的として,同地域の裁判官等の法曹実務家を本シンポジウムに招き,充実したプログラムを提供してきました。

5回目の開催となる今回のシンポジウムは,「アジアにおける知的財産紛争解決」を全体テーマとして,令和3年10月20日(水)から同月22日(金)にかけて,ウェブ会議形式にて開催され,そのうち,法務省によるプログラムは10月21日(木)に実施されました。

法務省によるプログラムについて

法務省によるプログラムでは,①商標権侵害に関する民事訴訟と,②模倣品に対する行政上のエンフォースメントの2つのセッションを実施しました。

①商標権侵害に関する民事訴訟

ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナムの裁判官をパネリストとして招き,パネルディスカッションを行いました。

まず,國分隆文判事(東京地方裁判所)から,日本における商標権侵害に関する民事訴訟をテーマとした基調講演をいただきました。その後,矢部耕三弁護士(ユアサハラ法律特許事務所)の司会進行の下,板井典子弁護士(青木・関根・田中法律事務所),辻淳子弁護士(辻法律特許事務所),岩井久美子弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業)の3名のコメンテーターと各国のパネリストを交えて,事前に各国のパネリストから提出された仮想事例の回答に対する解説や,質疑応答・意見交換などが行われました。

記念撮影(「商標権侵害に関する民事訴訟」の登壇者)

記念撮影(「商標権侵害に関する民事訴訟」の登壇者)

②模倣品に対する行政上のエンフォースメント

カンボジア,インドネシア,日本,ラオス,マレーシア,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナムの行政機関職員をパネリストとして招き,パネルディスカッションを行いました。

まず,各国のパネリストから,各国における模倣品対策をテーマとしたプレゼンテーション発表をいただきました。その後,黒木宏太教官(法務省法務総合研究所国際協力部)の司会進行の下,黒瀬雅志弁理士(黒瀬IPマネジメント)や各国のパネリストを交え,質疑応答・意見交換などが行われました。

記念撮影(「模倣品に対する行政上のエンフォースメント」の登壇者)

記念撮影(「模倣品に対する行政上のエンフォースメント」の登壇者)

 

法務省によるプログラムには,2つのセッションを通じてのべ約1,100人にご視聴いただきました。

 

登壇者の詳細や当日使用した資料については,下記にて公開していますので,ご覧ください。
https://www.moj.go.jp/kokusai/kokusai08_00025.html

 

また,シンポジウムの様子は,下記YouTubeにて配信されていますので,ご視聴ください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL9N2_rqy5dm_x-qHzFsjujzZ5trpmYDW2