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永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)

第1 総論
 1 在留資格「永住者」の位置付け
 2 本ガイドラインの目的
 
第2 許可要件に関する考え方
 1 法律上の規定
 2 法第22条第2項に規定する要件
 3 素行が善良であること
 4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  (1)考え方
  (2)収入
  (3)年金
 5 その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
  (1)考え方
  (2)法に規定する義務の遵守
  (3)公租公課の支払
  (4)刑罰法令違反
  (5)上陸拒否事由への非該当、上陸許可基準への適合
  (6)長期間にわたり我が国社会の構成員として居住していること
  (7)公共の負担とならないこと
  (8)日本語能力
  (9)我が国の制度・ルール等への理解
  (10)学齢期の子の就学
  (11)その他のその者の永住が国益に合するかの判断に資する事情
 
第3 原則10年在留に関する特例
 
第4 我が国に貢献した者に対する特例
 
第5 原則10年在留に関する在留資格「特定活動」の取扱いについて
 
第6 適用時期・既存のガイドラインの整理

第1 総論

1 在留資格「永住者」の位置付け

 「永住者」の在留資格をもって在留する外国人が有する身分又は地位は、「法務大臣が永住を認める者」(出入国管理及び難民認定法(以下「法」といいます。)別表第二の永住者の項の下欄)であり、永住許可の申請があった場合には、法務大臣が、同法により認められた裁量権に基づき、その許否を判断することとなります。
 この判断は、当該外国人の日本語能力、在日経歴及び在留中の一切の行状だけではなく、出入国在留管理を取り巻く国際環境、日本人口の動向、産業界の人材需給の状況、外国人の受け入れが日本社会に与える影響、家族単位での在留の安定などのその他の事情を総合的に考慮した上で、当該外国人の永住が積極的に日本国の利益になるか否かを判断するもので、その性質上、その裁量権の範囲は極めて広範なものです。
 もとより在留許可は、我が国に在留を希望する外国人に、その権利に基づかずに一定の利益を付与する性格を有するところ、「永住者」の在留資格は、在留活動及び在留期間の制限のない最も安定した法的地位であって、この在留資格が付与された外国人は、その後の生涯を本邦に生活の本拠を置いて過ごすことが想定されていることから、永住許可の許否の判断をするに当たっては、特に慎重な審査を行う必要があります。
 また、在留中の活動の内容や在留期間に制限のない「永住者」の在留資格をもって在留できることは、我が国の発展に貢献することが期待できる外国人材を呼び込むためのインセンティブとして位置付けることができ、国際的な人材獲得競争における外国人材の獲得にも資するものと考えられます。

2 本ガイドラインの目的

 「永住者」の在留資格は、生涯を本邦に生活の本拠を置いて過ごすことが想定される最も安定した法的地位です。本ガイドラインにより、永住許可の審査に当たって考慮すべき事項についての基本的な考え方を示すことは、永住を希望する外国人や、当該外国人と関係する日本人にとって、永住許可の可否の予見可能性を高めるものであり、また、我が国による高度外国人材の獲得にも資するものと考えられます。
 なお、永住許可の許否の判断は、個々の事案における諸般の事情を総合的に考慮して行われるものであり、本ガイドラインは飽くまで審査に当たって考慮すべき要素についての基本的な考え方を記載したものです。

第2 許可要件に関する考え方

1 法律上の規定

 法第22条第2項は、永住許可の要件を次のとおり規定しています。
 「法務大臣は、その者が次の各号のいずれにも適合し、かつ、この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合にあつては次の各号のいずれにも適合することを要せず、国際連合難民高等弁務官事務所その他の国際機関が保護の必要性を認めた者で法務省令で定める要件に該当するものである場合にあつては第二号に適合することを要しない。
一 素行が善良であること。
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。」
 
 (注1)上記のうち「この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等」の文言は、令和9年4月1日に施行する令和6年の
   入管法等改正法により追加されたものですが、この文言は従前の本ガイドライン上の記載を法律上の要件として明確化した
   ものであって、同日以前の審査においても考慮されていたものです。

2 法第22条第2項に規定する要件

 法第22条第2項の趣旨は、法務大臣は、外国人が、「素行が善良であること」及び「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の要件を満たし、かつ、「その者の永住が日本国の利益に合する」と認めたときに限り、永住許可をすることができることとし、法務大臣の裁量に委ねられている許可要件を明確化しようとするところにあり、外国人が永住許可を受けるためには、

・素行が善良であること(素行善良要件)
・独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
・その者の永住が日本国の利益に合すること(国益要件)

の3つの要件を満たすことが必要となります。
 ただし、永住許可を受けようとする外国人が、「日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合」は、素行善良要件及び独立生計要件への適合が不要となり、「国際連合難民高等弁務官事務所その他の国際機関が保護の必要性を認めた者で法務省令で定める要件に該当するものである場合」又は難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けている者である場合(法第61条の2の14)は、独立生計要件への適合が不要となります。

3 素行が善良であること

 法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることをいいます。
 例えば、申請者が、日常生活又は社会生活において、違法行為や迷惑行為を繰り返し行っていたと認められるような場合には、この要件に適合しないと評価されます。

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

(1)考え方
 申請者のこれまでの在留状況、申請時点での収入、将来において見込まれる収入、申請者の有する資産及び技能等に照らし、本邦において、公共の負担となるおそれがなく、かつ、将来においても生計を維持して安定した生活を営むことができると見込まれることをいいます。
 具体的には、現在及び将来において自活可能と認められる必要があり、日本人と同等水準以上の経済条件が求められます。
 この要件は、原則として同一生計世帯単位で審査を行います。

(2)収入
 原則として、申請時点で、申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準(以下「年収水準」といいます。)の額に継続して達しているかを考慮要素とします。
 この年収水準における世帯とは、住居及び家計を共にしている人の集まりをいうので、申請者の属する世帯の世帯年収の額は、申請者の年収の額と、同一生計世帯を構成する者の年収の額を合算した額となり(単身世帯の場合は申請者の年収の額がそのまま世帯年収の額となります。)、この世帯年収の額が、世帯人数に応じた年収水準の額に達しているかが考慮要素となります。
 ただし、同一生計世帯を構成する者であっても、成人している者等、父母の扶養から外れている者の収入については、父母の収入を算入することなく、年収水準の額に継続して達しているかを考慮要素とします。
 また、申請者と同一世帯を構成する者が、申請者を扶養者とする「家族滞在」の在留資格をもって在留する者である場合など、就労を目的とした在留資格(以下「就労資格」といいます。)(注2)ではない在留資格をもって在留している者である場合には、その者は、資格外活動許可を受けて、例外的・限定的に収入を得ることができるに過ぎず、このような収入を世帯年収に算入することは適当ではないため、このような在留資格をもって在留する者の収入の額は、申請者の属する世帯の世帯年収の額に合算する対象とはなりません。
 そして、申請者が扶養する親族(外国に住む親族を含みます。)がいる場合には、当該親族が申請者と同居していない場合であっても、申請者の属する世帯人数に加算します。申請者の属する世帯人数が5人以上に及ぶ場合には、世帯人数に応じた年収水準の額に生活費等の増加額分を加算し、申請者の属する世帯の世帯年収の額が、当該加算後の年収水準の額に達しているかを考慮要素とします。

 (注2)本ガイドラインにおいて就労を目的とした在留資格とは、就労することを目的とする在留資格であって、家族の帯同が認め
  られないなど一定の制約がある「技能実習」、「育成就労」、「特定技能1号」、「企業内転勤」及び一部の「特定活動」(下記第5参
  照)を除いた在留資格をいう。

(3)年金
 申請時点の年齢、申請時点までを含む加入対象期間全ての年金の加入状況(従前の働き方(自営業、会社員等)、年金加入期間、その期間の平均年収等)及び申請時点の年収から推計される将来において受給可能な年金の見込額(以下「受給見込額」といいます。)が、上記第2の4(2)の日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合において将来受給可能な年金の見込額(以下「受給年金水準」といいます。)に達しているかを考慮要素とします。
 受給見込額が受給年金水準に達しない場合であっても、申請時点において、受給年金水準に不足する生活資金を補填可能な金融資産(以下「補填資産」といいます。)を有すると認められるときは、受給見込額が受給年金水準の額に達しているものと評価します。
 補填資産は、申請者が年金の受給開始年齢になった時点からの生活資金を補う性質のものであるところ、若年であるほど長期にわたって金融資産が形成可能であることを考慮して、補填資産額の基準は、申請時の年齢に応じたものとし、若年の申請者の場合は、年金の受給開始年齢に近い申請者の場合に比べ、補填資産額の基準は低いものとなります。
 受給年金水準及び補填資産額についても、原則として同一生計世帯単位で判断します。配偶者がいる場合には、申請者及び配偶者の受給見込額を合算し、これが、受給年金水準の額に、配偶者が申請者と同期間被扶養者として国民年金の第3号被保険者であった場合において受給可能な年金の見込額を加算した額に達しているかを考慮要素とし、補填資産額もこれに応じて加算します。

5 その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

(1)考え方
 上記第1の1で示したとおり、もとより永住許可の許否の判断は、法務大臣の広範な裁量権に基づくものであり、その者の永住が日本国の利益に合するかを考慮するための観点としては、出入国在留管理を取り巻く国際環境、日本人口の動向、産業界の人材需給の状況、外国人の受け入れが日本社会に与える影響、家族単位での在留の安定などの様々なものがあり得ます。
 また、これまでも、法や当庁策定の各種ガイドライン等において在留許否の判断の際に考慮されていた、我が国の経済・財政、産業、外交、地域社会、教育、医療、社会福祉、文化・芸術・スポーツ等の各分野の維持・発展への貢献・寄与の程度や、公衆衛生、治安、安全保障上への支障等の程度については、その者の永住が日本国の国益に合するかの判断においても考慮要素となり得ます。
 そして、国益要件にいう国益に合するものと認められるためには、単に国益に反しないという消極的なものにとどまらず、積極的かつ具体的に当該外国人の永住が日本国に利益をもたらす必要があります。

(2)法に規定する義務の遵守
 中長期在留者が遵守しなければならない住居地届出等の各種届出義務や在留カードの再交付等の取扱いに関する義務(法第19条の7から第19条の16まで)、在留カードの常時携帯義務・提示義務(法第23条)のほか、在留資格で認められた活動以外の活動をしない・させない義務(法第19条、第73条、第73条の2)など、法が定める我が国の出入国在留管理に必要とされている義務をいい、これらの義務が遵守されていない場合には消極評価をします。
 申請時点で現に義務違反の状態にある場合のみならず、過去の義務違反が判明した場合についても、原則として消極評価をします。

(3)公租公課の支払
 「公租」は、所得税、住民税、法人税、固定資産税等の租税全般をいい、「公課」は、租税以外の負担金(公的医療保険、公的年金等)をいい、これらを適切に支払っていない場合には消極評価をします。
 「公課」とは、広く公共の目的で義務的に徴収される性質のものをいいます。
 申請時点において公租公課の未納がなかったとしても、過去に滞納処分を受けたことがあるなど、過去において適切に支払っていない状況が認められる場合も、原則として消極評価をします。
 この考慮要素については、原則として同一生計世帯単位で審査を行います。

(4)刑罰法令違反
 過去に拘禁刑(懲役、禁錮を含む。)や罰金刑を受けた者、少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号若しくは第3号、第64条第1項第1号、第2号若しくは第3号)を受けている者は、原則として消極評価をします。

(5)上陸拒否事由への非該当、上陸許可基準への適合
 法第5条第1項各号に規定する上陸拒否事由に該当する外国人に対して永住を許可することは相当ではないため、上陸拒否事由に該当する者は消極評価をします。
 また、申請時点において現に有している在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等(注3)に適合していない場合も消極評価をします。

 (注3)「法務省令で定める上陸許可基準等」とは、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」で定める
  基準のほか、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める
  件」(特定活動告示)又は「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲
  げる地位を定める件」(定住者告示)に該当するとして在留を許可されている場合は、それらの告示で定める要件をいいます。
  (以下同じ)

(6)長期間にわたり我が国社会の構成員として居住していること
 申請時点において、原則として引き続き10年以上の期間本邦に在留しているかを考慮要素とし、
 ・この在留期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上の期間本邦に在留しているか
 ・申請時点において、現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留
  期間をもって本邦に在留しているか(注4)
についても考慮要素となります。
 また、これらの期間については、基本的に本邦に居住していることが求められることから、申請時点から過去10年以内において、合理的な理由なく、一回の出国で半年以上不在とした期間がある場合又は通算して2年6月以上不在とした場合は原則として消極評価をします。

 (注4)令和9年3月31日までに申請があった永住許可申請においては、在留期間「3年」を有する者であっても、上記第2の5
   (6)の「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととします。
    また、令和9年4月1日以降に申請があった永住許可申請においては、令和9年3月31日の時点において在留期間「3年」
   を有しており、その永住許可申請が令和9年4月1日以降に行った初回の永住許可申請で、かつ、令和9年4月1日から当該
   「3年」の在留期限までの間にその永住許可申請に係る処分を受ける場合に限り、在留期間「3年」を有する者であっても、上
   記2の5(6)の「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱います。

(7)公共の負担とならないこと
 ア 国益要件に適合するかの判断に当たっては、申請者の経済的状況等も重要な考慮要素となります。
 イ 法第22条第2項ただし書き又は第61条の2の14の適用を受けない者
  これらの者は、独立生計要件に適合している必要がありますが、同要件に適合していると認められる場合には、本要素も積極評価
  をします。
 ウ 法第22条第2項ただし書き又は第61条の2の14の適用を受ける者
  これらの者は独立生計要件に適合していることは求められませんが、現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的で
  ある場合にも、一律に永住許可をすることは、国益に合致するとは言い難いことから、申請者の属する世帯が、現に公共の負担と
  なっている場合や、そのおそれが現実的である状況にあり、そのような場合・状況に至ったことに特段の事情が認められない場合
  には、消極評価をすることがあります。
 エ 本要素については、家族単位での在留の安定や、人道的な配慮の観点を重視して総合的に判断します。

(8)日本語能力
 永住許可を受け、今後長年にわたり本邦に生活の本拠を置いて、地域社会に円滑に適応し、社会生活を支障なく過ごすためには、一定水準の日本語能力が求められることから、申請時点において、一定水準の日本語能力を有していることを考慮要素とします。
 具体的には、「日本語教育の参照枠」(令和3年10月12日文化審議会国語分科会報告)における日本語能力の熟達度のうち、B1相当レベル以上の日本語能力を有しているかを考慮要素とします。ただし、申請者が下記第3の6から8における高度人材外国人である場合や当該高度人材外国人の家族、学校教育法が規定する初等教育又は中等教育を累計6年以上受けた場合、永住者の子(その子を養育する親がB1相当レベル以上の日本語能力を有しており、かつ、子が本邦で出生した場合に限ります。)など、その者の永住許可申請においては、必ずしも申請者本人にB1相当レベル以上の日本語能力を求める必要性・相当性があるとはいえない場合には、これを考慮要素としません。

(9)我が国の制度・ルール等への理解
 地域社会に円滑に適応せず、問題を引き起こすおそれがある外国人に対して永住許可をすることは相当ではないため、申請者が、我が国の制度・ルール等についての理解が乏しい者や、これらを理解する意欲に欠ける者である場合には、消極評価をします。
 具体的には、出入国在留管理庁長官が指定する方法により、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、我が国の制度・ルール等を理解しているかの確認を行い、その理解が一定水準以上に達しているかを考慮要素とします。

(10)学齢期の子の就学
 外国人の子供が、我が国の地域社会に円滑に適応し、社会生活を支障なく過ごすためには、その子に対して我が国の教育を受けさせることが必要であると考えられることから、申請者が学齢期(義務教育の期間をいいます。)にある子を養育する親である場合には、子が小学校又は中学校に通学していること、申請者が学齢期にある者である場合には、申請者が小学校又は中学校に通学していることが求められ、これらを満たすかを考慮要素とします。

(11)その他のその者の永住が国益に合するかの判断に資する事情
 その者の永住が国益に合すると認められるかどうかの判断に資する事情が他にあれば、その事情を考慮します。
 上記第2の5(1)で示したとおり、永住の許否の判断は、法務大臣の広範な裁量権に基づくものであり、国益に合するかについては、様々な観点からの判断があり得ます。
 令和8年1月23日には、外国人との秩序ある共生社会の実現に向け、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」が決定・公表されました。
 そこでは、基本的な考え方として、「我が国の法やルールの中で、国民と外国人の双方が互いに尊重し、安全・安心に生活し、共に繁栄する社会の実現を目指」すとされ、また、「外国人の受入れ環境整備に向けた取組も実施していく必要がある」とされています。
 そして、外国人の受入れ・秩序ある共生のために必要な施策として、特定在留カード等の普及促進に向けた積極的な施策、外国人による日本語や我が国の制度・ルール等の学習環境整備等が掲げられていることから、これらの総合的対応策記載の各施策への貢献・寄与についても、その者の永住が日本国の利益に合するかどうかを判断する考慮要素となります。

第3 原則10年在留に関する特例

1 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上本邦に在留していること。
 その実子等の場合は3年以上本邦に継続して在留していること

2 「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

3 難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること

4 構造改革特別区域(以下「特区」といいます。)内において当該特区の特定事業等に従事し、当該事業において我が国への貢献が認められる者の場合、
 3年以上継続して本邦に在留していること

5 地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第15項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、
 出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は
 第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること

6 出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」といいます。) に規定するポイント計算を
 行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
  (1)「高度人材外国人」(注6)として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。
  (2)永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を 
     有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。

7 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
  (1)「高度人材外国人」として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。
  (2)永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を
         有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。

8 特別高度人材の基準を定める省令(以下「特別高度人材省令」といいます。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの
  (1)「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。
  (2)1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基
     準に該当することが認められること。

9 外交・国際交流、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者(下記第4に規定する者)で、5年以上本邦に在留していること

(注5)これらの特例は、在留特別許可又は上陸特別許可を受けた者(上陸拒否事由該当者に限る。)には適用せず、在留特別許可又
  は上陸特別許可を受けた後、原則どおり引き続き10年以上本邦に在留していることが求められます。

(注6)「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し、上記7(1) 
  の「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し、上記8(1)
  の「特別高度人材」とは、特別高度人材省令に規定する基準に該当すると認められて在留している者が該当します。

第4 我が国に貢献した者に対する特例

 上記第3の9における「我が国への貢献があると認められる者」とは、次のいずれかに該当する者をいい、「貢献がある」と認められた場合、原則10年在留に関する特例を適用するほか、上記第2の5「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」の要件に適合するかの総合評価に際して積極的に考慮します。

○ 日本政府から表彰等を受けた者
 例:国民栄誉賞、勲章、文化勲章又は褒章(紺綬褒章及び遺族追賞を除く)
○ 日本政府又は地方自治体から委員等として任命、委嘱等されて公共の利益を目的とする活動をおおむね5年以上行った者であっ
 て、その活動により公共の利益への貢献のあった者
○ 国際機関若しくは外国政府又はこれらに準ずる機関から、国際社会において権威あるものとして評価されている賞を受けた者
 例:ノーベル賞、フィールズ賞、プリッカー賞
○ 外交使節団又は領事機関の構成員として我が国で勤務し、日本とその者の派遣国との友好又は文化交流の増進に功績があった者
○ 日本の加盟する国際機関の事務局長、事務局次長又はこれらと同等以上の役職として勤務した経歴を有する者
○ 東京証券取引所プライム市場に上場している日本の企業の取締役以上の役職を5年以上務めている又は務めていた者であって、そ
 の間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者
○ 我が国の経済、産業、社会又は福祉分野において、全国規模の選抜の結果として賞を受けた者であって、これらの分野の発展に貢
 献のあった者
○ 文学、美術、映画、音楽、演劇、演芸その他の文化・芸術分野における権威あるものとして一般的評価を受けている賞を受けた者
 であって、これらの分野の発展に貢献のあった者
 例:高松宮殿下記念世界文化賞、ベネチア・ビエンナーレ金獅子賞、アカデミー賞各賞
○ オリンピック大会、世界選手権等の世界規模で行われる著名なスポーツ競技会その他の大会の上位入賞者又はその監督、指導者等
 としてその入賞に多大な貢献があった者で、日本における当該スポーツ等の指導又は振興に係る活動を行っている者

第5 原則10年在留に関する在留資格「特定活動」の取扱いについて

 上記第2の5(6)のとおり、申請時点において、原則として引き続き10年以上本邦に在留し、この期間のうち就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが求められます。
 在留資格「特定活動」については、入国・在留目的に応じて、個々の外国人ごとに活動内容が指定されるものであるため、この「10年」の期間に算定される活動であるか否か、就労資格に該当するか否かは指定内容によることとなります。
 在留資格「特定活動」のうち、どの活動が「10年」の期間に算定される活動であるかについての基本的な考え方、どの活動が就労資格に該当するかについての基本的な考え方及び主な例は次の1及び2のとおりです。

1 「10年」の期間に算定されるかについて

(1)基本的な考え方
  特例的、かつ、一時的に本邦に在留することが認められているものについては、この「10年」の期間に算定しません。
(2)「10年」の期間に算定されない活動の主な例
 ・継続就職活動
 ・就職内定者
 ・本邦の大学等を卒業して起業活動を行う留学生
 ・難民認定等手続中
 ・本国における情勢不安を理由に本邦への在留が認められている者

2 就労資格に該当するかについて

(1)基本的な考え方
  就労が認められている活動であっても、在留資格として専門的・技術的分野に属するものと評価できない場合や制度上在留期間の更新に制限があるような場合には、就労資格には該当しません。
(2)主な例
  ア 就労資格に該当するもの
   (ア)特定活動告示に規定されている活動
    ・告示6号(アマチュアスポーツ選手)
    ・告示8号(国際仲裁代理)
    ・告示36号(特定研究等活動)
    ・告示37号(特定情報処理活動)
    ・告示46号(本邦大学等卒業者)
   (イ)特定活動告示に規定されていない活動
    ・EPA看護師及びEPA介護福祉士(EPA看護師及びEPA介護福祉士の候補者として在留している期間は含まれません。)
  イ 就労資格に該当しないもの
   (ア)特定活動告示に規定されている活動
    ・告示5号及び5号の2(ワーキングホリデー)
    ・告示9号(インターンシップ)
   (イ)特定活動告示に規定されていない活動
    ・本邦の高等学校卒業後に就職した者

第6 適用時期・既存のガイドラインの整理

 本ガイドラインの改定は令和9年4月1日以降の申請から適用します。
 ただし、上記第2の4(2)及び第2の5(7)は、本ガイドラインの改定日から6か月前の日以降の申請であって、かつ、改定日において申請中である案件にも適用します。
 また、本ガイドラインの改定により、「我が国への貢献」に関するガイドラインは廃止します。
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