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第四次出入国管理政策懇談会第22回会合:議事概要

 

1 日 時  平成16年10月22日(金)午後2時~午後4時
2 場 所  法曹会館・高砂の間
3 出席者 (敬称略)
(1) 第四次出入国管理政策懇談会
   楠川絢一(座長)、須賀恭孝、高橋 進、多賀谷一照、寺尾美子、前田雅英、目黒依子、吉川精一
(2) 法務省入国管理局
   三浦入国管理局長、蒲原官房審議官、榊原総務課長、高宅入国在留課長、田村審判課長、西尾警備課長、三好登録管理官、沖参事官、上原入国管理企画官
 会議経過
 長期にわたり我が国に在留する外国人への対応と不法滞在者問題への対応について、それぞれ入国管理局から説明を行った後、意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。
(1) 長期にわたり我が国に在留する外国人への対応について
  ○  「定住者」は就労活動に制限がないが、専門的労働者の在留資格は活動が限定され、特定の仕事にしか就けない。企業活動の多様化の中で複合的な活動も認めていくべきではないか。
  ○  我が国への貢献があると認められることが永住許可の要件の一つとなっているが、地域社会への貢献も評価すべきである。
  ○  現行の永住許可要件については、特段問題があるとは思われず、緩和する必要性はあまりないのではないか。むしろ問題は、定住者や留学生・就学生など正規に在留する外国人による凶悪犯の検挙件数の伸びが顕著であることではないか。
  ○  永住許可のための在留歴については、過去の在留を通算できるようにすべきではないか。
  ○  日系人の受入れのような血統主義については、現代では閉鎖的といえる。
  ○  まず、現在顕在化している日系人をめぐる問題について対処することが重要である。
  ○  外国人の教育、住宅、言葉の問題など、入国管理局が対応すべき課題とは言えないような問題が多い。
(2) 不法滞在者問題への対応について
  ○  不法残留者の中には、日本の経済社会へ貢献している者も多く、そのような者を退去強制することは日本にとっても好ましくないので、善良な外国人であればアムネスティ又は在留特別許可の基準の明確化を通じて正規化し、引き続き日本に滞在することができるようにするべきである。
  ○  かつてのバブル期にも不法滞在者は存在したが、彼らがそれほど犯罪を引き起こさなかった背景には、十分に職が確保され、それなりの賃金水準が維持されていたという事情がある。低賃金・劣悪条件の下での労働は、外国人を犯罪に駆り立てやすくするため、現行の入管行政を維持しつつ、いかに外国人が働きやすい環境を作っていくかということが今後の課題である。
  ○  米国ではアムネスティが実施されているが、むしろ不法滞在問題等が深刻化したとの話を聞いたことがある。
  ○  不法滞在者全てが危険な存在ということではないが、不法残留者による犯罪の発生率は日本人よりかなり高いのは間違いなく、現行の方針は維持すべきであるが、あわせてどういう外国人に来てもらうかを考えるべきである。
  ○  アムネスティによる正規化は問題を大きくするだけである。
  ○  アムネスティの要件の設定次第では、問題を重くしない形で、不法残留者ではあるが、退去強制することが人道的に好ましくない外国人や、日本に貢献し得る外国人を退去強制させずに対処することが可能となるであろう。
  ○  不法滞在者イコール犯罪者という見方は単純に過ぎるが、他方、外国人の単純労働の自由化は、外国人犯罪の増加につながるおそれがある。
  ○  米国でのアムネスティは、政策転換時、すなわち、新方針に基づく受入れ要件で見た場合に当該新要件に該当する不法滞在者を合法化する,または、以後の取締りを強化する際に実施されているようである。
  ○  在留特別許可の事例公表は、むしろ不法滞在の長期化につながり、子供の未就学や未就学児童の犯罪への関与といった問題が懸念される。
  ○  外国人を雇用する側の日本人にも責任があることを自覚させるために、不法就労助長罪を更に厳しくするべきである。
  ○  トラフィッキング対策については、入管局が使命感を持って積極的に取り組んでほしい。

 

(文責 法務省入国管理局)

 

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