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第5次出入国管理政策懇談会第8回議事概要

  日時 平成19年3月27日(火)午前10時~12時
  場所 法曹会館3階「富士の間」
  出席者(敬称略)
 
(1) 第5次出入国管理政策懇談会
木村孟(座長)、井上洋、加藤朗、多賀谷一照、寺田範雄、中谷巌、長谷川裕子、マリ・クリスティーヌ、横田洋三
(2) 法務省
稲見入国管理局長、髙宅総務課長、沖審判課長、上原警備課長、高岡登録管理官、佐藤参事官、中川局付、海保局付、石合難民認定室長、神下出入国情報管理室長、利岡入国管理企画官、廣石入国管理調整官、志々岐情報分析官、石岡審査指導官、西山警備指導官、小出総括補佐官
 会議経過
 
(1)   まず、入国管理局から出入国管理行政に関する最新の統計の概要及び関連施策等について説明し、その後、意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。
 
  国籍(出身地)によって、不法残留者数の多い在留資格がかなり違うが、これは、それぞれの国籍(出身地)の在留資格別の入国者数と比例しているのか。
  大学での留学生の面接で最近感じるのは、学生の来日目的が曖昧になっているということである。「留学生」の在留資格が悪用されている面もあるかもしれない。
  平成18年に退去強制手続を執った外国人のうち不法残留の者が4万人以上いるが、一方で不法残留者の減少が2万人程度というのは、その分新たに不法残留者が発生しているということか。
  不法滞在の外国人の中には、意思に反して夜の仕事に従事させられているような女性をはじめとして、本国に帰りたくてもどこに訴え出れば良いのかわからないという人たちも多い。このような人々に対して、多言語での情報提供等、広報活動の充実を図ることが重要。
  不法滞在の外国人にも、色々な事情を抱えた人々がおり、悪質な者ばかりではない。それぞれの事情に応じた取扱いが重要。
  違反者について、単に退去強制するだけでなく、本国できちんとした対策を取ってもらわないと、偽造旅券等でまた日本に入国しようとするなどの可能性もあり、根本的な解決にはならない。相手方政府の協力を得ることが重要。
(2)   続いて、入国管理局から高度人材の受入れに関する各種の政策提言について概要を説明し、その後、意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。
 
  「高度人材」という表現は工夫する必要があるのではないか。場合によっては、差別的に感じるのではないか。
  外国人労働者の受入れは、受け入れだけではなくそこから派生する問題が非常に大きい。それらも含めた上での制度を考えることが必要。
  専門的・技術的分野の外国人労働者の受入れが進まないのはなぜかをもっと考える必要がある。日本での生活環境や労働環境など、どこかに原因があるはず。
  人口減少社会の中で労働力が不足するから、外国人労働者を単純労働まで含めて受け入れるべしという議論が多いが、高齢者や女性など潜在的な労働力の活用を先に考えるべき。
  専門的・技術的分野の労働者の受入れが進まない理由は、早く経営に関わるような地位に就きたいというように短期的成果を求める外国人労働者と、日本企業とのミスマッチにもある。ベンチャー企業などを除けば、このような外国人労働者の希望に合致するのは難しいだろう。ただし技術系は、かなり受入れが進んでいると感じている。
  高度な技能を持った外国人労働者をローテーション制で受け入れて、日本語を学んだり技能を磨いたりしてもらい、母国に帰った後に日系企業等で役立ててもらうようなシステムができれば良い。
  留学生は、単純労働者になる可能性も高度人材になる可能性もある。潜在的な能力を判定する仕組みが必要。現在では民間の企業が採否の決定という形で事実上担っているが、やや任に余るのではないか。
  高度人材については、限界領域を議論していてはいつまでたっても進まない。やりやすいところから手を付ける方がよい。判定の方法は、ポイント制や、何らかの資格に基づいてやることから始めてはどうか。
  特区での研究者等の受入れを全国展開したが、これらの措置の効果はどの程度あったのか。
  ポイント制を導入し、一定のポイントを超える外国人については、企業との契約等がなくても、準備期間として1年間自由に日本に在留できるような制度を考えても良い。それくらいしないと、本当に専門的・技術的な労働者は入ってこないのではないか。
  最初から日本にずっと住もうと決めている人は少ないのではないか。受け入れようとする側の環境整備が重要。
  大企業だけでなく、中小企業も含めて外国人労働者の受入れの環境が整わなければ、この問題はなかなか解決に向かって進まないのではないか。
  (文責 法務省入国管理局)
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