第5話 解説

- 成年はお酒もOK? -

Question 1

なぜ、お酒は二十歳からなの?

亜美ちゃん

ポルタ・アカント、とっても美味しかった!
でも、翔平、危うくお酒を頼んじゃうところだったよね。

翔平くん

いやー、ほんとに危なかった・・・。
でも、成年が18歳になっても、お酒は20歳からなんだね。

ポイント

  • お酒を飲むことができるのは、これまでとおり20歳から。
  • お酒を長期間多量に飲むことにより、脳や肝臓等への悪影響があるといわれていますので、お酒を飲めるようになっても、適量を楽しみましょう。
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選挙権年齢や成年年齢が18歳になっても、お酒を飲むことができるのはこれまでとおり20歳からですので、注意が必要です。

お酒を飲むことができるようになる年齢が20歳のまま維持されたのは、その年齢制限が、若年者の健康面への影響の配慮等の観点から設けられているからです。

お酒を長期間多量に飲むことによる健康への影響は、次のようなものがあります。

  • ○ 脳への影響

    アルコール依存症や、脳の萎縮による集中力、記憶力の低下
    飲酒開始年齢が低いほど、そのリスクが高まるとも言われています。

  • ○ 肝臓への影響

    肝臓への負担がかかり、最終的には肝がんなどになってしまうことも。

また、長期的な健康への影響とは別に、短時間で多量のお酒を飲むことで、急性アルコール中毒となり、最悪の場合には、死亡という重大な結果を招くこともあります。

マスター

「未成年飲酒禁止」ではなく、「20歳未満の飲酒禁止」が正しいということだね。
ちなみに、アメリカでも、成年年齢と飲酒年齢が違っていたりするんだよ。

Question 2

「飲み会」で注意すべきこと

亜美ちゃん

どうしてそんなに無理にお酒を飲み過ぎることになっちゃうんだろうね。

亜美ちゃん

サークルの飲み会で気分が悪くなっちゃった先輩は、盛り上げ役みたいな感じだったけど・・・。

ポイント

  • 飲み会での場の雰囲気に流されて限界以上にお酒を飲む(飲ませる)ことは、人の死亡という重大な結果につながる可能性があります。
  • 過去に飲み会で急性アルコール中毒で人が亡くなった事例では、関係したほかの学生に刑事上の責任や民事上の責任が認められたものもあります。
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健康に留意したお酒との付き合い方のほかに、サークルなどでの「コンパ」「飲み会」でのお酒との付き合い方については、別途の注意が必要です。

飲み会では、場を盛り上げるために、お酒を一気飲みしたり、人にお酒を一気飲みするよう勧めたりする場面が見られます。
しかしながら、これらの行為は、自分や相手が急性アルコール中毒になり、その生命の危険を生じさせる可能性がある、大変危険なものです。

特に、お酒の強さは人によって異なるものですので、「自分が飲めるから相手も当然に飲めるだろう」というのは、とても危険な考え方であることを覚えておきましょう。

イラスト(飲み会のメンバーが救急車で搬送される図)

飲み会の場で急性アルコール中毒となり、実際に亡くなってしまったという事例は、大学生が死亡した事例に限っても10件以上あり、決して少なくありません。

また、この事例の中には、お酒を勧めた参加者に対して、刑事上の責任(過失致死罪)や民事上の責任(損害賠償義務)が認められたものもあります。

飲み会の場で、勧められた一気飲みを断ったり、無理な一気飲みをしようとしている人を諫めようとする行為は、その場の空気を壊してしまうようにも感じられるため、とても勇気が要るものです。
しかし、自分や親しい人が亡くなってしまったり、法律上の責任を問われたりするという重大な結果を招きかねないものですので、毅然とした態度で対応することが大切です。

master

私もお酒は好きだけど、上手に付き合ってこそだからね。
お酒の一気飲みで場を盛り上げるのは格好悪い、ってみんなに思ってほしいな。

Question 3

お酒を飲んで自動車を運転したらどうなるの?

翔平くん

他に、お酒の関係で注意しておいた方が良いことは何だろう?

master

飲酒運転に関しても、その危険性と、何をしてはいけないかを、きちんと知っておいてほしいな。

ポイント

  • 飲酒運転が禁止されているのはご存じだと思いますが、
    • ・自動車や自転車の飲酒運転
    • ・お酒を飲んだ人に対する車の提供や運転する人へのお酒の提供
    • ・お酒を飲んだ人に運転をお願いして、その車に同乗すること
    も禁止されており、刑罰の対象となり得ることはきちんと覚えておきましょう。
  • 飲酒運転による死亡事故率は飲酒なしに比べて約8.1倍になるなど、飲酒運転は大変危険な行為です。飲酒運転は絶対にしてはいけません。
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お酒については、飲み方以外にも、特に注意してほしい点があります。
それは、飲酒運転です

飲酒運転をしてはいけないことは皆さんご存じだと思いますが、

  • ①具体的にしてはいけないことは何か
  • ②飲酒運転がどのくらい危険なのか
  • ③どんな責任を負うのか
についてはご存じですか?

①具体的にしてはいけないこと

○お酒を飲んだ後の運転
お酒を飲んだ後は車を運転してはいけません。
個人差はありますが、お酒を飲んだ後2時間ほど仮眠をしても、お酒が体から抜けるわけではありません。
「一眠りしたら運転しても良い」というのは間違いです。
翌日に車を運転する予定があれば、それを考慮した飲酒時間、飲酒量を心がけることが重要です。

○自転車の飲酒運転

自転車も、お酒を飲んだら運転してはいけません。
お酒のせいで正常に運転することが難しいのに自転車を運転することは、刑罰の対象です。

○お酒を飲んだ人に対する車の提供や運転する人へのお酒の提供等
自分自身が飲酒運転をしなくても

  • ・お酒を飲んだ人への車の提供
  • ・運転する予定がある人にお酒を飲ませること
  • ・お酒を飲んだ人に運転をお願いして、その車に乗せてもらうこと

は、刑罰の対象です。
他の人の飲酒運転につながる行為は、自分で飲酒運転をするのと同様に危険なことなのです。

②飲酒運転がどのくらい危険なのか

実際に事故が起きなくても飲酒運転が刑罰の対象になるのは、それが非常に危険な行為だからです。
アルコールは少量でも脳の機能を麻痺させるといわれています。そのような状況下で車を運転すると、安全運転のための適切な操作や判断ができなくなるため、交通事故に結びつきやすいことはもちろん、その結果も重大なものになりがちです。
飲酒運転の死亡事故率は、飲酒していなかった場合の約8.1倍にものぼるというデータもあります。

③どんな責任を負うのか

飲酒運転により死亡事故を起こしてしまうと、被害者の命が失われるという重大な結果をもたらすほか、あなた自身も、刑事上や民事上も重大な責任を負うことになり、飲酒運転をするという軽率な判断の代償として取り返しのつかない結果を招くことになります。

飲酒運転には、呼気に一定の量以上のアルコールが含まれる状態で運転する酒気帯び運転と、お酒の影響で正常な運転をすることが難しい状態で運転をする酒酔い運転があります。酒気帯び運転には3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、酒酔い運転には5年以下の懲役又は100万円以下の罰金という罰則が定められています。
さらに、危険運転致死傷罪が適用される場合があります。死亡事故の場合には、1年以上20年以下の懲役という罰則が定められています。

また、民事上の責任として、被害者の相続人に対して賠償金を支払わないといけません。その額は事案によりますので一概にはいえませんが、死亡の場合、数千万円から1億円を超える場合もあります。

このほか、自動車の運転免許が取り消されたり、一定期間免許を取得することができなくなるなどの処分があります。

あみ

飲酒運転は、絶対にダメ。

Question 4

たばこを吸ったり、競馬の馬券を買ったりするのは?

翔平くん

そういえば、大学の先輩がたばこを吸っていたけど、何歳からOKなんだっけ。

ポイント

  • お酒と同じく、健康上の理由から、たばこもこれまでとおり20歳から。
  • 競馬、競輪などの投票券を買うことも、若年者が依存症になることを防止するという観点から、これまでとおり20歳からとされています。
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お酒と同じく、たばこもこれまでと同様に20歳からです。
たばこをすうことができるようになる年齢が20歳のまま維持されたのは、その年齢制限が、若年者の健康面への影響の配慮等の観点から設けられているからです。

青少年期に喫煙を開始すると、大人になってから喫煙を開始した場合と比較して、がんや虚血性心疾患などの危険性がより高くなるといわれています。
また、吸い始める年齢が若いほどニコチンへの依存度が高い人が多くなるというデータもあります。

ほかにも、成年年齢が18歳となっても20歳の年齢制限が維持されるものとして、競馬、競艇等(具体的には、馬券等を購入する行為)があります。
これも、契約についての判断能力とは関係なく、若年者が依存症になることを防止するという観点から、従来の年齢制限が維持されたものです。

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