更生保護を支える人 何かあったときに頼ってもらえる存在でありたい
東京・日新協会
上原 憲太郎さん
更生保護施設とは 自立するまでの間、食事や宿泊を提供する
更生保護施設は、身寄りがなく帰る場所がない方に入所してもらい、食事や宿泊を提供する場所です。当施設では、大人の男性を中心とした30人ほどの方が、就労して自立するまでの間、生活しています。
施設長として気をつけていること 規則で縛り過ぎるのではなく、自分で考えてもらう
施設は集団生活なので、トラブルが起きることもあります。そのため、入所する人には他の入所者に迷惑を掛けないよう、最低限のマナーを守るよう伝えています。例えば、夜中に帰ってきて騒がしくされると、他の人たちは眠れませんよね。門限の22時を過ぎる時は、必ず電話するように指導し、その場合は、同じ部屋で生活している人に、「今日は○○さんの帰りが○時くらいになる」と事前に伝えるようにしています。人としてやってはいけないことや周りに迷惑をかけてしまうことについてはこちらで指導し、あとは規則で縛り過ぎるのではなく、社会人として自分で考えて行動してもらうように意識しています。
やりがいと取り組み 再出発に向けて頑張ろうとしている方を応援したい
積極的に町会の活動を行っています
身寄りがなく帰る場所がない方が、ここの施設に来て、「よし、がんばろう」と前向きな姿勢でいると、私も嬉しくなり、やりがいを感じます。もちろん、その後、うまくいくことばかりではありませんが、応援したくなるんです。仕事を見つけて自立して生活することができるようになれば、この施設を退所することになりますが、元入所者だった方が、元気にやっていることを施設まで報告に来てくれることもあります。
日新協会では、地域に開かれた施設であることを心がけています。施設で行う学習プログラムは一般の方も参加できます。また、私自身が地域の町会や小学校のPTAで役職を務め、地域の皆さんに知ってもらうことで、受け入れてもらえています。何かあった時に頼ってもらえるような社会資源でありたいという思いのもと、地域の皆さんの支えもあり、再出発する方の更生をお手伝いしています。