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総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第3次答申」に関する在留資格認定

「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」及び「企業内転勤」の各在留資格とその関係について解釈上疑義が寄せられることがあった点について下記のとおり御説明します。

 

 在留資格「経営・管理」について

 

(1

)出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の「経営・管理」の項の下欄に掲げる「経営・管理」の在留資格をもって在留する者が本邦において行うことができる活動は,「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないとされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)」です。

(2

)「経営・管理」の在留資格に該当するためには,外国人が事業の経営や管理に実質的に参画し,又は従事するものでなければなりません。

(3

)また,出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(以下「基準省令」といいます。)において,申請に係る事業の規模について,(ア)その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する2人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること,(イ)資本金の額又は出資の総額が500万円以上であること,(ウ)(ア)又は(イ)に準ずる規模であると認められるものであることとする基準が規定されています。

(4

)(ア)又は(イ)に準ずる規模とは,例えば,常勤職員が1人しか従事していないような場合に,もう1人を従事させるのに要する費用を投下して営まれているような事業の規模,外国人が個人事業の形態で事業を開始しようとする場合に,500万円以上を投資して営まれるような事業の規模等が考えられます。

(5

)500万円以上の投資とは,当該事業を営むのに必要なものとして投下されている総額であり,例えば,土地や建物あるいはその賃借料,さらには事務機器代等も含まれます。また,一般には,会社の事業資金であっても会社の借金はただちには投資された金額とはなり得ませんが,その外国人が当該借入金について個人保証をしている等の特別の事情があれば本人の投資額と見る余地もあります。

(6

)500万円以上の投資額は,毎年500万円の投資を行うことが必要であるものではなく,一度投資された500万円以上の投資がその後も回収されることなく維持されていれば差し支えありません。

(7

)企業の経営活動や管理活動は,自然科学や人文科学の知識等を要する業務に従事する活動であることもあり,このような場合には括弧書きを除いた「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる活動と一部重複することともなりますが,このような場合は「経営・管理」が決定されます。なお,業務内容に企業の経営活動や管理活動が含まれている場合であっても,当該業務全体をみると「経営・管理」の在留資格の活動に該当しないとき(基準に適合するか否かは別問題)には,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当し,同在留資格により入国・在留が認められることもあります。

(8

)ある企業の職員として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留していた外国人が,昇進等により当該企業の経営者や管理者となったときは,直ちに「経営・管理」の在留資格に変更するまでの必要はないよう運用していますが,新たに経営者又は管理者としての職に就任(再任を含む。)するときは,原則として「経営・管理」の在留資格に変更することが必要となります。


 在留資格「企業内転勤」について

(1

)出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の企業内転勤の項の下欄に掲げる「企業内転勤」の在留資格をもって在留する者が本邦において行うことができる活動は,「本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動」と定められています。 したがって,「企業内転勤」の在留資格で行う活動が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で行う活動と相違している点は,本邦における活動が一定の転勤期間を定めた活動であること,転勤した特定の事業所においてしか行うことができないことであり,それ以外の点では,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格にも該当する活動であるということができます。

(2

)基準省令は「企業内転勤」の在留資格について「申請に係る転勤の直前に外国にある本店,支店その他の事業所において一年以上継続して法別表第一の二の表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる業務に従事していること。」とする基準を定めていますが,仮に当該外国人が1年以上継続してこのような勤務をしていなかった場合(すなわち「企業内転勤」の在留資格に係る基準に適合しない場合)で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の上陸許可基準に適合する場合には,例えば転勤期間を一定期間に制限しなければ,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって入国することが可能となります。 なお,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる活動は「本邦の公私の機関との契約」に基づいて行うことが要件として定められていますが,この契約は雇用契約に限られず,委任,委託,嘱託等の契約も含まれます。ただし,在留活動が継続して行われることが見込まれることが必要ですので,これらの契約は,特定の機関(複数でもかまいません。)との継続的なものでなければなりません。

(3

)ところで,このように1年以上継続して上記のような勤務をしていなかった外国人が,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国する場合,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動の要件として,既に述べたように「本邦の公私の機関との契約」に基づいて活動を行うことが求められています。しかし,本邦の公私の機関との契約に基づいて活動を行うことが必要であるのは「企業内転勤」の場合も同様です。当該外国人は転勤する前に外国企業に採用された時点で当該企業との間で雇用契約等を既に結んでいますので,当該雇用契約をもって,「本邦の公私の機関との契約」があることから同一の法人の外国の事業所から本邦の事業所への転勤の場合には新たな契約が不要なだけです。この点は,「企業内転勤」の在留資格に特有のことではありませんので,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国する場合も同一法人の外国の事業所から本邦の事業所への転勤の場合は,本邦にある外国法人の本店,支店等との関係で新たに雇用契約を締結する必要はありません。

 


 在留資格認定証明書交付申請に係る審査の迅速化・簡素化について

(1

)本邦の公私の機関に雇用されてその業務に従事する活動を行うことを内容とする申請案件のうち,その機関の業務に従事することを目的とする外国人からの申請が,過去3年間にわたり不交付・不許可となったことがない機関又は東京証券取引所上場企業若しくはこれと同程度の規模を有する機関との契約に基づいて活動を行うことを目的とする申請案件については,申請を受理した日から2週間以内を目標に処理することとしています。

(2

)また,雇用する機関に関する立証書類については,過去1年以内に提出がなされたものと同じもので,かつ,内容に変更のない場合には,特に必要と認める場合を除き,その提出を省略することとしています。

 
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