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退去強制令書の執行・送還・自費出国

1 退去強制令書の執行

退去強制令書が発付されると、入国警備官は、退去強制を受ける外国人に退去強制令書又はその写を示して、速やかにその外国人を送還しなければなりません。

また、入国警備官は退去強制令書の発付を受けた外国人である「被退去強制者」を直ちに我が国から送還することができないときは、その旨を主任審査官に通知し、同通知を受けた主任審査官は被退去強制者を監理措置に付すか収容するかを審査することとされています。この場合において、主任審査官は、その者を収容する旨の判断をしたときは、送還可能のときまで、その者を入国者収容所、地方出入国在留管理局の収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができるとされています。

2 送還

(1) 送還先

被退去強制者を送還する先は、その者の国籍又は市民権の属する国が原則ですが、国籍国等に送還することができないときは、本人の希望により、

  • ア  我が国に入国する直前に居住していた国
  • イ  我が国に入国する前に居住していたことのある国
  • ウ  我が国に向けて船舶等に乗った港の属する国
  • エ  出生地の属する国
  • オ  出生時にその出生地の属していた国
  • カ  その他の国

のいずれかに送還されることとなります。

しかし、本人がアからカまでのいずれかの国への送還を希望しても、相手国が受入れを認めなければ、送還することはできません。

なお、法務大臣が我が国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き、送還先の国には、難民条約第33条第1項(いわゆる、ノン・ルフールマンの原則)に規定する領域、すなわち、政治的意見等を理由にその生命又は自由が脅威にさらされるおそれのある領域の属する国を含まないものとされています。

(2) 送還方法

送還には、大別して、自費出国、運送業者の負担による送還、国費送還の三形態があります。国費送還が国民の皆様の貴重な税金によりまかなわれていることはもとより、不法就労を始め不法入国や不法残留等の入管法違反の防止を図る観点から、自費出国が可能な被退去強制者については、極力その努力を促し、帰国用航空券又は帰国費用の工面ができないため送還が困難となっている者、あるいは、特に人道的配慮から早期送還が必要不可欠と思料される者等については国費送還の措置を執り、円滑な送還に努めることとしております。

なお、「運送業者の負担による送還」の対象となるのは、

  • ア  一般の上陸審査の過程において上陸を拒否された者
  • イ  入管法第24条第5号から第6号の2までのいずれかに該当して本邦から退去強制される者

です。

また、上陸後5年以内に入管法第24条各号の一に該当して退去強制される者のうち、その者が上陸するときに運送業者がその者が退去強制の理由となる事実があることを明らかに知っていたと認められる場合も、この送還の対象となります。

3 自費出国

(1) 自費出国の許可

入国者収容所長又は主任審査官が、被退去強制者の自費出国を許可するに当たっては、被退去強制者が、我が国から退去する意思を有しているだけでは足りず、被退去強制者が所持する旅券、航空券及び所持金その他の状況から、自らの費用負担による確実な出国が具体的に可能であることが確認できなければなりません。

(2) 送還に必要な要件

速やかな自費出国を実現するためには、有効な旅券、送還先まで搭乗が可能な航空券若しくは送還先までの航空券購入が可能な金額の所持金が不可欠です。

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