平成30年1月12日
法務省入国管理局
法務省では,平成27年9月,難民認定制度を取り巻く国内外の動向の変化を踏まえ,真の難民の迅速かつ確実な庇護を推進するため,難民認定制度の運用の見直しを行い,その一環として,濫用・誤用的な難民認定申請を抑制するための措置を行っているところですが,依然として,濫用・誤用的な申請が急増しており,真の難民の迅速な保護に支障を生じる事態となっています。
そこで,法務省では,真に庇護を必要とする者の更なる迅速な保護を図りつつ,濫用・誤用的な申請を抑制し,難民認定制度の適正化を推進することにより,真の難民の迅速な保護に支障を生じさせないようにするため,正規滞在中に申請した者の在留資格「特定活動」に関する運用などについて,更なる見直しを行うこととしました。
1 平成29年1月から9月までの難民認定申請の状況
(1)我が国において難民認定申請を行った外国人(以下「申請者」という。)は14,043人(対前年同期比約77%(6,117人)増加)となり,既に平成28年の申請数(10,901人)を大きく上回っています。
主な国籍は,多い順に,フィリピン,ベトナム,スリランカ,インドネシア,ネパールとなっており,シリアをはじめ,世界で避難を余儀なくされている人の多い上位5か国(UNHCR「グローバル・トレンズ2016」による。)からの申請者がわずか29人にとどまる一方,大量の難民・避難民を生じさせるような事情のない国からの申請者が大半を占めています。
(2)難民と認定されなかった申請者の申立て内容のうち,最も多いのは本国における知人や近隣住民等とのトラブル(約44%)であり,そのうち,約66%が借金に関するトラブルとなっています。また,我が国での稼働希望を申し立てるものなどがあり,難民の地位に関する条約及び同議定書(以下「難民条約」という。)で規定する「難民」に明らかに該当しない申立てが全体の約半数となっています。
2 更なる運用の見直し
(1)初回申請では,案件の内容を振り分ける期間を設け,その振分け結果を踏まえて,速やかに在留資格上の措置(在留許可,在留制限,就労許可,就労制限)を執ります。
(2)難民条約上の難民である可能性が高いと思われる申請者には,速やかに就労可能な在留資格を付与し,更なる配慮を行います。
(3)初回申請でも,難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を申し立てる申請者には在留を許可しません(在留制限)。
(4)在留制限をしない場合でも,失踪した技能実習生等本来の在留資格に該当する活動を行わなくなった後に申請した申請者には就労を許可せず(就労制限),在留期間も「3月」に短縮します。
添付資料
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