出入国在留管理庁
令和2年9月
我が国に在留する外国人が許可された在留資格とは別の在留資格に該当する活動を行おうとしたり、許可された期間を超えて引き続き在留しようとするときは、「出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)」に基づき、在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の申請を法務大臣に対して行い、法務大臣は変更又は更新を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限り、これを許可することができると規定されております。
この「相当の理由」があるか否かの判断については、申請した外国人の在留状況、在留の必要性、相当性等を総合的に勘案して判断しております。
このうち、その具体的な事例は以下のとおりです。
(事例1)
在留資格「経営・管理」の上陸許可を受けて入国し、以後4回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、入管法違反(不法就労助長罪)により罰金30万円に処せられた。
同人から、引き続き、飲食店を経営するとして在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、在留期間の更新が認められなかったもの。
(事例2)
在留資格「留学(1年3月)」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可を受け、以後3回在留期間更新許可を受けて在留していたところ、児童売春、児童ポルノに係る行為等の規制および処罰並びに児童の保護等に関する法律違反により罰金50万円に処せられた。
同人から、引き続き、プログラム作成業務に従事するとして在留期間更新許可申請がなされたが、在留状況に問題があるとして、在留期間の更新が認められなかったもの。
(事例3)
日本語教教育機関に入学するとして、在留資格「留学(1年3月)」の上陸許可を受けて入国し、その後、専門学校に進学するとして在留期間更新許可を受け、同校を卒業後、同校の同一の課程で再度勉強したいとして在留期間更新許可申請があったもの。
同人の在学状況及び在留状況に特段問題は認められなかったが、同一校の同一課程で再度教育を受ける活動を行うことに合理的理由は認められず、在留期間の更新が認められなかったもの。
(事例4)
日系3世として、在留資格「定住者(3年)」の上陸許可を受けて入国し、以後1回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、詐欺及び窃盗の罪により、懲役2年・執行猶予4年の刑が確定したもの。
同人から、上記執行猶予期間中に、引き続き日系3世として在留したいとして、在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、在留期間の更新が認められなかったもの。
(事例5)
日系3世の配偶者として、在留資格「定住者(1年)」の上陸許可を受けて日系3世である夫とともに入国し、以後2回の更新許可を受けて在留していたところ、引き続き日系3世の配偶者として在留したいとして在留期間更新許可申請がなされた。
上記更新申請の際に提出された源泉徴収票上の住所地が入管法に基づき届け出られた住居地と相違していたことから、調査した結果、同人は、入国以来、源泉徴収票上の住所地に居住していたにもかかわらず、在留期間更新許可申請の際には、日系3世である夫の住居地を住居地として、虚偽申請をしていたことが判明したことから、在留期間の更新が認められなかったもの。
(事例6)
在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の上陸許可を受けて入国し、以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、大麻取締法違反、関税法違反により懲役10月執行猶予3年の刑に処せられたもの。
同人から、その後、日本人配偶者と離婚したが、引き続き本邦に在留し通訳、翻訳業務に従事することを希望して、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、在留資格の変更が認められなかったもの。
(事例7)
大学に入学するとして、在留資格「留学(1年)」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「家族滞在(2年)」への在留資格変更許可を受けて在留していたところ、同在留資格での在留中に、資格外活動許可を受けることなく風俗営業店にて長期間稼動を行っていたもの。
同人からは、再度大学へ入学したとして(入国時の大学とは別の大学)、在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ、在留状況に問題があるとして、在留資格の変更が認められなかったもの。
(事例8)
在留資格「短期滞在(90日)」の上陸許可を受けて入国し、その後、日本人女性と婚姻したことにより、在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ、日本人女性と協議離婚が成立したものである。
同人からは、協議離婚後、引き続き本邦に在留したいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、本邦在留歴は約1年3ヶ月であり、離婚に至る事情及び日本社会への定着性等の事情から、在留を認めるべき事情がないものとして、在留資格の変更が認められなかったもの。
(事例9)
寄港地上陸許可を受けて上陸後、許可期限を超えて本邦に残留し、在留特別許可により「留学」の在留資格を決定された後、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可を受け、同在留資格により在留していたところ、稼働先を退職したものである。
同人から、在留資格の該当性に限らず、より広範で安定した活動を行いたいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、変更を認めるべき事情がないものとして、在留資格の変更が認められなかったもの。