職員インタビュー(総合職/一般職(入国審査官)/入国警備官)
総合職職員インタビュー
Mission_01 出入国の管理
我が国の水際を守り、スムーズな移動を実現するために、出入国在留管理庁では日々入国審査官が空港等での出入国審査に尽力しています。総合職職員としては、円滑かつ厳格な出入国審査の実現のため、現場の空海港と綿密に連携し、デジタル技術や情報分析を活用しつつ企画・立案を担うことなどが求められます。
●出入国管理部出入国管理課長 松野弘明(平成7年採用・法律)
ーMission-安全・安心な社会の最前線として
出入国管理課は円滑かつ厳格な出入国審査の砦として、全国の空海港における人の出入りを統括する位置付けにあり、現場でトラブルが起これば、空港で勤務する現場の職員と一緒に解決策を考えたり、対処をしたりするミッションを負っています。「円滑かつ厳格な出入国審査」の実現は、言うは易く行うは難しで、一人ひとりの「ひと」を相手にして審査をすることから、365日24時間人々の出入りがある中での対応は簡単なことではありません。それでも、出入国管理の現場は、日本が誇るべき「安全・安心な社会の最前線」に他なりませんので、必ず「守る」という気概を持って、現場の入国審査官とともに職務に取り組んでいます。
一方で、観光立国の観点から、例えば審査待ち時間の短縮にも気を配るなど、円滑さも求められます。私自身も海外旅行に出かけることがありますが、空港内で長時間待たされるのは本当に疲れるものです。空港の待ち時間の状況を常にウォッチし、長くなっている空港があれば状況を現場から聞いて改善策を一緒に考えたり、全国の空港の繁忙状況を見て応援派遣の調整をしたりするなど、私たちの仕事は多岐にわたります。
-Message-チャレンジを楽しむ
訪日旅客者だけでなく在留外国人も増加する中で入管庁をめぐる状況は日々変化しており、チャレンジを楽しめる人には最適な職場だと思います。自分で調べたり、課題を解決したりする難しさはもちろんありますが、自分自身が主体的に動き、活躍することができるのは大きな魅力だと思います。
Mission_02 在留の管理
安全・安心な社会の実現のため、また、深刻化する人手不足に対応し、我が国の経済社会に活力をもたらすため、出入国在留管理庁では、入国審査官による在留審査を基本として適正な在留管理に取り組んでいます。総合職職員としては、在留資格制度を通じた外国人の受入れに関する企画・立案のほか、全国の在留審査を統括・調整することなどが求められます。
●在留管理支援部在留管理課 在留管理総括係長 井手貴大(令和3年採用・政治国際)
ーMissionー全ての外国人の適正な受入れを主導し、支える
在留管理課は、日本で就労、留学または居住する全ての外国人を適正かつ円滑に受け入れるべく、現場である地方官署における審査の全体調整や審査手法に関する企画を担っている部署です。入管庁は、高度外国人材の受入れ促進など、外国人の受入れに関する企画・立案を担っていますが、とりわけ在留審査は、日本国民の利益や治安が害されることなく、日本人と外国人双方が安全・安心に暮らせるよう外国人の在留を適正に管理するために欠かすことのできない重要な手続です。審査の実務を担う各地方官署において、申請の受付から許可等までの一連の在留審査に関する手続が滞りなく進行できるよう、日々、現場担当者と連絡を取りながら、困りごとや課題を解決するために奮闘しています。そのほか、課の総括担当係長として、国会関係業務を含む連絡調整や照会業務など各係を支えるサポート役としても、日々奔走しています。
ーMessageー明確な答えがないからこそ面白い
外国人の受入れに関して、その在り方を含めて国内で様々な意見があるのはもちろん、庁内においても様々な意見があります。多様な考えを持つ職員がいるからこそ、自身と異なる考えにも傾聴できる姿勢が育まれ、外国人との共生社会を実現するための組織的風土が形成されるのではないかと感じています。入管行政を取り巻く課題において唯一の答えはありません。でも、だからこそ面白いのです。柔軟な発想を持った気概のある方々と共に働けることを心待ちにしています。
Mission_03 受入れ環境整備
日本人と外国人がともに、安全・安心に暮らすことのできる共生社会の実現のため、政府全体で外国人の受入れ環境整備を進めています。出入国在留管理庁は、外国人の在留支援のほか、政府の司令塔として、関係省庁の施策の取りまとめや総合調整を担っていますが、総合職職員は本分野の企画・立案の最前線での活躍が求められます。
●政策課外国人施策推進室 補佐官 山口優樹(平成18年採用・経済)
ーMissionー政府全体の司令塔として
外国人施策推進室は、外国人の受入れ環境の整備に関する政府全体の司令塔として、企画立案や総合調整、施策の取りまとめを担っています。日本で生活する在留外国人数は約377万人となり、10年前の約212万人から約1.8倍となりました。これまで在留外国人が少なかった地域でも様々な国籍・地域出身の外国人の方が増えています。また、近年の労働力不足の深刻化や国際的な人材獲得競争の激化を踏まえ、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になることも極めて重要になってきました。
こうした状況を踏まえ、政府は、日本人と外国人が互いを尊重し、安全・安心に暮らすことのできる共生社会の実現を目指しています。入管庁で担う総合調整の一例としては、共生社会の実現に向けた中長期計画であるロードマップ等に基づき、関係省庁と綿密に連携し、施策を取りまとめ、そしてフォローアップなどをしています。そのほか、地方公共団体や外国人支援団体、外国人コミュニティなど様々な立場の方々とネットワークを築き、各地域の実情を把握し、必要な施策の企画・実行に向け日々取り組んでいます。
―Message―省庁の枠に収まらない仕事を
入管庁では、「外国人の方々との共生社会の実現」を切り口に、ほとんど全ての行政分野に「司令塔」「総合調整役」として携わっていくことができます。増大する社会のニーズに支えられた伸び盛りの分野において、省庁の枠に捉われず、自分がやりたい政策、必要と思う施策を企画・推進してみたいという方は、是非とも入管庁を就職先の選択肢に入れていただければ幸いです!
Mission_04 退去強制
安全・安心な社会の実現に向けて、出入国在留管理庁は、不法入国や刑罰に処せられた人など我が国の社会にとって好ましくないと認められる外国人を法令に基づき国外に退去させる任務を負っています。総合職職員としては、不法滞在者対策等を推進するため、関係機関と連携しつつ、企画・立案を担うことが求められます。
●出入国管理部警備課 執行係長 佐野彩華
ーMissionー日本の「出口」政策
警備課は、不法滞在者等の調査・摘発、収容、送還などの業務に関する企画・立案を担っており、いわば出入国在留管理行政の「出口」を任された部署です。政府として、訪日外国人旅行者や就労目的の外国人材などを受け入れる「入口」を広げていますが、我々が担う「出口」の政策は、「入口」の政策が広がっていくとともにより一層重要なものとなっています。特に、我が国の法律を遵守し活躍している外国人が多数を占める一方で、日本での生活の継続等を理由に送還を忌避する者(送還忌避者)の縮減が喫緊の課題となっています。
私は現在、本国への強制送還等に関する企画・立案のほか、地方官署や関係機関との調整に関する業務を担当しています。被退去強制者の強制送還方法はいくつかありますが、例えば、入国警備官が付き添って本国まで護送をする場合は、被退去強制者を安全・確実に本国まで送還しなければなりません。現場の入国警備官をはじめとして、強制送還の完遂には多くの関係者の想いが詰まっていることを実感しながら、送還促進に向けた取組を日々、模索しています。
ーMessageー「ひと」と深く関わる
私が入庁を決めた理由は、面接を受ける過程で面接官が私自身の人となりを見てくれていると感じられたことです。入管庁はまさに「ひと」を扱う組織であり、日本を訪れる外国人一人ひとりの人生に深く関わることが我々の仕事です。採用してくれた入管庁を通して日本社会に貢献したいと思っています。世界に誇れる日本の未来を一緒に作るため、これを読まれた方が入管庁の門を叩くきっかけとなることを願っています。
Mission_05 難民等の認定
日本は難民条約・難民議定書の加盟国として、条約上の難民に該当する人を認定・保護しています。また、令和5年12月には、紛争避難民など条約上の難民には該当しないものの同様に保護を必要とする人々を確実に保護するための「補完的保護対象者認定制度」が開始されました。出入国在留管理庁はこれらの審査・認定を担っており、総合職職員は、各制度の企画・立案を主導することが求められます。
●出入国管理部出入国管理課難民認定室 補佐官 篠崎まどか(平成20年採用・法律)
―Mission―真に保護を必要とする人を確実に保護する
近年、日本において難民等の認定申請をする人は増加傾向にあり、個々に抱える事情も多様で複雑です。適切な審査を行い、真に保護を必要とする人を迅速・確実に保護していくことは、国際社会の一員である我が国の重要な責務であり、入管庁の重要な業務の一つです。
私は難民認定室で各制度の運用に関する企画・立案のほか、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や諸外国の難民審査当局との連絡調整等の業務を担当しています。日本の難民認定に関しては様々な意見が寄せられていますが、地理的状況や歴史的経緯が異なる諸外国とは必ずしも一概に比較できないため、日本の難民保護の現状や、入管庁がどのように運用の適正化に取り組んでいるのかといったことを丁寧に説明することを心がけています。
また、難民の保護には民間のアクターの存在も欠かせません。難民支援に関わる団体や企業の方々とも様々な機会を捉えて情報や意見の交換をして相互理解を進め、自分自身の視野も広げるように努めています。
ーMessageー新しい課題にチャレンジする
私が官庁訪問をした当時「入管は成長産業だよ」と言われました。これまでの経験でその実感は更に強まっています。日本に入国・在留する外国人が増加を続ける中で、入管庁の業務は様々な面で社会に大きなインパクトを与えます。そして、常に新しい課題が出てくるので、チャレンジし続けることができます。時に厳しい仕事もありますが、知恵を出し合いながら一緒に乗り越えていける同僚、上司にも恵まれていると思います。是非入管庁のことを知ってください!
一般職(入国審査官)/入国警備官職員インタビュー
Mission_01 出入国の管理
●大阪出入国在留管理局関西空港支局第十審査部門 入国審査官(令和3年採用・国家公務員採用一般職試験)
Missionー日本の水際を守る門番ー
関西国際空港で入国審査官として外国人の上陸審査や出国確認、日本人の出帰国の確認などの出入国審査業務に携わっています。基本的には対人業務ですが、顔認証ゲートというシステムの監視を行うこともあります。上陸審査中は、審査ブースに並んでいる外国人の中にテロリスト等の日本に入国させてはならない者がいないかどうか、挙動等を注意深く観察しながら、水際で日本の安全を守っています。システムの活用も進んでいますが、怪しい者を見極める最終的な判断は入国審査官に委ねられているので、ここに入国審査官としてのやりがいを感じています。
Valueー日本の「顔」としてー
入国審査官は日本に入国しようとする外国人にとって初めて出会う日本人となることから、少しでも日本の印象が良くなるよう、丁寧な対応を心がけています。外国人の方の中には、日本語や英語が通じない方、ジェスチャーも伝わらない方がおり、コミュニケーションに苦労することもありますが、翻訳機を使ったり、絵を描いて示すなどしたりして根気強く対応しています。外国人の方から笑顔で「ありがとう」と言ってもらえると元気をもらえますし、日本の「顔」として業務に従事できていることを誇りに思います。このような経験ができるのは入管庁だからこそだと思います。
Mission_02 在留の管理
●札幌出入国在留管理局審査部門 入国審査官(平成28年採用・国家公務員採用一般職試験)
Missionー「ひと」の人生にかかわる在留審査の仕事ー
札幌出入国在留管理局審査部門の入国審査官として、在留審査業務に従事しています。多くの在留資格がある中で、私は「日本人の配偶者等」や「定住者」など居住資格に係る審査を担当しています。審査の結果、在留不許可となった場合には、申請者に不許可理由の説明を行うのですが、申請者に理解してもらえるような説明をすることが難しく苦労することもあります。なかには、泣き出してしまう方もおり、心苦しくなったりもしますが、そこは毅然とした対応をするようにしています。どのような場面においても常に相手に寄り添った対応を心がけています。
Valueー入国後の手続だけでなく、入国前の手続から関わるー
在留審査業務に携わる中で心に残っているのは、とある外国人と日本人のご夫婦からの相談から審査まで、一連の手続に関わったことです。外国人の配偶者の方が日本に入国するための手続を案内することから始まり、追加書類の提出依頼など何度もやりとりをしながら、最終的には配偶者の方が無事に入国することができました。入国後に、ご夫婦が窓口にわざわざ来庁し、私のところに直接御礼を言いに来てくれたのはすごく嬉しかったです。在留審査はその方の人生に大きく影響するということを、身をもって感じた出来事でした。
Mission_03 受入れ環境整備
●名古屋出入国在留管理局在留支援部門 入国審査官(平成18年採用・国家公務員採用Ⅱ種試験)
Missionー外国人の支援、共生社会の実現に向けて取り組むー
名古屋出入国在留管理局在留支援部門で入国審査官として、外国人からの相談対応、地方公共団体等と連携した外国人向けの合同相談会の開催など、外国人の方を支援する業務に携わっています。今年度は、岐阜県内で初となる合同相談会の企画を担当し、労働局や日本年金機構等に参加を呼びかけたり、自治体と緊密に連携することにより新規の合同相談会を形にすることができました。また、名古屋入管管内の小中学校を訪問し、「やさしい日本語」を使うグループワークを盛り込んだ出前講座を行うなど、日本人と外国人が共に安心して安全に暮らせる共生社会の実現のために様々な取組をしています。
Valueー正解がないものだからこそー
支援の仕事に「正解」はなく、だからこそ難しさを感じますが、上司や同僚、そして他機関の方々と協力しながらアイデアを出し合って色々な観点から問題解決を図っていく、ここに業務の面白みがあると思います。このため、これまでにも楽しい仕事はありましたが、特に今は毎日仕事が楽しく充実しています。
また、自分らしく仕事ができていると思いますし、自分のやった仕事が「目に見える形」になることにとてもやりがいを感じます。職場は良い人ばかりなので、「人の良さ」を支援業務に絡めながら外部にアピールしていきたいです。
Mission_04 退去強制
●東日本入国管理センター処遇部門 入国警備専門官(平成27年採用・入国警備官採用試験)
Missionー入国警備官として、准看護師として勤務するー
東日本入国管理センターで、被収容者(収容中の外国人)の診療に関わる業務を担当しています。入国警備官の業務と言えば、不法滞在者の摘発や送還を中心にイメージされることが多いかも知れませんが、私は、入国警備官かつ准看護師として、被収容者の庁内診療時の補助業務、処方された薬剤の確認、外部医療機関との連絡調整などに従事しています。准看護師資格を取得した経緯は、被収容者を処遇する部門での勤務が長く、診療の立ち会いをする機会も多かったので、医療知識を身に付けて医師と被収容者の架け橋になりたいと思ったからです。入管庁では、庁内の養成制度で、給料を得ながら看護学校に通って学ぶことができます。魅力的な制度があるなら自分も挑戦しようと思ったことがきっかけでした。
Challengeー被収容者を安全かつ確実に送還するためにー
収容施設では、24時間体制で被収容者の処遇を行っていることから、言うまでもなく、被収容者の健康管理はとても重要なことです。私は職場近くの宿舎に住んでいて、准看護師でもあるので、体調不良者が発生した場合には、勤務時間外であっても緊急で呼び出されることがありますが、緊急の際にも迅速かつ冷静に対応できるよう、更なる医療知識の習得と習熟に努めています。隣席の先輩は同じ准看護師の資格を取得した入国警備官ですが、知識が豊富で、普段から的確なアドバイスをしてくださり、憧れの存在です。その方を目標に、日々業務に取り組んでいます。
Mission_05 難民等の認定
●東京出入国在留管理局難民調査第二部門 入国審査官(平成23年採用・国家公務員採用Ⅱ種試験)
Missionー「ひと」に関わり、国際情勢を理解するー
東京出入国在留管理局で難民調査官として難民認定業務を担当しています。具体的には、難民申請に係るインタビュー、調書作成、出身国情報の調査など業務内容は多岐にわたります。インタビュー前日までに申請書などを読み込み、申請者が置かれている状況などを頭に入れて、整理をします。インタビューを実施し、その後は、出身国の最新情報を調べ、例えば、治安や政治の状況など申請者の申し立てた内容が事実かどうかを確認していきます。「ひと」と関わる仕事がしたいと思い、入管に入ったのですが、空港では多くの外国人の方と関わるものの、ここまで一人ひとりの方と深く関わって話をしたり、背景事情を理解したりする経験はありませんでした。そういう意味でも、自分がやりたかった業務に就けており、日々やりがいを感じています。
Challengeー中立的な立場からー
インタビュー時には、通訳人を活用しながら、本人の申立て内容を中心に丁寧に話を聞いていき、聞いた内容はその場で調書化して、本人に読み聞かせをします。かなりの時間を一緒に過ごすことになりますが、当初、緊張などで自分のことをうまく話せなかった申請者に対し、根気よく時間をかけて話を聞くことによって、申立て内容や主張が明確になったときなどはやりがいを感じます。インタビューでは、特に相手に寄り添って話を聞くことと、難民調査官として毅然とした態度で臨むことのバランスが大切だと感じています。行政官として、中立的な立場から、先入観を持たずに話を聞くことも意識しています。